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必ず訪れるハードシングスにどう向き合う?起業家に捧げる実践ガイド【能力開発偏②】
ワクワク、喜び、感謝、焦り、怒り、悲しみ、裏切り、絶望、幸福、安定。
およそ人生で経験するすべての感情を起業で経験していきました。
その中で絶対に忘れてはいけない経験がハードシングスです。
起業したら誰にも相談できず夜も寝れないという経験は一度はあるのではないでしょうか?
挑戦する起業家には必ずと言っていいぐらいハードシングスが来るので、今回はその向き合い方や乗り越え方を僕の経験を含めてまとめます。
✅HARD THINGSとは?
そもそもハードシングスとは、起業家ベン・ホロウィッツの本『HARD THINGS』で書かれた概念です。
起業から会社売却までの経験を赤裸々に書かれていて、
特に、経営者やリーダーが難しい状況や決断に直面した際の考え方や対処法について語られています。
まだ読んだことない方はおすすめです。
それで、なぜハードシングスになるか?というと答えがない正解がないからです。
普通のトラブルならベストプラクティスの解決策があるので淡々と進めればいいのですが、ハードシングスの場合だと1つの問題に複数の変数が絡み合ってます。
こちらを対策したら、あちらが燃えるなど難易度が上がるんです。
重ねて決断も必要です。
南に行くなら北に行けないわけで、みんなハッピーはならないんですよね。
これでまた悩んで寝れなくなる。。。
✅起業家のメンタルヘルス状況
僕もADHDだと思うのですが、起業家にもうつ病や不安障害など精神的問題を抱えている割合が多いです。
※まあ僕はADHDでも普通なのでなんともないですが、一般的にみたら問題らしい。
起業家は過度な仕事量、ストレス、責任感、孤独感、激しい競争とかで一般の方と比べたら2倍のメンタル不調を抱えながら仕事をしています。
それもそうで、ベンチャーやスタートアップは世の中にないサービスを生み出してくので初めは受け入れられず苦しみます。
知らず知らずのうちに壊れていくんですよね。
なので、起業家のメンタルヘルス問題は大きく僕もフォローしてたりします。
その中でもハードシングスはトラブル10点満点の内、8点や9点をゆうに超えてくるので、かなり重たいです。
普通に寝れなくなり、食事も喉が通らなくなり、めまいがして顔色が悪くなります。
僕も大なり小なり経験をしてきたので、どんなことがあってどう対応したかまとめますね。
✅ハードシングス例
こんなことを経験したり見たり聞いたりしてきました。
組織崩壊
「社長、ちょっと話があるんですが、、」
と社員に呼び出されて会議室に行ってみると、社員が全員揃っていて
「私達辞めます。もう、ついていけません」
といきなり言われることがあります。
基本的にあなたに原因があり、社員が嫌気が差すパターンですね。
これはあるあるです。起業家から組織崩壊の相談が来たら「おめでとう!」といいます。
なぜならあなたが成長できる機会だからです。
人材編でもまとめていきますが、経営の中で精神的疲弊が多いのは人材、組織です。
これは起業当初でも会社が上場してもみんな悩み続けていきます。
なので、早めに組織の修羅場をくぐった方が成長できるんですよね。
で、ここで決断することは社員に言われたから自分を変えるか、変えずに貫き通すかです。
正解はありません。
この決断で今後のあなたの組織の方向性が決まるので是非悩んでください。
社員が労基に駆け込む
ベンチャーの業務は負荷がかかりがちです。
あなたが社員に対して普段と同じように接していて仕事をしていると、いきなり労働基準監督署から連絡が来ることがあります。
それは社員がパワハラで労基に駆け込んだからです。
「え?なんのこと?」
と、あなたとしては寝耳に水の話です。
パワハラなんてしたつもりもないかと思いますが、知らず知らずに業務に負荷がかかり社員がパワハラと感じてしまうケースは多いです。
最悪、業務停止になるのでコミュニケーションには十分気をつけましょう。
リストラ
ベンチャーは夢を語るが安定しません。
バーンアウトで資金が尽きてリストラを検討することもあるでしょう。
