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遠くの山並みは ゆっくりと褶曲を続ける 太古の竜の背骨 あの海に浮かぶ島々は 夜半に宇宙から墜ちて来た 小惑星の群れ だけどその上に ずっと遠くまで広がる 夏空と 流れて行く雲は かつて通り過ぎた街と とうの昔に別れを告げた人達が ふと振り返って 僕に寄こしてくれた通信だから 遠のいて行く街並みと 後ろ姿の白い肩先に 僕はどうやって 呼びかけたらいいのだろう 川堤の道のつゆ草と 萱の茂みに挨拶をしながら まだ青い稲穂を波立たせて 風が午後の平野を吹き抜けて行く 風よ