農家のインフレ対策:直販比率の重要性と具体的戦略


農家のインフレ対策:直販比率の重要性と具体的戦略

農業におけるインフレ対策として、価格決定権を持ち、固定費を回収することが重要です。そのための一つの方法が直販比率を高めることです。以下に、その理由と具体的な戦略を説明します。


価格決定権の重要性

1. 価格決定権の獲得

  • 直接的な価格設定: 農家が価格を直接設定することで、市場の価格変動に左右されず、安定した収益を確保できます。

  • 消費者との距離を縮める: 直販は消費者に近い販売ポジションを得る手段であり、消費者との直接交渉が可能になります。

2. 市場価格の特性

  • 市場価格と物価の関係: 市場価格は物価と直接連動していません。生産量が少ないと価格が上がることが多いです。しかし、現実の多くの農家は肥料代を削減し、面積を拡大して生産量を増やそうとしています。この戦略は利益率を低下させ、長期的には経営の疲弊を招く可能性があります。


直販比率の適正化

3. 直販比率の目標設定

  • 固定費のカバー: 固定費(人件費、地代、設備費など)を直販で賄うことを目標とします。これにより、経営が安定し、負けない経営が可能になります。

  • 資材費のカバー: 固定費全額が難しい場合、まずは資材費(肥料代、農薬代、ビニール代、梱包費、燃料代など)を直販で賄うことを目指します。資材費を直販で賄うことで、利益率を確保し、経営の安定を図れます。

4. 固定費の概念

  • 固定費とは、農業経営において毎年必ずかかる経費です。これを直販でカバーすることが経営の安定につながります。




インフレ対策としての直販強化

5. 例:スーパーへの出荷

  • スーパーは市場の相場に関係なく、経費の上昇に伴って価格を上げるため、スーパーに出荷することでインフレに対応した価格設定が可能となります。

6. 負けない経営の実現

  • 固定費と資材費を直販でカバーすることで、相場が下がってもプラスマイナスゼロで経営を維持できます。

  • 天候不順による相場の高騰時には市場出荷分での利益を見込むことができます。


経営戦略の見直し

7. 経営方針の転換

  • 面積を拡大するのではなく、現状維持もしくは面積を縮小し、直販比率を高めることが重要です。

  • 収量や秀品率を高めることで、利益率を上げ、生き残りを図る経営方針が求められます。


まとめ

「集中するものは拡張する」という格言の通り、直販に集中することで経営の安定性を高めることができます。そして、「負けない経営」を実現するために、固定費や資材費を直販で賄うことを優先し、経営の健全性を保つことが、インフレ時における農家の生き残り戦略です。




このように、直販比率を高めることで、農家は価格決定権を持ち、インフレに対応した経営を実現することができます。負けない経営を続けることで、長期的には収益も向上するでしょう。しかし、現実には多くの農家が経費を下げて面積を拡大するという逆の戦略を取ろうとしており、これでは利益率が下がり経営が疲弊する未来が待っているという現実を認識することが重要です。

⭐️HP:正しい土作りと非常識な農家の成功法則:最強の農業コンサルタント潮田武彦 https://ushioda-consults.com/
⭐️農業コンサルを受けたい方は、こちらの動画をご覧ください。  https://youtu.be/8cS32sOktas  
⭐️Facebookページ:最強の農業コンサルタント潮田武彦 https://www.facebook.com/%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%81%AE%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E6%BD%AE%E7%94%B0%E6%AD%A6%E5%BD%A6-219285455335730/
⭐️facebook.、YouTube、インスタ見てね↓ 全て潮田武彦で検索できます!友達申請の時はメッセージ下さい。
⭐️最強の農業コンサルタント潮田武彦のプロフィール 農業経営者に対して「儲かる仕組作り」の構築 農業経営戦略コンサルティング(株)潮田武彦 栽培指導〜6次産業化〜ITによるブランディングまで全て行うことができる日本で唯一無二の農業専門コンサルタント。農業経営者に対して儲かる仕組みを作るお手伝いをする儲かる農業請負人 農業経営戦略コンサルティング会社経営
⭐️「農業者が、売上3000万円以上、所得600万円以上で、幸せな農業人生をおくるお手伝いをすることにより農業界に笑顔の花を咲かせる!」ことを目標に掲げて全国で農業コンサルタントして指導を行っています!農業コンサルタントして全国の農業者及び農水省、普及所、JA、農業者団体で指導。商品開発アドバイザーとして肥料メーカー、農業機械会社、農業AI会社のアドバイザー及び商品開発 。茨城県6次産業プランナー、農水省社団法人日本農業情報システム協会ーITによる農産物流通化講師。 新規就農20年目。自身が人参栽培から加工生産まで行っている人参ジュースは、大人気で経済産業省認定のクールジャパン商品として、世界に誇るべき匠の逸品として、国内外で高い評価を得ている。 出演:TBS,日テレなどをはじめとして全国放送のテレビや新聞、雑誌など多数。講演も全国で多数

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?