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わんちゃんの嫉妬は時に危険…!毎日仲良く過ごすためにできること。
「わんちゃんが人間の赤ちゃんを噛んだ」という悲しいニュースを耳にしたことはありませんか。わんちゃんは、飼い主様のちょっとした行動で嫉妬をします。では、どのような行動が原因となり、わんちゃんは嫉妬をしてしまうのでしょうか?
ということで今回は、わんちゃんの嫉妬について解説していきます。
わんちゃんが嫉妬する対象
わんちゃんは全てのものに対してではなく、ある一定のものに嫉妬します。飼い主様が“可愛がるもの”や“夢中になるもの”などが対象になると考えてください。
主な対象は次の通りです。
●人間の赤ちゃん
赤ちゃんを見ると、その愛くるしさに誰もが「可愛い!」と目を細めます。優しく抱っこをしてよしよし…。わんちゃんは、そんな赤ちゃんを嫉妬の対象にしてしまいます。新しくお子さんが生まれたり、お孫さんの赤ちゃんを預かったご家庭でよく見られます。
●他のわんちゃんや動物
多頭飼いのご家庭によく見られるのは、先住犬が後住犬に対して嫉妬をするケースです。後住犬が来たばかりの頃は、どうしても先住犬の面倒が後回しになってしまうことが多々あります。すると先住犬は「ずるい!」とヤキモチを焼いてしまうのです。
散歩中やドッグランなどで出会った他のわんちゃんや、わんちゃん以外の動物を飼い主様が可愛がるだけでも、嫉妬の対象になります。
●ぬいぐるみ
時には生きているものではなく“モノ”が対象となることがあります。代表的なものがぬいぐるみです。
ぬいぐるみは、抱きしめたり膝に乗せたりする愛玩物。飼い主様がぬいぐるみを持っていると、わんちゃんの目には可愛がっているように映るのです。
●スマホや本、新聞
愛玩物であるぬいぐるみ以外にも、飼い主様が普段から夢中になりがちなスマホや本が嫉妬の対象になることもあります。筆者の場合、読書中にトイレへ行き、戻ると先ほどまで読んでいた本をビリビリに破かれていた経験があります(笑)
わんちゃんが嫉妬したときの問題行動
わんちゃんが嫉妬したときに起こす行動として、次のようなことが挙げられます。気付きやすい行動なら良いのですが、中には分かりにくい行動もあります。普段からわんちゃんの問題行動などでお困りの飼い主様は、一度考慮してみましょう。
●飼い主様に吠える
飼い主様に向かってワンワン吠えるだけでなく、甘噛みすることがあります。それは、対象を可愛がることを止めさせようとする行動です。
吠えたときは、無視をするのがいちばん効果的です。吠えた時点で過剰に反応すると、「吠えたら構ってくれる」と学習してしまうため、吠えるのを自ら止めたときにだけ褒めてあげましょう。
●対象を攻撃する
赤ちゃんやお友達のわんちゃんが対象になると大問題に発展します。最も嫉妬らしい嫉妬だといえる行動ですが、何としても止めさせないといけません。その場からすぐに離れさせましょう。
●飼い主様との間に割り込む
お友達のわんちゃんを可愛がっているときによく見られる嫉妬の行動です。他のわんちゃんを撫でていると、いつの間にか割り込んで邪魔をします。
こちらは可愛げがある行動ともいえますが、クセになると 「邪魔をすれば構ってくれる」と誤った認識をしてしまうため、無視を決め込むのがベストです。
●粗相をする
いつもはきちんとトイレができるわんちゃんが粗相をしたら、飼い主様の気を引こうとしているのかもしれません。その場合は、粗相したことに対して怒るのではなく、嫉妬の対象が何であるのかを考える必要があります。
●自分の足を舐めるor噛む
こちらは、分かりにくい嫉妬の行動です。飼い主様や嫉妬の対象に対して攻撃してはいけない!と自制している、気が優しいわんちゃんに見られます。精神的なストレスになり、自分で気を静めようとしているのかもしれません。
きっとわんちゃんは寂しさを感じています。思い切り可愛がってあげましょう。
わんちゃんが嫉妬する3つの理由
わんちゃんの嫉妬には、以下3つの理由が考えられます。
●愛情を独り占めしたい
わんちゃんは飼い主様が大好き。できればその愛情も独り占めしたいと思っているため、いつも自分に向けられている飼い主様の愛情が他に移ると、嫉妬心が芽生えます。
対象はわんちゃんや人間の赤ちゃんといった生き物に限りません。飼い主様が関心をもつものに対して「アレがなくなれば可愛がってもらえる!」と考え、排除しようとします。
●上下関係も影響?わんちゃんは序列が絶対的
わんちゃんは、本来群れで行動をする習性をもっています。その群れには必ずリーダーがいて、序列も決まっています。優先順位もリーダーから下位へ、何事も上から順番でないといけません。そのため、下位のわんちゃんが先に可愛がられていると、上のわんちゃんにしてみると「何でそっちから?」となるわけです。その感情が嫉妬につながってしまいます。
●わんちゃんの性格
必ずしも、すべてのわんちゃんが嫉妬するわけではありません。多頭飼いしている筆者の家では、後輩犬が極度のヤキモチ焼きで先住犬はそれほどではないようです。
後輩犬は“可愛がる”行為に対して嫉妬心が芽生えるらしく、先住犬との間に割り込んだり吠えるなどの行為が見られます。すると先住犬はうっとうしく感じるようで、「弟から先にしてやって」という態度で後輩犬に譲ります。
先住犬は自分の嫉妬心よりも後輩犬がヤキモチを焼いて騒ぐのが面倒だと思う性格の持ち主なので、我が家はすべてのことにおいて先住犬からというわけではなく、臨機応変に対応しています。ケアとして、後輩犬に譲ってあげた先住犬に対して「エラいね!」と褒めることも心がけています◎
わんちゃんに嫉妬させないためにできること
わんちゃんの嫉妬は飼い主様への愛情だと思うと嬉しいものですが、対象に向けて攻撃をする場合は問題行動となります。大きな事故を生まないためにも、以下のことを心がけましょう。
●関心を抱こう
わんちゃんは、飼い主様の愛情を何よりも必要としています。毎日のお世話以外にも声をかける、撫でる、抱っこorハグなどで飼い主様の愛情を確認しています。
愛情不足を感じているとき、飼い主様が他のわんちゃんや赤ちゃんを可愛がると、強い嫉妬心が生まれます。それを防ぐためにも、日ごろから深い愛情をもって可愛がってあげてください。
また、ほとんどのわんちゃんは、吠えるまたは噛むなどの攻撃をする前にカーミングシグナル(人で言う“ボディーランゲージ”)を出します。わんちゃんの表情やしぐさを見逃さないようにしましょう。
●序列を気遣う
先ほども述べたように、集団生活をするわんちゃんにとって序列はとても大切です。わんちゃんに嫉妬させないためには、“上から順番に”を心がけましょう。
わんちゃんの嫉妬は、可愛げのあるものから大問題に発展するものまであります。良くない嫉妬は、わんちゃんも飼い主様にとっても悲しいものになってしまうのです。
仲良く暮らすためにも、日ごろからたくさんの愛情を注いであげましょう◎そうすることで強い信頼関係が生まれ、嫉妬心も落ち着くでしょう。
●ライター:子安知保
●編集:うしすけチーム