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あまりイメージがない天津の羊肉スープ

天津と言えば何が思いつくだろうか。一番身近なのが「天津甘栗」であろうか。縁日などで店を出していて買って食べた人もいるかもしれない。私としては手が届かない食べ物であった。給食で出てくる栗おこわが身近に感じられた栗であり、帰り道に落ちていた「栗」をどうやって食べるのかも恥ずかしいが分からなかった。


有名な公園に「栗」と関わるものがあり、そこに遊び行ったこともある。実は昔、動物園であったことは忘れ去られようとしている。懐かしい思い出である。そこの近くに通う小学生は「栗っ子」と呼ばれていたらしい。昔は、栗林が立ち並ぶ景勝地だったのだろうか。昔の姿に少し思いをはせながら、栗を考えてみた。


次に天津を知っている人ならば、「麻花」「耳朵眼炸糕」「狗不理包子」「煎饼果子」など天津を彩る有名な食べ物が挙がってくる。チェーン店も出ているので、天津ならばどこでも食べられるものになったのではないだろうか。もちろん、天津を離れると圧倒的に「山东杂粮煎饼」が至るところにあるのは悲しいことだが(マニアックな話)。


今回は、それにも取り上げられないようなマニアックな料理(意外な)を紹介したいと思う。それがこの羊肉スープである。天津は回族が多く、ある地域では回族の人が主に住んでいるところもある(そうなるとその界隈には羊肉を中心とする美味しい店がたくさんある)。そのため、羊肉スープは天津の人にとって非常に重要な食べ物になっている。

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今回訪れたのはこのお店である。「清真」と書かれていることから、回族の料理であることが分かる。ここにはお酒やたばこなどを持ち込むことはできない。他の料理を持ち込んでも言われることがあるので注意が必要である。「清真」と聞けば思い出す人もいるかもしれない。そう、蘭州牛肉拉面店などは基本的に「清真」のお店である。


羊肉と牛肉を中心とした料理が多く、味も美味しいことが多い(絶対ではありません)。そのため中国に来て、羊肉と牛肉の地元料理(西洋料理の牛肉などは除く)を食べたい場合はこうした料理店を探すことをおすすめする(特に天津)。

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これは羊肉のホルモンなどを煮込んだスープである。これにパンをつけながら食べると最高においしい。ゴマダレ、ニラタレ、腐乳の組み合わせで醸し出す味は一度ハマるとたまらない。スープはおかわりできたので、しっかりおかわりした。汗が出てきて、ポカポカしてくる。冬に食べると芯から温まって、過ごすことができる(冬は羊だよ!というぐらい)。


私は暑い時にもこのスープをすすり、汗を出してスッキリする。この文章を書いている時にもパブロフの犬状態である。また食べたい、そう思うぐらい美味しかった。

ぜひ天津に来て有名店を巡った後は、こうした地元のお店にも立ち寄ってほしい。

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