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百人一首と桜|後編
こんばんは。薄雲です。
前回、今年の抱負は「様々なことに挑戦する」ということで、その中の1つとして「百人一首をできるようにすること」を挙げました。
詳しくは前編を読んでいただけると幸いです。
今回は前回に引き続き、紀友則の以下の歌と私にまつわる2つ目のエピソードです。
久方の 光のどけき 春の日に
しづこころなく 花の散るらむ (紀友則)
早朝、桜の下でお酒を飲んだ話
昨年の四月、桜の咲く時期のこと。
一番好きな花は何ですかという問いには必ず「桜」と答えるほど大の桜好きの私は、毎年どんなに忙しくても必ずお花見に出かけます。
しかし、お恥ずかしい話ですが、昨年の私はお花見に行く日の2日前、居酒屋で友人と飲んでだいぶ酔ってしまい、階段を踏み外して足を痛めてしまったのです......…(笑)もちろん激痛で歩けなくなってしまい、お花見にも行けなそうでした。
恋人とお花見に行く予定だったので真っ先に伝えました。桜が見れないかもしれなくて凄く悔しいし、彼からの励ましも相まって泣きそうになりながら謝罪していました。お酒が好きすぎて沢山飲んでしまった私が完全に悪いのですが(笑)
もう既に桜は見頃で満開でした。
足が治るのを待ちながら、散るな散るなと願うばかりでした。雨が降ったら落ち着いてはいられませんでした。在原業平が言うように、桜がなかったら春はもう少し心穏やかにいられたのに。
それでも桜は落ち着いた心もなく、急ぐように散っていきます。
何とか想いが伝わったのか、足が治った頃、少し散り始めていたけれど桜は待っていてくれました。
どうしても二人きりで綺麗な桜を見たかった私。桜というのは多くの人を魅了してしまうので、二人占めするのは難しそうです。
私と同様に桜好きの西行法師のこんな歌があります。
花見んと 群れつつ人の 来るのみぞ
あたら桜の とがにはありける (西行法師)
現代語訳すると、「桜を見にと人々が大勢の人がやって来ることだけが、独りで静かにいたいと思う自分にとって、惜しむべき桜の罪だ」といった感じです。この歌に着想を得て、能で「西行桜」という世阿弥の演目もできました。
百人一首とは関係ない歌で申し訳ないのですが、この歌を知ったとき大変共感してしまったので紹介させていただきます。
古来より桜は多くの人を魅了してしまいますよね。
いざ出発
始発に乗るために、午前5時前には家を出ました。
天候にも恵まれ、日の出がとても綺麗でした。
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私が改札を出ると恋人は既に到着して待っていてくれたようです。
早朝から出発しようというこんな無茶な願いを聞いてくれる彼はとても優しいし、いつも本当に感謝しています。
それからは桜の下で大好きな日本酒を御猪口で二人きりで飲みました。もちろん周りには誰もいませんでした。日本酒は秋田県の栗林酒造「春霞」です。お米の旨味が口に広がってとても美味しいです。名前も素敵ですよね。
朝日に照らされた桜の花は紫がかってより惹きつけられました。舞う花びらは地面に着く瞬間までどこ切り取っても美しいです。私が言葉で表現すると陳腐になってしまうくらい目を引くものでした(笑)あまりの美しさに二人とも言葉少なになってしまいましたが、この時間を共有出来てとても幸せでした。
肝心の桜の写真がなくてすみません......…綺麗なものは目で焼き付けたいという思いで普段からあまり写真を撮る習慣がないのです(笑)記事にするときに写真がないと困りますね。
この記事は当時の日記を手掛かりに書きました。昨年の中では私にとって非常に思い出深い日になりました。
昨年は桜に散々振り回されたけれど、今年も二人でせっかちな美しい桜をまた見たいなぁ。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。まだ先の桜の話ばかりですが、新春に免じて許してください(笑)
引き続きよろしくお願いいたします。
薄雲