心から口説いて入社してもらった社員をリストラするのはかなりキツイです。
このコミュニケーションで鬱になる方は多いですが、リストラを伝えるのは人事労務に任せずあなたから話すのをおすすめします。
損害賠償請求
やっと大手企業と契約ができた!年間数千万の売上が数年にわたり確定して、契約時は社内全員でお祝いムードでしょう。
エンプラの会社を契約できたら実績にもなるし、資金も安定して良いことずくしです。
しかし現実は甘くありません。
数ヶ月後になると、いきなり先方の担当者が顔色を変えてやってきます。
サービスのクレームが入りこんなことを言われます。
「おたくのサービスのせいで製品にエラーが出て、うちの数ヶ月の売上が飛んだんだよ。損害賠償として売上予定だった数億円を払ってもらいたい。今後のやり取りは弁護士を立てたから」
いきなり緊急性が上がり、この対応に時間を費やすことになります。。
資金ショート
キャッシュが減っていくとハードシングスになりがちです。
バーンアウトが見えてくると資金調達で頭がいっぱいになり他の仕事に手が回りません。。
資金編でも修羅場の調達方法はまとめていきます。
法律の改正で業務停止
ベンチャーは新しい社会を作るので、法律がまだ整っていない中で攻める場合もあります。
Uberが良い事例ですね。
そうなるといきなり法改正でそもそも事業ができなくなり可能性があります。
これまで事業してた側からすると何もできなくなり倒産のケースを見てきました。
家族との別れ
仕事に集中する起業家はプライベートでも色々あります。
例えば、仕事で体調不良の家族の最後に立ち会えないや、仕事のし過ぎで家族の時間をおろそかにしてしまったり、遊びすぎて愛想を尽かされるなど色々なケースがあります。
✅ハードシングスの向き合い方、対処法
現実を直視する
ここが一番難しいのと、これができると成長できるのですが、まずは問題を見過ごさずに、現実を直視してください。
楽観的な予測や理想論でなく、データや状況を冷静に分析し、現状を受け入れる姿勢が求められます。
直面する困難に対し、根拠を持って判断を下すためにも、「ハードシングス」を避けずに直視した方が成長します。
また、今のハードシングスはあなたを成長させるために来ているので必ず意味があります。
僕もハードシングスの際は毎回「この状況にはどんな意味があるんだろう?」と客観視することで冷静になれるのでおすすめです。
先輩起業家に相談する
一番いいのは同じようなハードシングスを経験している起業家に相談することです。
同じように修羅場を経験している方の意見は貴重なので、普段から何人か仲良くしておくことをおすすめです。
時間軸を変えてひたすら耐える
ハードシングスを乗り越えると起業家として強くなります。
免疫という言葉が適切かどうかはありますが、重いものを経験すると他が楽に見えます。
おすすめは時間軸を長く考えることです。
今はめっちゃめちゃ辛いけど、これは成長の機会で数年後を見ておくことで楽になれます。
※まあこれができたら苦労しませんね。
僕も実際に時間軸を長く考えてましたが、キツイのはキツイです。。
✅辛い時に本性が出る
そして辛い時大変な時に本性が出るものです。
いつもは冷静な人でもイライラして周りにあたったりすることもあります。
極端な話、ハードシングスの中では「社会のためとか言ってたけど本当は自分のことしか考えてなかった。」
とか自己嫌悪になる時があったとしても僕はそれはそれで自分の発見になるので良い経験です。
最悪、社員や家族が辞めたり離れてしまうこともあるでしょう。
そこからスタートで本当の自分作っていけばいいと思います。
✅最後に
一時期、ハードシングスという言葉が流行ったのかSNSでも「今がハードシングスだ」とか簡単に書かれるのを見ましたが、本当のハードシングスは誰にも話せません。
というか思考停止になり不安と焦りで頭がおかしくなります。
もし、ハードシングスになりどうしようもない状況になれば気軽に相談ください。
経験してきたことで何か力になれればと心から思います。
ここを乗り越えて成長していきましょう!
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