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アンケート調査を実施したいー割付ー
「割付」or 「既存顧客の母集団情報」について
アンケート調査を実施する時に最も重要だと思うのですが、軽視されやすいのが「割付」です。
「割付」について記載しているサイトは多いのですが、最も的を射ているサイトは『MMD研究所』の記事「アンケート回答者の設定 ~割付の考え方~」だと思います。是非、参考にしてください。
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さて、企業でアンケート調査を実施する際、多くは、
現状を把握したい
施策を検討・検証したい
KPI (Key Performance Indicator)などの評価指標にしたい
などの理由があると思います。
※実際に調査を実施する時は、更に詳細な目的を挙げるのがおススメです。
そう考えると、調査結果は、意外と重要なポスト・重責を担っているわけです。
ですが、このことをあまり考えずに、安易にアンケートを実施している企業は多いのです。残念ながら。
そこで、できる範囲内で正しく調査を実施して目的を果たすためにおススメしたいのが「割付」なのです。
「割付」をするメリット
可能な限り正しく「割付」すると、例えば、以下のようなメリットがあります。
アンケートの回答者の属性を
①日本国内の人々の
②自社の顧客(既存顧客)の
属性の割合と近いほうが、より精度を増した調査結果を得ることができる
これはどのような意味かというと、
アンケートとは、①日本国内の人々や②自社の顧客の全員(母集団と言います)から回答を得ることは期待できないため、
一部の人々の回答(標本やサンプルと言います)を期待して実施します。
その一部の人々(標本・サンプル)の属性が、①や②の全体(母集団)の属性とほぼ同じ属性であれば、
それぞれの調査結果は、全体を代表した意見・結果であると言えるのです。
例えば、よくあるのが『認知調査』です。
『認知調査』で上記の①の例をお伝えします。
全国民を対象にする場合と有職者(働いている人)を対象にする場合があると思いますが、今回は、有職者を対象とした場合で説明いたします。
有職者を対象とする場合、私がよく利用するのは、総務省が実施している『労働力調査』です。『労働力調査』の詳細はこちらをご覧ください。
割付例:グラフ「男女比」「年代別男女比」(労働力調査より)
今回、この労働力調査の男女比、且つ、年代比を割付に充てたいとした場合、まず、以下のように6,747万人の就業者の男女比の割合を算出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1719671019596-ZsJu02q79o.png)
男女比は55%:45%ということが判りました。
且つ、年代別の男女比も割付たい、とすると以下の通りになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1719671188671-ReM1vuDOEt.png?width=1200)
上記の年代別男女比に合わせて標本・サンプルを取る場合、これが割付になります。特定の年齢、例えば、15歳から29歳以下だけ抜き出して割付けるというケースもよくあります。
更に言うと、私の場合は、もう少し細かく割付けることが多いです。
例えば、勤務先都道府県や業種、従業員規模数、職業e.t.c.です。
クライアントの調査目的にって、調査対象も変わってきますから、それによって割付も変わってきます。
「既存顧客の母集団情報」
一方で、②自社の顧客の属性の場合ですが、BtoCであれば、男女比、年代比、住んでいる都道府県の構成比、それと取引年数等も属性情報として割付けることが考えられます。
BtoBだと男女比や年代などは不明の事が多いです。
そのような場合は、例えば、ライセンス数のような契約数や継続年数、会社の従業員規模、販売ルート等を属性として割付をしていました。
属性が多ければ多いほど良いという訳でもありませんので、考え得る属性を挙げた後で、優先順位を決めて母集団の属性とするのがベストだと思います。
なお、既存顧客にアンケートする時は、1,000ss以上はあったほうが良いですね。ちなみに、NPS(Net Promoter Score)を実施する際の最低サンプルサイズは300ssくらいがおススメです。
「割付」と違うサンプル構成比になった場合
また、例えば、アンケート結果の男女比が55%:45%でなく、40%:60%だった場合は、ちょっと工夫が必要となります。
サンプル数が多い場合は、ランダムに間引きして男女比を55%:45%に落とし込めばよいですし、それが出来ない場合は、調査期間を延ばし、男性の回答数を増やせばよいのです。
どちらも出来ない場合は、男女別の結果は、「参考程度に見る」として、重要事項のレポーティングにはその旨を潔く記載すればよいと思います。
やり直しが出来るなら、それに越したことは無いのですが、コストも工数もかかりますから、「潔く」としました。
他に、「施策作成が目的」であれば、「男女」別の施策を諦めるという手もあります。
何らかの「検証が目的」であれば、謝るしかないのかなぁー。
ってことにならないよう、割付が足らなくなることも踏まえて、サンプルサイズを検討しましょう!
割付がうまくいかなかった場合は、サンプルサイズが少ないのに割付の条件が厳しい(割付たい属性が多い)時だと思います。
それと、リサーチ会社に依頼する場合は、しっかり・しつこいほど「割付」については話し合ったほうが良いと思います。
(2度程、痛い目に遭ってます😅)
※上記グラフは以下のデータを基に作成しました。
統計名:労働力調査基本集計全都道府県全国年次
統計表番号:基本集計第II-2-1表
表題:年齢階級,産業別就業者数
調査年月:2023年、公開(更新)日:2024年1月30日
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