国連公式のジェンダー指標たち

 前回記事「ジェンダー指標の多様性」の続きです。
リンク:https://note.com/ushi_izpj/n/nf85b7bb63d70

 ジェンダーに関する指標は、必ずしも国連公式が良いとか、非公式は良くないということではありません。ニュースで最も取り上げられる「ジェンダーギャップ指数」は、ある非営利財団が発表していますが、国連の発表する2つの指数と同等以上に重要視されることもあるようです。今回は新たに、指標を発表する国連の機関、および、2つの指標を紹介します。

■国連開発計画(United Nations Development Programme)
国連の主要機関。ここからジェンダー開発指数(GDI)とジェンダー不平等指数(GII)の2つの指標が発表されます(※1、2)。
※1:リンク:https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/about-us.html
※2:この機関はジェンダー関連以外にも指数を発表しています。

●ジェンダー開発指数(GDI):人間開発指数(HDI)という「国の開発レベルの評価指標」に「男女間の不平等を反映させた」指数。3つの指標(詳細としては8つの指標)から計算される。
 ・長寿で健康な生活 ・知識 ・人間らしい生活水準
⇒ 55位 / 167か国中 2020年12月15日発表
  
●ジェンダー不平等指数(GII):3つの側面において女性と男性の不平等により「人間開発の潜在的可能性がどの程度損なわれているか」を表す指数。
 ・性と生殖に関する健康 ・エンパワーメント ・労働市場への参加 
⇒ 24位 / 162か国中 2020年12月15日発表

 両方とも、日本の順位はわりと良いほうですね。156か国ちゅう120位前後のジェンダーギャップ指数とは、かなり順位が異なります。ジェンダーギャップ指数は、権威のある国際的な非営利財団が発表しています。
参考までに記載します。

■世界経済フォーラム(World Economic Forum)
スイスの非営利財団の形として経済、政治、学究などの社会のリーダーたちの連携で世界情勢の改善に取り組むことが目的の国際機関。ここからジェンダーギャップ指数(GGI)が発表されます。(※3)
※3:リンク:https://jp.weforum.org/

●世界男女格差指数(ジェンダー・ギャップ指数(GGI)):4分野から「男女間の不均衡」を示す指数。
 ・経済 ・教育 ・医療 ・政治参加
⇒ 120位 / 162か国中 2021年3月31日発表

 2021年度のデータから、この3つの指数(GDI、GII、GGI)での、世界の中での日本の立ち位置は順に「上から33%、上から15%、下から22%」です。(※5)
※5:リンク:https://www.gender.go.jp/international/int_syogaikoku/int_shihyo/index.html
「男女共同参画に関する国際的な指数」
(内閣府男女共同参画局)


今回はここまで。
次回と次々回のテーマは
・指標の違いからわかること
・順位の良し悪しより気にすべきこと、そしてまとめ
です。

掘り下げていきます。

----記事の説明---
公募委員に役立つであろう基礎情報や、経験者としての感想を、用語や時事をもとに掲載します。

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