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【初心者向け】サステナ・ESG投資関連の用語紹介「124単語」
はじめに
近年、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)という観点から企業の活動を評価するESG投資が急速に注目を集めています。ESG投資は、従来の財務情報だけではなく、環境保護、人権、労働慣行、経営の透明性といった非財務的要素を重視し、長期的なリターンを追求する投資手法です。
持続可能な社会を目指し、ESGを考慮した投資戦略が世界中で広まりつつあり、ESG投資の成長に伴い、多くの企業や団体がESG基準を策定し、企業活動の透明性と持続可能性を評価するためのフレームワークを提供しています。例えば、国連が提唱するPRI(責任投資原則)は、投資家がESG要因を投資判断に組み込むことを推奨しており、現在では2,500を超える機関投資家が署名しています。また、GRI(Global Reporting Initiative)は、企業が環境や社会に与える影響を報告するためのガイドラインを提供しており、これにより企業のESGパフォーマンスの透明性が向上しています。
少し横文字が続きますが、CDP(Carbon Disclosure Project)やTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)などは、企業の気候変動関連情報の開示を促進し、投資家が環境リスクを評価するための重要な情報源となっています。
これらのフレームワークや基準は、投資家が持続可能な投資判断を行うための道標となり、企業の持続可能性を高めるための指針として機能しています。
一方、ESG投資には課題も存在します。その一つが「グリーンウォッシング」と呼ばれる現象です。これは、企業が実際には環境や社会に対する配慮を行っていないにもかかわらず、ESGに配慮しているかのように見せかける行為を指します。このような行為は、投資家や消費者を誤導し、ESG投資の信頼性を損なう恐れがあるため、企業のESGパフォーマンスの正確な評価と透明性の確保が求められます。
冒頭の説明は、あくまでESGにかかる表面的な説明でしたが、ESGやサステナビリティに入り込めば入り込むほど、奥が深く、そして様々な団体や基準が出てきて頭が混乱してくるのは誰もが通る道でしょう。
そこで、本記事では、ESGとサステナブル投資に関連する主要な団体や基準、法律についてなるべく網羅的に紹介します。
仕事や勉強をする際に辞書的に使っていただいてもいいですし、ぱらぱらと眺めていただいてもよいかと思います。重要なのは覚えようとしないことです。重要な単語は向こうから何度も現れてきます。そして、そのたびに辞書を開き(website)、何度も調べていくうちに覚えてきますし、理解度も深くなってきます。
124用語
Arabesque
アラベスクは、2013年にバークレイズ銀行の資産運用部門を経営陣がマネジメントバイアウト (Management Buy-out, MBO) して立ち上げた資産運用会社であり、ロンドンに本社を構えています。この会社は、ESGデータとAI技術を組み合わせて投資戦略を策定し、環境・社会・ガバナンスに配慮した投資を実現しています。また、ESGデータの提供にも力を入れており、透明性の高いデータを通じて投資家の判断をサポートしています。
Bloomberg L.P.
ブルームバーグ L.P. は、ソロモン・ブラザーズの元トレーダーであったマイケル・ブルームバーグ氏が1981年に創業した企業で、金融情報をトレーダーにオンラインで提供することを目的としています。その後、ラジオやテレビでの情報提供も開始し、情報の多様性と迅速性で業界をリードしています。2016年にはバークレイズからインデックス事業を買収し、現在ではESG投資関連情報も提供しています。ブルームバーグのデータプラットフォームは、金融市場のあらゆる側面をカバーし、投資家にとって不可欠なツールとなっています。
CBAM
CBAM (Carbon Border Adjustment Mechanism) は、EUが導入を進めている炭素国境調整メカニズムです。このメカニズムは、EU域内の事業者がCBAMの対象となる製品をEU域外から輸入する場合に、域内で製造した場合と同等の炭素価格を支払うことを義務付けています。これにより、域外で製造された製品の炭素排出を考慮し、競争条件を平等に保つことを目的としています。CBAMは、EU域内外の企業に対して炭素排出の削減を促進するための重要な政策手段です。
CDP
CDP (Carbon Disclosure Project) は、2000年に設立された非政府組織 (NGO) で、世界中の主要企業や地方自治体の二酸化炭素排出量や気候変動への取り組みに関する情報の開示を促進しています。CDPは、機関投資家が関心を持つ情報を収集し、公開することで、企業の環境パフォーマンスの透明性を高めています。これにより、投資家は環境リスクを評価し、持続可能な投資判断を行うことができます。
CDSB
CDSB (Climate Disclosure Standards Board) は、企業の気候変動情報開示の標準化を目指すNGOです。温室効果ガスや自然資本の情報をファイナンス情報と統合することを目的として、プロトコルや基準に基づいた枠組みを提供していました。2022年8月にVRF (Value Reporting Foundation) と共にIFRS財団傘下のISSB (International Sustainability Standards Board) に統合され、さらなる標準化と透明性の向上を目指しています。
COP
COP (Conference of the Parties) は、1992年に採択された国際気候変動枠組条約の締約国が参加する国際会議です。この会議では、温室効果ガス排出削減策や気候変動対策について議論が行われます。1995年から毎年開催されており、各国が気候変動問題に対処するための具体的な行動計画や協定を策定する重要な場となっています。
CSRD
