ポンペイ ー 灰の中から甦った古代都市
ナポリ湾を見下ろすベスビオ山。 西暦79年に突然大噴火が。
ポンペイの街は瞬く間に埋没。
悲劇的な滅亡を遂げた町は、雑木林に覆われ、やがて人々に忘れさられました。
その後長い歳月が流れ、16世紀に農民が偶然遺跡を発見。
本格的な発掘調査は18世紀になってから。スペイン国王カルロス三世の命でポンペイ遺跡を発掘。
灰の中から甦ったのは、整然と区画された街。
車道と歩道がわかれて、馬車が通る車道は一段低く下水道の働きも。
街には様々な店。当時のポンペイの人口は約一万人。
葡萄やオリーブを栽培。農作物も海産物も豊富。地中海貿易の中心。経済的にも豊か。
人々の暮らしは優雅。宴は夜が更けるまで。
その幸せがある日一瞬で消滅。
逃げ遅れた人たちの多くは、吹き付けた高熱の毒ガスや灰を吸い込んで窒息死。
倒れた人たちの上に灰が降り積もり、かたまって やがて肉体が朽ちて、そこに空洞が。
研究者たちがそこに石膏を流し込み固めて、死の瞬間を鮮明に甦せる事に成功。
逃げ惑う人。家で倒れていた家族。お互いをかばい会う恋人。一瞬で平和な日々を奪われた人たち。
現地で、実際に復元された人の型を見ました。その時の自分の感情を上手く表せない。
おそらく多くの人が、豊かで幸せな日々が永遠に続くと信じて疑わなかったのでは。
ポンペイでたくさん写真を撮影しました。
でも、ある日一瞬で命を絶たれた人たちの事を考えると、何故かどうしても、復元された人たちの写真だけは撮る気持ちになれませんでした。