【俳句エッセイ】梅は春の季語
1月下旬から4月下旬にかけて、梅の花の開花期です。早く咲く品種ですと、12月の冬至から咲く梅もあるようですね。
我が家では、1月の下旬ごろから白い花が咲きはじめます。
俳句の世界では、梅は春の季語ですが、寒梅・早梅・梅探るなど、冬の季語として登場します。
1月下旬と言えば、晩冬にあたりますが、寒さがいっそう厳しい時期です。雪が降り、冷たい風が吹き、氷は厚いかもしれません。それでも、春は確実にやってきますね。
真っ白な雪、冷たい風の中で、咲きはじめる梅の花は、春の先ぶれとして華やいだ気持ちになるでしょうか。
今でこそ、花と言えば桜を指します。
現代では、薄紅色のソメイヨシノが親しまれていますね。平安時代でいっきに人気の出た桜ですが、当時は、ソメイヨシノはありませんでした。ソメイヨシノが現れたのは江戸時代です。
それまでは、桜と言えば、ヤマザクラがお花見の対象でした。
平安時代から親しまれてきた桜ですが、奈良時代から平安時代初期にかけては、梅がお花見の対象として親しまれていました。
寒い季節に咲く花は、まだ先の春の喜びを伝えてくれます。
そろそろ咲くかもしれない。
もう、咲いているかもしれない。
そんな気持ちをもてあまして、早咲きの梅を探しに行く方もいるかもしれませんね。
春が来た喜びを伝えてくれるのが桜なら、冬の寒さの中で、春は必ず来るんですよと伝えてくれるのが梅かもしれません。
そろそろ咲くかもしれない。
もう、咲くかもしれない。
1月下旬が近づくと、雪の予報があっても、自宅の庭や近所の梅の木に、つぼみや花がないかと探してしまいます。