チョコレート戦争
-認めること、謝ること-
なんとなく児童書コーナーで「大ベストセラー愛蔵版」と大きな帯をつけて、子どもの本のコーナーで堂々としていたこの本を見つけました。なんと初版1965年、、、そんな昔の児童書を読んでみたいと思い、文庫はあるかな?と探してみたら1冊だけ本棚に並んでいたので、購入しました。
街のケーキ屋さん金泉堂のショーウィンドウが割れて、店の前にいた明と光一が濡れ衣を着せられるところから物語が始まります。
店員さんも支配人も社長も、小学生である光一たちの言い分を聞いてくれません。
社長である谷川金兵衛氏の、金泉堂を開業するまでのバックボーンには、大人であっても心揺さぶられます。
文章がお話口調なため、本と会話をしているように、テンポよく物語が展開されていきます。
今ではほぼ見つけられないであろう値段のシュークリームが80円だったり、デパートの上がちょっとした遊園地だったり、公衆電話を使ったり、時代を感じるところも懐かしく、ほっこりする場面です。
ショーウィンドウを割ったと思われている光一たちは、金泉堂の目玉であるチョコレートで出来たお城を盗んで復讐をしようと決心します。
子どもの話に耳を貸さない大人たちをギャフンといわせることができるのか?
盗みを働こうとする子どもを、大人は食い止めることができるのか?
ちいさな街の大きな戦争が勃発します!
悪いことは悪いとしっかり認めて謝罪する大切さ、そこには子どもや大人は関係ないということに気付かされます。
最後にガラスが割れたのは何故か、真相が明らかになります。
誰もが胸に持つ罪悪感を、晴らすきっかけとなればいいと思います。