菅政権が「敗戦処理内閣」だったら誰が勝者なの?
オジサンは何でも野球に例えたがるという悪い癖がありますが、これなんかも典型ですね。「敗戦処理」という言葉は野球から来てますが、だったら誰が勝者なのかと。
「安倍政権は危機を煽って延命してきた」などと言ってますが、逆じゃないでしょうか。むしろこの片山って人があまりにも危機に鈍感な「茹で蛙」なんじゃないのかな。たしかに、Jアラートだの全国一斉休校だのというやり方は、処方としてはいささか大袈裟だった感は否めません。しかし、それくらい大袈裟に「演出」してみせないと、国民が危機意識を持たず真剣に考えてくれない、という現実があるのもまた事実ではなかったでしょうか。
そもそも、日本が30年間まったく経済成長できていない、これが危機でなくて何なのでしょう。これが平時でしょうか。おそらく、この片山って人は目の前で惨劇が起こらないと危機を認識できない人なのでしょう。それとも危機意識は為政者だけが持っていればよく国民が危機式を共有する必要などない、とでも考えているのでしょうかね。中国のような独裁国家ならそれでもいいでしょうが日本は民主主義です。例えば、とある政権が「今のままでは水害が発生したときにひとたまりもない」と考えて水害対策をやろうとしても、多くの国民が「そんなのお金の無駄だ」と言えば、その政権は吹き飛んでしまうわけです。そして、その結果、国民が水害で大勢亡くなっても、国民は誰も責任を取りません。だから、危機意識は国民全体で共有しなければ民主主義は成り立ちません。
また、片山氏は安倍氏の辞任理由を「コロナ対策の行き詰まり」と何の根拠もなく断定していますが、むしろ安倍政権の一丁目一番地だった「拉致被害者の奪還」と「憲法改正」の、どちらにも進展がなく、実現のめどが立たなかったことの方が大きいのではないでしょうか。そもそも、安倍氏が辞任した8月は、むしろ日本はコロナの封じ込めに比較的成功しており、「第二波」も小規模で収束に向かっていたタイミングでした。とてもそれが辞任理由になるとは思えない。
また、立憲民主党と国民民主党が1つになって再出発をするタイミングに辞任をぶつけたという側面もあります。これにより、新生・立憲民主党のことはほとんどニュースで取り上げられなくなり、世間の話題は安倍辞任、そして次の総理は誰か?一色になりました。ほぼ同じタイミングで立憲民主党も代表選を行っていたのですが、世間からはほぼ完全に無視され忘れ去られた格好になりました。
つまり
・健康問題
・「拉致問題解決」「憲法改正」の行き詰まり
・立憲民主党潰し
・歴代総理最長在位日数を更新したこと
などの複合的な理由で、安倍氏は辞任を決断されたわけであって、政権運営そのものが行き詰まっていたという解釈は、ほとんど歴史の捏造に近いと思います。
そして、菅首相に関して言えば、就任当初の支持率は70%を超えていたわけで、とても「敗戦処理」のムードではありませんでした。むしろ完全に意気消沈していたのは立憲民主党でした。
その後、日本学術会議の問題で少し支持率を落としましたが、菅政権の負った傷以上に、日本学術会議のほうが大ダメージを受けており、結果だけを見れば菅政権の完全勝利でした。
そもそも片山氏、文頭で最初に批判してるのが「ガースーです」だよ。本当にどうでもいい。確かに「全集中の呼吸で答弁します」なども含めて、若干スベってる部分はあると思いますが、だから何なのさ。どうでもいいじゃんそんなこと。おそらくこれらの発言は菅首相の発案ではなくブレーンの入れ知恵だと思います。そういえば安倍氏と星野源さんのコラボ動画もスベってましたし、もしかしたら同じブレーンの発案なのかも。だとしたら自民党はブレーンを変えたほうが良いと思うが、その程度のことも許せないほど感情的になってる人の批判など、そもそもお金を払って読むに値しません。