見出し画像

静かな

あるひとつの事実を前に、私は乱心する


たくさんの思いが、渦巻くように芽生えてくる

初めは驚きだったものが、怒りへと変わり、
やがて悲しみや哀れみへと変わっていく。

私の中に居座り続けるこの感覚はなんだ


思い出はキラキラと光る水面

認めたくない汚い感情はどす黒く荒れた波


どんな名前を与えればいい

どんな言葉を見つけても


きっと名は付かないのだろう


冷たく暗い海の底へ、
深く深く、貝のように沈んでいく

いいなと思ったら応援しよう!