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【マジカルバケーション】トルーナ村の話【GBA】
※2023年9月23日に別のブログに書いたものを再掲しています。
異世界(光のプレーン)に飛ばされて最初にたどり着く村での出来事なんですけどね。
村長の孫娘であるミルフィーユちゃんはとにかく心優しい子で、村の平和を誰よりも強く願っている、まさに次期村長にぴったりな女性です。
そんなトルーナ村では最近連続殺じ……ではなく、殺パペット事件が起きていました。基本的にパペットたちの寿命は何百年ですが、事故や事件で命を落とすことはあるようです。
主人公たちがこの村に来たときも被害者が出て、ミルフィーユちゃんはひどく取り乱します。
ネタバラシをすると犯人は宿屋の主人であるティラミスさん。彼にはムースくんという弟がいましたが、200年前に崖から足を滑らせて死んでしまったのです。彼が経営する宿屋のカウンター横には一体のパペットが置いてあり、どうやらそれが弟の亡骸なようです。
最愛の弟を生き返らせたい一心で、ティラミスさんは他のパペットたちの『ハート』を狙って彼らの命を奪っていました。ハートを取り出し、それを弟に入れれば生き返るはずだと。
もちろんハートなんてものは存在しません。心はありますけどね。だけど人の心を奪って入れたところで、どうにもならないのです。
息絶えたパペットの胸をえぐってみたもののハートが見当たらず、ティラミスさんは罪を重ねたのでしょう。たまたまこのパペットになかっただけ。次のやつにはあるはずだ、と。
ティラミスさんはミルフィーユちゃんにハートを寄越せと詰め寄ります。他のパペットたちがこの件を「次は自分が襲われそうでこわい」「いつまで続くのか」と不安を募らせつつもそこまで被害者を悼む感情がないのに対し、ミルフィーユちゃんは心を痛め嘆き悲しむので、彼女こそハートを持っているに違いないと思ったのでしょう。もはや狂人ならぬ狂パペットです。
主人公たちは彼女を守りたい・助けたいと申し出ますが、ミルフィーユちゃんから村のことに部外者が首を突っ込まないでほしいと言われてしまうんです。彼女にしてみれば、自分が死ぬことでこれ以上被害者が出なくなるうえハートなんてものはないのだとティラミスさんにわからせられるならそれでいいと思っていたのでしょう。
とはいえ、黙ってミルフィーユちゃんが殺されるのを見ていられるはずもなく、ガナッシュくんがティラミスさんをちょっと懲らしめたんですね。もちろん殺すつもりなんてありません。ただ少し痛みを教えることで、被害者たちの恐怖や苦しみをわからせたかっただけ。
だけどティラミスさんは死んでしまったのです。ピスタチオくんやアランシアちゃんの口ぶりからして、ガナッシュくんに痛めつけられたあと自分で自分の『ハート』を取り出そうとしたようです。
自業自得、なんて私は思えませんでした。良い悪いは別として、ティラミスさんにはティラミスさんなりに弟を生き返らせたいという強い思いがあったんですもの。
この時点では嘆き悲しむミルフィーユちゃんを見ることしかできないのですが、その後トルーナ村を訪れると村長のお家に彼女の姿はなく、なんと宿屋のカウンターの向こうにいるんです。カウンター横には相変わらずムースくんの亡骸があって、その隣には新たにティラミスさんも並んでいました。
お泊りになりますか?なんて、まるで主人公たちのことなんて知らないみたいに挨拶をするミルフィーユちゃんの姿に、なんともやりきれない気持ちになりました。
どうすれば正解だったんでしょうね。あのままミルフィーユちゃんがティラミスさんにハートを捧げたら良かったの?でもたぶんだけど、ティラミスさんはミルフィーユちゃんを好きだったんじゃないかな。弟をきみに会わせたいって言ってましたし(それならなんで彼女のハートを欲しがったかといえば、弟をよみがえらせたいという思いに憑りつかれてしまっていたんだと思います)。
もしも主人公たちが手を出さなければ、ひょっとしたらミルフィーユちゃんのハートを奪おうと彼女を手に掛けたティラミスさんが我に返ったかもしれない。
主人公たちが手を出さなければミルフィーユちゃんはティラミスさんに殺されて、ハートなんてものが存在しないことに逆上して村のパペットを全員殺して自らも命を絶っていたかもしれない。
どうしたら幸せな未来になったのかな。というのをずっと考えています。この先、もしもなにか動きがあったらまた追記します。
未来というのは自分が選んだものしかないんですよね。こうしていたら、ああしていたら、というのはすべて絵空事。想像でしかなくなってしまうわけで。
トルーナ村での出来事は、私にとってマジバケのなんとも悲しい事件なのでした。
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