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“柴距離”って知ってる?柴犬の特徴と接し方のポイントを解説!
柴距離という言葉を耳にしたことがありますか?すでに柴犬を家族として迎え入れている方はご存じかもしれません。
今回は、柴犬がとる柴距離とはどのようなものなのか、また柴犬の特徴や接し方のポイントについてお話していきます!
柴犬の特徴
●そもそも柴犬とは?
柴犬は、日本犬の中でも最も小さな犬種です。体高よりも体長が長く、小さな立ち耳にくるりと丸まった尻尾が愛らしく、特徴的ですよね。尻尾の巻き方にも、巻尾、太刀尾、差し尾などさまざまです。
毛色は、赤、黒、胡麻、白の4種類。顔つきはタヌキ顔とキツネ顔で少し印象が違います。体型や毛色は地域によって異なり、信州柴犬、紀州柴犬、山陰柴犬の3種とそのほかの縄文柴犬に分けられます。
かつて狩猟犬として活躍していた時代もあり、野生の本能を持っています。独立心が強く、辛抱強いですが、頑固な一面もあります。
頑固といえば、お腹がグーグー鳴っていても、ごはんを気に入らないと頑として食べません。邪魔されたくないときに掃除機をかければ、ガウガウと怒って立ち向かってくることもあります。そんな扱いにくい頑固爺さんのようなところが時折見られます。
●柴犬は、飼い主様に対する忠誠心が強い!
一方で柴犬は飼い主様に対しては、熱い忠誠心を持っています。柴犬は飼い主様の指示に素直に従いますし、普段と様子が違うことは鋭く察知します。例えば、飼い主様が具合の悪いときや帰りがいつもより遅いときなどです。そばに来て気遣う素振りを見せたり、ウロウロと歩き回り、落ち着かない様子だったりします。
わんちゃんの中でも特に柴犬は、どんなときでも飼い主様のそばにいて、苦楽を共にしようとする存在なのです。
柴距離とは?
先ほどもお話したように、柴犬は忠誠心が非常に強い性格です。そう聞くと、「常に飼い主様の近くに居たいのでは…」と思ってしまいますよね。しかし実際は、柴距離というものが存在します!
柴距離とは、人や他のわんちゃんに対して柴犬がとる近すぎず遠からずの程よい距離感のことを言います。この柴距離が、多くの飼い主様を虜にする所以とも言われています。
どうして柴距離を保ちたいの?
では、どうして柴距離を保ちたいのでしょうか?理由を見てみましょう。
●親しき中にも礼儀あり!の精神
柴犬は忠誠心だけでなく警戒心も強く、人や他のわんちゃんに必要以上近づかない性格です。たとえ心を許した飼い主様であっても、あまり構われ過ぎることを嫌います。我が家の柴犬にも、お気に入りのスペースがあり、そこにいるときは「みんな近寄らないで」というオーラが出ているため、そっとしてあげています。すると、安心してくつろいでくれます。
柴犬は、周囲の人や犬に対して、常に程よい距離感を保ちたいのです。日本犬であるためか、ちょうど日本人がパーソナルスペースを守りたいのと似たような感覚を持っているのかもしれません。柴犬の中にも、親しき中にも礼儀ありの精神が生きているのが伺えますね。
●同じ空間にいたいけど、一定の距離を保ちたい
飼い主様に要望がないときでも、いつでも見える位置にいて、絶妙な柴距離を保つのが柴犬にとっての日常です。柴犬は程よい距離を保ちながら、同じ空間に一緒にいたいと思っているのです。
柴犬が少し離れたところにいたりゲージに入っていたりしたら、邪魔をせず、そっとしてあげましょう。柴犬は、この絶妙な距離感を「心地いい」と感じています。
●甘えたいときだけ適度に甘えさせてほしい
柴犬と一緒に暮らしていると気がつくこと。それは、構ってほしくないときと甘えたいときのオンとオフがはっきりしていることです。
特に小型の洋犬は、飼い主様の足元を離れず、ついて回ることも多いのではないでしょうか。一方で日本犬である柴犬は、名前を呼んでも聞こえないフリをして、飼い主様の元に来ないことはしょっちゅうです。そばに来たとしても、手が届くかどうかの微妙な位置に座ることも…。これもいわゆる柴距離というもの。
しかし、内面は寂しがり屋の甘えたがり。甘えたいときは、お腹を見せたり、ピッタリ体をくっつけて寄り添ったりすることもあります。そんなときは適度に撫でて甘えたい欲を満たしてあげましょう。
それでもこちらに正面から甘えることは滅多になく、甘えたとしても急に冷めてしまうところがあります。心を許してくれたと思って、つい抱っこをしたり触りすぎたりしてしまうのは厳禁!あまり構い過ぎずに、柴犬のオンとオフを見極めながら接してあげましょう。
●性格を尊重してほしい
柴犬はお散歩へ行きたいときやごはんが欲しいとき、あえて自分から積極的に催促しないことが多いです。ただ、気持ちには気づいてほしいため、飼い主様に真っすぐな熱い視線を送ります。ワクワクした気持ちを抑えながら、飼い主様が動いてくれるのを期待しているかのようです。
辛抱強い性格のためなかなか素直になれない、いわゆる“ツンデレさん”のスタンスも柴距離ならではです!飼い主様におねだりしたいところを堪えて、少し距離を置いた状態でじっと待つ…。飼い主様が気づかなければ、その距離をジリジリと詰めていく…。これが柴犬特有のスタンスなのです。
無理に甘えてもらおうとすると、かえってストレスを抱かれてしまうこともあります。ツンデレな性格を、できるだけ尊重してあげましょう◎
今回は、柴距離についてお話いたしました。
時には頑固だな、冷たいな、懐かないなと感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、柴犬の特性ゆえの行動だと理解し尊重することで、より付き合いやすくなるでしょう。
わんちゃんも日常を共に過ごす大切な家族の一員です。お互いが暮らしやすい関係性を築くためにも、ある程度の配慮は必要です。「今はそっとしておくべきだ」「構ってほしいのね」と柴犬の心境に合わせて行動してあげることが信頼を得るための近道となります!
●ライター:sakoyu
●編集:うしすけチーム