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機械学習入門〜AIを人間に近づけるには?〜AI2nd day4

AI人材育成講座も4日目に入りました。

今回は、機械学習入門編。

「AIってすごい!」と安直に言いたくなるところですが、いやいや、それだけでは終わらない。

今回の講座で感じたのは、機械学習というテーマが単なる技術的な知識ではなく、哲学や人間理解までも含んでいる壮大なものだということです。

以下、いくつかのポイントについて、僕なりのまとめと感想をつらつらと書き連ねてみます。

エビデンスレベルの重要性

まず前回のふりかえりの中で、エビデンスレベルのピラミッドについて学びました。証拠(エビデンス)の強さを示す指標として、メタ解析やシステマティック・レビューが最上位に位置し、試験管内の研究が最下位に位置づけられています。

例えば、前回習った、新薬と偽薬を使ってグループ分けしたランダム化比較実験は、この図の中上から2番目の 「無作為化比較試験 (RCT)」 に該当します。

無作為化比較試験は、観察研究よりも因果関係が明確になるため、証拠としての信頼性も高い位置にあるそうです。


機械学習の基本概念

機械学習とは、人間の脳による入出力を模倣する技術です。例えば、画像を見て(インプット)、視覚を処理して、意思決定して、最終的にユーザー行動を起こす(アウトプット)といった流れですね。

AIは人間の脳を再現しようとしていて、基本的には人間の模倣を行うアルゴリズムと考えることができます。

例えば、プロの料理人がたくさんの野菜の画像の中から何を見ているのか?というのを、インタビューなどで調べて、それをAIに学習させる。

知能とは何か?

講義の中で面白かったのが、「知能とは何か?」というまるで哲学のような問いかけ。

犬には知能があるのか、猫には知能があるのか、そして虫にはあるのか?
これって、意外と難しい問題なんですよね。

結局、知能というのは「課題のための解決を行い、学習ができる」能力なんだと。

特に「学習ができる」ことがとても大事だと講師のいずくね先生は語ります。過去にうまくいったこと、うまくいかなかったことから学べる、というのが重要なポイントなんです。

「人間の知能とは?」という問いかけを受けたとき、自分の中で即答はできませんでした。

仕事をしていた頃、銀行の会議で上司に叱られる中で「この稟議書に知能が足りないんだけど……」と言われた記憶がよみがえります(辛い)。でも、あれも過去の失敗や成功から学び、解決策を導き出せという上司からの叱咤だったのかもしれません。

人間の知能が「学び」「解決」を軸に動いているとすれば、AIはその模倣にすぎません。それでも、あのとき僕の代わりに会議に出てくれるAIがあれば、人生が少しマシになっていたかもしれない……いや、やっぱり地獄だったでしょう。

強いAIと弱いAI

AIには「強いAI」と「弱いAI」があります。強いAIは人間のような自意識や知能を持つAI。一方、弱いAIは特定の分野の問題のみを解決するAIです。

ただし、弱いAIだからといって、ダメなわけではなく、むしろ課題解決のためにAIを使うのであれば、特化した弱いAIの方が設計しやすく問題を解決できる可能性が多いです。(この講義で扱うのも基本的に弱いAI)

面白い例え話があって、「ドラえもんに寿司を握ってもらうより、今存在している寿司ロボット(弱いAI)にお寿司を握ってもらった方がよい」というもの。確かにその通りですよね(笑)

AIモデルの構築について

点線の右上を合格ラインとする

AIに学習させるということは、関数の係数を変えることなんです。例えば、りんごの品質を数字で表すには、色味や大きさなどの要素(説明変数)を使って判断します。これらの要素を組み合わせて、合格か不合格かを判定します。

プロセスの概要
説明変数と目的変数:
色味と大きさが「説明変数」。(インプット)
それに基づいて「合格」か「不合格」が「目的変数」。(アウトプット)


