野草:ヘラオオバコ
Spitzwegerich/Plantago lanceolata
六月半ば膝の怪我をした。
その日高齢の友人の買い物を手伝うことになっていた。
上階の売り場に行くためフラットエスカレーターに乗ろうとして友人は転んでしまい、それを助けるべく行動した私は彼女をさえたまま両膝から落ちた。足の下は動き続けているのでバランスが崩れたのだった。幸い友人は無事だったが、私の怪我は思ったよりかなりの重症で、意気消沈していたところ、友人がヘラオオバコを摘んで届けてくれた。
ヘラオオバコは外傷、打撲、虫さされなどに効果があるという。
葉をすり潰してガーゼの間に挟み患部に貼った。やさしい香りと柔らかい冷たさが膝の上に乗った。
それが効果をはっきしてくれたかどうだかはわからないけれど(いや、あったと思う)、わざわざ遠方から葉っぱを摘んで届けてくれた気持ちが嬉しく大きな癒し効果をもたらしてくれた。感謝。
ヘラオオバコの葉を刻んでオリーブオイルに二週間ほど漬け込み、ザルで漉したら、湯煎で溶かした蜂蝋の中に加えて、すっかり混ざったら消毒した瓶の中に注いで固めたら、ヘラオオバコクリームの出来上がりで、これも虫刺されや肌荒れに良い。
先日、頭のてっぺんを蚊に刺された家人にオオバコの葉を揉んで、その汁で手当をしたがよく効いたようだった。偶然かもしれないけれど。
また、ヘラオオバコの葉を摘んで乾燥させてから軽く炒ってお茶を入れてみたが、わりあい美味しい。咳止め、下痢止め、利尿効果があるらしい。
我が家の台所には乾燥させた野草などがますます増えて、魔女の台所の様子を呈してきた。