共創の経験としてのアートプロジェクト
こんにちは、臼井隆志です。今日は、企業でつくっている「アンコンシャスバイアストレーニング」と、アートプロジェクトを類推し、「共創の経験」というキーワードについて考えてみました。
ぼくは仕事で、「アンコンシャスバイアストレーニング」といわれる学習プログラムの設計に取り組んでいる。無意識の偏見による行動、言動によって、他者の生が抑圧される。トレーニングを通じた企業文化の変容によって、この抑圧を解消していこうとする動きだ。
この課題にとりくみ始めたのはかれこれ3年前に遡る。株式会社LIVESENSEの桂大介さん、渡邉ももさんに出会い、研修の企画をはじめたことがきっかけだった。LIVESENSEは、行動指針の一つに「差別とハラスメントの根絶」を掲げていた。これはいうまでもなく大きな目的だ。人類が誰もまだ見たことのない、差別とハラスメントが根絶した世界を目指すという目標の途方もなさに、ぼくは賛同した。
アンコンシャスバイアストレーニングには、批判の声も少なくない。会話例や映像などをケーススタディとして、そこに現れているバイアスやアグレッションを指摘するトレーニングが多い。しかし、そのような研修を受けたことが差別やハラスメントの免罪符になる危険性も指摘されている。トレーニングにおいて重要なことは、他者の視点取得と、変容の目標を設定することだとされる。(『WORK DESIGN 行動経済学でジェンダー格差を克服する』)
個人が別の個人の気持ちによりそうことはもちろん大切だろう。だがそれだけでは差別は解消されない。
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