アルゴリズムの形を学習:
データを通じてモデルが線引き(判別基準)を学び、それに基づいて新たなりんごを評価する。

データ駆動型 vs モデル駆動型:
データからパターンを学ぶ方法(データ駆動型)。
モデルを基にデータを積み上げて解釈する方法(モデル駆動型)。

機械学習の3つの手法

この箇所はめちゃくちゃ大事らしく、抗議でも多くの時間が割かれ、Slackのコメントも活発に議論されました。

教師あり学習

データに「正解」が含まれている状態で学習する方法です。
学習データ(入力とその正解のセット)を使い、モデルに「これが正解だよ」と教えながら学習を進めます。

・目的
過去のデータをもとに、新しいデータの結果を予測する。

・具体例
画像認識:
犬と猫の画像があり、それぞれ「犬」「猫」というラベル(正解)付き。
モデルは、このラベルをもとに画像の特徴を学び、新しい画像が犬か猫かを判別する。

教師なし学習

データに「正解」がない状態で学習する方法です。
モデルはデータのパターンや構造を自分で見つけ出します。

目的
データの隠れた構造や特徴を発見する。

具体例
クラスタリング、セグメント分け
顧客の購買データを分析して、似た行動を取る顧客をグループ化する(「顧客の種類」を発見)。

次元削減:
複雑なデータ(例えば100個の特徴を持つデータ)を、重要な数個の特徴だけに絞り込む。

異常検知:
クレジットカードの不正利用を発見。正常な取引パターンから外れるデータを異常とみなす。

強化学習

「試行錯誤」を繰り返しながら学習する方法です。
モデルは「行動」を選び、その結果得られる「報酬」に基づいて学習を進めます。

目的
環境との相互作用を通じて、最善の行動を学ぶ。

具体例
ゲームAI:囲碁やチェス、Atariゲームのプレイ。
モデルは、ゲームの勝敗や得点を報酬として学習。

ロボット制御:ロボットが障害物を避けて目的地に到達する。
障害物にぶつからないことが「報酬」となる。

それぞれの学習方法をRPG風にたとえると、たぶんこんな感じ。

  1. 教師あり学習: 道場で訓練
    師匠が「この敵にはこう戦え!」と教えてくれるスタイル。剣の振り方や魔法の使い方を練習し、正しい戦術を身に付ける。例えば、「スライムには斬撃が有効だ」と教わり、それを繰り返し学習。

    例: 猫か犬かを判断する画像分類。

  2. 教師なし学習: 地道に地図を作る冒険者
    地図なしでダンジョンを探索し、自力でエリアの特徴を把握。「スライムが多い場所」「宝箱のある道」を観察で発見。教えてもらえないが、探索を通じてパターンを見つける。

    例: 顧客を似た行動ごとに分類するクラスタリング。

  3. 強化学習: 我流でスライム狩り
    実践あるのみ!戦闘を重ねて「斬撃は効く」「魔法は無駄」と試行錯誤で戦術を学ぶ。勝利後の経験値(報酬)を基に次の戦術を改善する。

    例: 自動運転やゲームAI。

という感じですかね。

印象に残ったのは、いくらChatGPTに質問しても、そもそも正解を取り出す知識や正解っぽいという推論がないと全く役に立たないということ。

計算機をもっていても、きちんとした入力や概算ができないとと答えを間違えてしまうのに似ていますね。

ディープラーニングの基礎

ディープラーニングは、人間の脳の仕組みを模倣した技術です。

機械学習の進化版として「大量のデータ」と「深いニューラルネットワーク(人間の脳のような知識同士のつながり)」を使って、複雑な問題を解決することができます。

画像認識や音声認識、自然言語処理、自動運転など、私たちの生活を大きく変えています。

「AIが何かすごいことをしている」と感じる裏には、ほとんどの場合ディープラーニングが関わっていると言えるでしょう!

まとめと感想

この講座を通じて、AIや機械学習って思ったより身近なものだと実感しました。特に印象的だったのは、「優秀な職人や医者の作業を模倣する、再現可能にする」という考え方。

必ずしも人間を超える必要はなく、人間の仕事を補助・効率化できれば十分な価値があるんですよね。

そして大切なのは、あくまでも課題解決のためにAIを使うということ。

まず「この仕事めんどくさい」「もっと楽にできないかな」って自分の課題に気づくこと……なのかな?

AIはあくまでツールです。銀行で取引先に融資をするかどうか決めるみたいに、最後は人間が判断するわけです。

そこから始めると、意外とAIって幅広いことに使えるじゃん!って気づくかも。

次回からは、さらに機械学習の発展的なことを学んでいくようです。

……

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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