トランプ大統領コロナ感染発表に思う「腐ってもアメリカ」
トランプ大統領がコロナウィルスに感染していたことがわかった。「これまでコロナウィルスの対応をきちんとしてこなかったのだから自業自得」といった意見もあるようだが、ぼくはむしろ、この発表がアメリカの強さを表しているように思う。
理由はシンプルで、トランプ大統領がコロナに感染していることを隠さずに発表したからだ。
当たり前のことだと思うだろうか。そんなことはない。いまだに世界中の多くの国で、権力者たちの情報は秘匿されている。自分の国の首相が最近太ったとか、髪が薄くなったという噂をしただけで逮捕される国もあるのだ。
トランプ大統領は、決して清廉潔白な政治家ではないし、もともとそれを売りにもしていない。むしろ、言うことはコロコロ変わるし、きちんとした検証もなくいろいろなことをつぶやいたり、やることなすことめちゃくちゃで嘘ばかりついている印象がある。納税のことや女性関係などで隠しごとも沢山あるようだ。
でも、今が大統領選の一番大事な時期であるにもかかわらず、コロナを隠すことはしなかった(できなかったのかもしれないが)。
いずれにしても、やはりアメリカの官僚機構はきちんと機能していて、民主的に選ばれたトップが、今どのような状況にあるのかを国民全員にきちんと伝えたわけだ。
これは、トランプ大統領が入院しても世界最高の医療体制で対応できるという自信と最高権力者がいない間も国が混乱することはない完璧なシステムが構築されているからこそできる発表なのだと思う。
そういう意味で、やっぱり「腐ってもアメリカ」なのだと思った。