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独裁者ではあったけど民衆に支持されたカエサル
シーザーこと、ユリウス・カエサルは、とても頭のいい男。
特別金持ちの出でも、一流の家柄の出でもなかったけど、雄弁で武将として秀でていたカエサル。
23歳の時、弾劾演説をきっかけに、表舞台に躍り出ることに。
カエサルは決断力があり、狙ったものは必ず手に入れる。
自分の利益のためには、手を組む相手を替えることもいとわない。
人心をつかむためには、借金だってする。
まわりに 人気取りと非難されてもお構い無し。
何故なら、人気さえあれば 選挙に勝てると知っていたから。
独自の方法で、権力者への階段を昇り続けたカエサル
戦争と混乱が続くローマをまとめるために、名士ポンペイウス、富豪クラッススと結束して三頭政治体制をとった時期も。
しかし、クラッススが戦死したことで、均衡が崩壊。
昨日の味方は、今日の敵。
ガリア(現フランス)で輝かしい勝利をあげていたカエサル。
ガリアを後にして、ポンペイウスを討つためローマへ攻めこむのは大罪。
しかし、勝てば官軍とカエサルは読み、実際その通りカエサルは勝利。
そして、カエサルの独裁政治が始まることに。
カエサルは3度結婚。愛人もいました。
愛人の中で一番有名なのはクレオパトラでしょう。
でも、カエサルが最も愛したのは、セルヴィリアという女性。
彼女の息子には、実の父親のように接していたカエサル。
そして、その息子こそ、マルカス・ブルータス。
紀元前44年2月終身独裁官へなったカエサル。
権力の最後の座である王に、まさに昇りつめようとしていたカエサル。
紀元前44年3月15日、ローマの街は、元老院会議で「カエサルに王の称号が与えられるらしい」という噂でもちきり。
しかし、何故か嫌な予感がして、出かけることを必死に引き留める妻。
それでも結局 指定場所へ向かうカエサル。
カエサルが到着し着席すると、カエサルを囲み、次々に剣を抜き襲いかかってくる暗殺派。
驚き声をあげるカエサルに、とどめの剣を刺そうとしていたのは、ブルータス。
「ブルータス、お前もか!」
実の息子のように、気にかけていたブルータス。
まさか裏切られるとは、さすがのカエサルも想像出来なかったのでしょうか。
ブルータスは、実は最後まで暗殺に加わることをためらってましたが、結局 最終的に首謀者に。
カエサルの死は、ローマ中に衝撃が走り、街は不穏な空気。
翌日 ブルータスは「我々は共和制復活のため、独裁者を殺した」と演壇で正義を訴えます。
しかし、カエサルほどのカリスマ性はないブルータス。
市民がカエサルに抱いていた期待は行き場を失うことに。
後日 カエサルの国葬の日。
ローマ市民の前で、カエサルの遺言が読まれることに。
「ローマ市民の一人一人に金を贈る。カエサル庭園もローマ市民に遺贈する」と記された遺言。
自分たちが偉大な人を失ったと、ことの重大さを悟る市民。
そして復讐のため暴徒と化した市民。
この瞬間、自分たちの正義のためと、カエサルを暗殺したたブルータスたちは、一転破滅の道へ。
フォロ・ロマーノには、カエサルが火葬された場所が今も残っています。
独裁者でしたが、ローマの栄光と繁栄に尽力しローマを愛してたカエサル。
強引なところもあったけど、ローマにとってはなくてはならない存在と、ローマ市民は知っていたのです。
カエサルの死後30年たっても、祭壇に献花する人が、あとを絶たなかったということです。