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「障害者雇用率は常に100%」という認識が必要

もし「あなたは障害者ですか?」と聞かれたら、ほとんどの人は「私は障害者ではないです」と答えるだろう。

あなたは障害者?

その回答は確かに間違っていない。でもそれは、あくまでも「法律上」の話だ。

日本の法律では障害者は、障害者手帳を持っている人に限られる。だから、法的には、多くの人は「障害者」ではないのである。

でももし「障害者」を「社会を生きる中で障害を感じる人」とすれば、もっと多くの人が『障害者』になる。

いや、多くではなく、正確には「全ての人が『障害者』」だとぼくは思っている

※ ここから、法律上の「障害者」と、私の考える『障害者』を括弧の種類で書き分けています。

障害とは?

人間は、一人一人が個性を持っていて違っている。その個性のうち、一般的に社会にとって「良い」と評価されるものは「才能」と言われ、「悪い」と評価されるものは「障害」になる。

そしてその「障害」が社会を生きる上で、相当程度大きくなると思われる場合に、その人を保護するために、その人たちを法律で「障害者」と定義しているのだ。

でも法律に定義をされてはいないが、みんなそれぞれ障害を抱えている

例えば、あなたは

「私は障害なんか持っていない」と言う人がいるかもしれない。

では、例えば、あなたは人より苦手なことがないだろうか。

書類の整理が苦手
接客が苦手
エクセルの操作が苦手
車の運転が苦手
お酒が飲めない
一時間に一回はトイレに行く
小さな文字が読めない
朝は頭が回らない

誰にでも、何か一つくらい、人より苦手なことはあるだろう。完璧な人なんていないのだから。

そしてそれによって人より遅れを取ることがある時、法律上「障害者」と言われないだけであって、あなたは障害を抱えているのだ

だからぼくたちはみんな『障害者』なのである

障害者雇用100%の意味

いわゆる法律上の「障害者」を受け入れている職場はまだまだ少ない。ぼくは、もっとたくさんの方が働けるようになればいいと思う。

でもそのためには、まず「「健常者」が「障害者」を迎え入れる」という意識を変えることが何よりも大切だと思う。

本当は、ぼくたちも『障害者』であり、種類の違う障害を持った「障害者同士」が一緒に働くというだけなのだ。

ぼくらが100点で彼らが50点ではない。つまり、全ての面で「健常者」が「障害者」の上に立っていると意識を変える必要があるのだ。

人間誰もが持つ個性は違っている。ただそれだけなのだ。

もちろん、現実の世界では「個性」と呼ぶには辛すぎる障害を抱えておられる方がいるのは理解している。そして、もちろん、実際の障害者雇用率は、法律上の「障害者」の方の数で見るべきである。

でもぼくは、全員が『障害者』であるという意識を持つという意味で、法律上の定義ではない『障害者』雇用率は、常に100%だと思うことが大切だと思っている

障害者雇用促進に必要なこと

もちろん、障害者雇用率アップのためには、スロープやトイレの整備といったハード面から、マニュアルの見直しといったソフト面まで、すべきことはたくさんある

でも、そんなことよりも何よりもまず「ぼくたち全員が『障害者』」という意識を職場のみんなが持つことが、真のバリアフリーにつながると思うのだ。


#日経COMEMO #バリアフリーな働き方

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