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35年もの間の不義理をどうか赦してください【2024沖縄 振り返り日記02】
▼ここまでのお話
01■からだじゅうの細胞が喜んでるのがわかるよ、ただいま沖縄
・
今回の旅 旗印をいくつも立てていた。
●本島南部へようやくのご挨拶
●友人がつないでくれたアルテ崎山でかのちゃんとツーマンライブ
●友人がコーディネイトしてくれたやんばるHotCafeでウクレレを愛する地域のみなさんとライブ
●伊平屋島へ
・海 山 しぜん 人 泡盛 …興味が尽きない島を知る
・泡盛「照島」を製造する伊平屋酒造所を見学、直売を手に入れる
・洞窟にご挨拶
●那覇の夜を一人散歩
●宮古島へ
・友人と合流、3年間の島暮らしを間もなく終える従妹夫婦と乾杯
・漲水御嶽(はりみずうたき)にご挨拶
よくそんなに旗立てたもんだ・・・💦
でも いっぱいいっぱい 愉しめた。
無理なく みんなに助けられながら の毎日でした。
・
11月1日は ようやく 南部戦跡へ足を運べた
とても大切な日になった。
1989年の春にはじめて行った 沖縄
そこから熱病 ほぼ毎年通ってきた 沖縄。
それなのにいちども 糸満より南へは
行ったことがなかった。
というか
行けなかった。
でも
今回は なんというか 心が 向いて。
そろそろ 来てもいいよ と言ってもらえているような 気がして
先週の 広島に続いて
心を落ち着かせて
整えて 謙虚に 正直に。
Timesのカーシェアで車を借りて 那覇から40分もかからずに
ひめゆりの塔へ到着。
観光バスの駐車場は昔の風情
向かいのみやげ物屋も昔の風情
あたかも時間が止まっているかのような 昭和な「観光地」的 顔つき・・・
こういった状況に心がざわつくのは予想できていたので それもあってなかなか来れなかったのだけれども
正直 訪れてみたら
そんなことは
どうでもよかった。
それよりも
目の前にあるのは
15歳から19歳の学生で構成された
ひめゆり学徒隊の 圧倒的で凄惨な史実と
数々の碑に刻まれた魂の証 だった。
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いま 大阪の病院で働く長女が 高校2年の時に言った
「国境なき医師団に行きたい だから看護科の大学に行かせてください」
その時の様子が 蘇ってきた。
簡単なことばでは語れない
浅いイマジネーションでは片付けられない
そんなとても大きな課題を 預けられた気が しました。
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結局 資料館へ入る勇気がなく
その先の 県立平和祈念公園へ向かうことにした。
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車を駐めて ウクレレを手に
平和の礎を抜け 広い広い公園を 西へ西へ。
日本における唯一の地上戦の最激戦地
県民を総動員させられた最激戦地
沖縄
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「テルには 摩文仁の丘を背に ぜひ 海を眺めて 感じて欲しい」
以前 とある うちなーの音楽仲間に
摩文仁の丘にはまだ行ったことがないと答えた時に
そう言われました。
ずっと 心に 小さく しっかりと 刺さってたんです。
俺はその時 どう思うんだろう
俺はその時 なにを感じるんだろう
あれこれ 考えたり 行かない理由を見つけようとしていた
・・・でも そんな不安 思惑 は どうでもよかった。
理屈 屁理屈 アタマで理解する そういうことではなく
それこそ この丘で なにがあったのか を
感じることなんだ と。
1989年の春からこの日まで
35年もの間 ずっと 足を運ばなかった 足を運べなかった
戦争の痕跡濃く遺る この場所で
「理想」を歌った。
・
那覇に戻る帰路の途中で「健児之塔」の表示に
どうも心が惹かれてしまい
ハンドルを切って途中下車。
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その 健児之塔の後ろに
摩文仁の丘へつづく鬱蒼とした階段があって
あ もう はい 呼ばれたな
と
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積もった枯葉の上に 今朝まで降っていた雨のせいで足元は滑りまくりで
いつまでも終わりの見えない 急で長い階段
試されてるんだな きっとこれは
そう思いながら 一段一段登って
やがて
どかん
と
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悲しすぎるほど圧倒的に紺碧の海が
僕を 迎えて くれたのでした。
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