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妹でない妹とソーダ水 / 小林不浪人 【著作権のおわった柳人の句をよもう!】
妹でない妹とソーダ水
なんか、もはや意味深さしかなくて笑った。
一瞬、短律作品かと思っちゃったんだけど、ちゃんと十七音。“妹でない妹と”が、もう完全にひとかたまりになっちゃってるから、5-7-5というよりも12-5みたく、詰まって感じられてしまったんだと思う。
「義妹と」とかにすれば一瞬で分かるし、そうすれば十七音の中で他に言えることもあるはずなのに、敢えて“妹でない妹と”と語り出したあげく、下五は“ソーダ水”で体言止めだ。ふざけんじゃねえ。いや、ふざけてください。めっちゃ好きです。
というか、そもそも、「義妹」ですらない、何かなのかもしれない。“妹でない妹”……。妹ではなくなってしまった妹…みたいな線も…?
この意味深さは、どの方向にもいける意味深さだ。死も、愛も、やさしさも、いやらしさも、気まずさも、かなしさも、微笑ましさも、全部が匂ってくる。いわゆる匂わせ系…というやつだ。(←多分ちがう)
“ソーダ水”のしゅわしゅわが、“妹でない妹”や語り手自身の像までしゅわしゅわにしてしまう。読めばよむほど、あなたもしゅわしゅわにされてしまうのだ。しゅわしゅわしゅわ