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縄文人になろうとしてなれなかった話

こんにちは。経営コンサルファームMIMIGURIのアドベントカレンダー #わたしたちの冒険 4日目は、臼井がお届けします。

ぼくはMIMIGURI入社して6年目で、チームのマネジメントと自社の組織開発を担当しつつ、お客様に経営コンサルや教育事業の開発をお手伝いしています。キャリアの最初期は子どもとのアート教育事業からスタートしました。いまでも、大人から子どもまで、遊び心をわすれず暮らして働ける状況づくりをしたいなぁと思っています。

そんなぼくが働いているMIMIGURIは、「冒険」を大切にしている会社です。なので、今日はぼくの冒険の原体験について話したいと思います。

あなたは何になろうとしていた?

あなたは子どもの頃、どんな遊びに夢中になっていましたか?そのときあなたは「何になろうとしていた」のでしょうか?

ぼくは小学生の頃、毎日遊びに通っていた公園で、粘土質の土を発見して縄文土器を作ろうとしたり、火成岩を見つけてコンクリートで削り、石器をつくろうとしたりして、「現代の縄文人」になろうとしていました。

ぼくが子どもの頃に住んでいたのは名古屋市千種区というところで、毎日通っていたのはこの「弁天公園」という公園でした。

粘土質の土がとれたのは、このエリアです。それ以外のエリアは砂利地だったのですが、30年前はここは粘土のような土が取れました。

なお、その当時夢中になっていた縄文土器づくりをしている様子はみつからなかったので、10歳当時の臼井少年の写真を置いておきます。

縄文人への憧れ

歴史の授業がはじまったころ、資料集で縄文時代のイラストをながめるのに夢中になっていました。図書室で読書時間があれば、漫画「日本の歴史」で石器時代から縄文時代を読み漁り、図書館でもその手の図鑑や本を読み漁っていました。

臼井少年の憧れ

骨を加工して釣り針をつくって魚を釣り、海水を煮詰めて塩をつくり、きのみを発酵させて醤油に近い調味料をつくり、黒曜石からナイフをつくり、そして何より、土器です。あの荘厳な燃え盛る炎のような形状を粘土から作り上げてしまう。縄文人、まじかっけぇ・・・と憧れが止まりませんでした。

粘土の生成から土器の感想まで

そんな縄文人に少しでも近づきたいという願望を持っていたある日、いつも遊んでいる弁天公園の土が粘土の性質をもっていることに気づいたのです。

「これは、ゴミを取り除いて、輪積み法を使えば、縄文土器がつくれるのではないか?」とひらめいた臼井少年は、粘土質の土を一度乾かし、ほぐし、ザルでゴミをとって、上質な粘土を生成することに成功しました。そしてその土に水を混ぜ、練り上げ、紐状のパーツをつくり、それを積み上げて小さな器をつくりました。

当時の自画像

ぼくの目標は、その土器で湯を沸かすことでした。自分の手で作った土器でお湯を沸かすことができたら、自分で自分の文明をつくったことになる!と確信していました。

果たして湯は湧くのか

弁天公園のトイレの手洗い場の上にトイレットペーパーを置くところがあり、その奥の方に土器を隠して、陰干しにすること10日ほどたったある日、ついに湯を沸かすチャンスがやってきました。

弁天公園で焼き芋大会が行われるのです。「その焼き芋を焼く火のなかに、どうか土器を入れてもらえませんか」と、子ども会のスタッフの方に頼み込み、土器を焼いてもらいました。たしかテルくんのお母さんだったと思うんだけど、驚きながらも許してくれたことを今でも感謝しています。

ドキドキ・・・・

土を乾かしてゴミを取り、水を混ぜて粘土を生成し、輪積み法を用いて、来る日も来る日もトイレットペーパー置き場を荒らされていないかを確認して、守り続けてきたあの土器が、ついに焼き芋の火によって完成する。

ドキドキしながら見守りながら、焼き芋を食べて大会が終わったあと、灰の中を漁ると、土器は見事に割れていました。ただ、焼けた土器の破片からはカチャンという音が聞こえて、土器になりかけていたことを知りました。

現代の縄文人になろうとしたあの記憶

割れた土器を両手に持ち、絶望したぼくは、何を思ったか、地面を掘ってその土器を埋めました。「いつかこの土器を、本物の縄文土器と間違えて発掘する人がいるかもしれない」と思ったのでしょうか。んなわけないだろと思うのだけど、ぼくは真剣でした。

ぼくは現代の縄文人になって、湯を沸かすことは叶わなかった。でも、この土器を発見した人が、縄文人になろうとするかもしれない。何かを託す思いで公園に埋めた記憶があります。その日以来、土器作りの情熱はすっかりなくなってしまいました。

「なろうとしてしまう」

さあ、そろそろエンディングのお時間です。エンディングテーマはレキシで『狩りから稲作へ』です。

人は、自分ではない何者かになろうとしてしまう。その状態が探究を突き動かし、夢中にし、自分の可能性を開くこともある。しかし、その何者かになれず絶望することもある。

そんな、「なろうとすること」の両儀性を問いかけるエッセイを書いたつもりですが、なんの話だったのでしょうか。

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明日のMIMIGURI アドヴェントカレンダーは?

明日12月5日(水)のMIMIGURIアドヴェントカレンダーは、「シャニカマラジオ」のパーソナリティ、藤井タイキさんです!お楽しみにっ!




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臼井 隆志|Art Educator
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