CSRD (Corporate Sustainability Reporting Directive) は、EUが企業に対してサステナビリティ関連情報の開示を求める指令です。2021年に発表されたこの指令は、現行のNFRD (Non-Financial Reporting Directive) を拡大し、より多くの企業が詳細なESG情報を開示することを求めています。具体的な開示方法については、今後さらに詳細が明らかにされる予定です。
ESG Book
ESG Book は、アラベスクの一部門としてスタートしたサービス会社で、投資家にESGデータやスコアを提供しています。ESGスコアに加え、グリーンの売上や一度提出した情報出力データも提供しており、投資家が企業のESGパフォーマンスを総合的に評価するためのツールを提供しています。
ESG Exclusion
ESGエクスクルージョンは、ESG投資の戦略の一つで、特定の事業(クラスター爆弾等の特定兵器や石炭火力発電等)からの売上や利益が一定割合を超える企業を投資対象から外す手法です。また、ESGランキングやスコアが企業のうち下位数パーセントの企業も除外することがあります。この戦略は、投資ポートフォリオの持続可能性と倫理性を高めるために用いられます。
ESG Index
ESGインデックスは、企業の価値に対してマテリアルなESGファクターを持つ企業を選択して作成される指数です。これらのインデックスは、ESG要因が企業のパフォーマンスに与える影響を反映し、投資家が持続可能な投資判断を行うための基準となります。ESGインデックスは、環境、社会、ガバナンスの各側面で優れた企業を選定し、投資家にとって魅力的な投資対象を示しています。
ESG Investing
ESG投資は、企業価値に十分に反映されてこなかった環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の非財務ファクターの重要性を考慮し、長期的な視点でこれらの要因を投資判断に組み込む投資手法です。これにより、リスクを管理しつつリターンの向上を目指します。さらに、株主としてのエンゲージメントを通じて企業の経営判断に影響を与え、企業価値の向上を図ることも目指しています。
ESG Theme/Positive
ESGテーマ・ポジティブは、特定のESG分野に秀でている企業に投資する戦略の一つです。再生可能エネルギーなどの特定分野に焦点を当て、持続可能な未来を目指す企業を選定します。この戦略は、特定のテーマに対する企業の貢献度を評価し、その分野でリーダーシップを発揮している企業を支援します。
ESGウォッシング
ESGウォッシングは、企業が実際には環境や社会に対する配慮を行っていないにもかかわらず、ESGに配慮しているかのように見せかける行為を指します。このような行為は、投資家や消費者を誤導し、ESG投資の信頼性を損なう恐れがあります。
FTSE Russell
FTSEラッセルは、株式や債券などのインデックスを提供する会社であり、ロンドン証券取引所の子会社です。ESGインデックスやESG格付けも行っており、投資家にとって信頼性の高いデータを提供しています。FTSEラッセルのインデックスは、グローバルな投資基準として広く認識されています。
Georg Kell
ゲオルグ・ケルは、UNCTAD(国連貿易開発会議)を経て、コフィ・アナン国連事務総長(当時)のシニアスタッフとなり、国連グローバル・コンパクトの創設に大きな役割を果たしました。現在、資産運用会社アラベスクの会長を務め、持続可能な投資の推進に尽力しています。
GIIN
GIIN (Global Impact Investing Network) は、インパクト投資を広めるために、ロックフェラー財団や投資家が中心となって2009年に設立されました。GIINは、インパクト投資の普及と発展を目指し、投資家が社会的・環境的な影響を与える投資を行うための情報やリソースを提供しています。
GRI
GRI (Global Reporting Initiative) は、1997年にCERESとTellus Instituteが、UNEP(United Nations Environment Programme)の支援を受けて設立したNGOです。GRIは、サステナビリティに関する企業の情報開示基準を策定し、企業が環境や社会に与える影響を透明に報告するためのガイドラインを提供しています。GRIの基準は、企業価値へのインパクトだけでなく、社会全体への影響も視野に入れています。
GSIA
GSIA (Global Sustainable Investment Alliance) は、各国・地域においてサステナブル投資を推進する団体の連合体です。加盟機関は、各国の投資家からサステナブル投資額を2年に一度集計し、ESGインテグレーション投資、ネガティブスクリーニング、企業のエンゲージメント及び株主提案、国際規範に基づくスクリーニング、テーマ型、ポジティブスクリーニング、インパクト投資などに分類しています。
GPIF
GPIF (Government Pension Investment Fund) は、日本の年金積立金管理運用独立行政法人であり、世界最大の公的年金基金です。GPIFは、2015年にPRI (Principles for Responsible Investment) に署名し、持続可能な投資を推進しています。また、ESG要因を考慮した運用方針を採用し、長期的な投資リターンの向上を目指しています。
IFRS
IFRS (International Financial Reporting Standards) は、国際的に異なる会計基準を統合することを目指してIASB (International Accounting Standards Board) が提唱した会計基準です。欧州企業や欧州域内に上場する外国企業、また他の諸外国でも適用されていますが、世界で統一された会計基準とはなっていません。
IASB
IASB (International Accounting Standards Board) は、国際会計基準審議会であり、国際財務報告基準を制定しています。IASBは、IFRS財団のもとで活動しており、財務情報の標準化と透明性の向上を目指しています。また、ESG情報開示を担当するISSB (International Sustainability Standards Board) と組織的に別の機関です。
ICMA
ICMA (International Capital Market Association) は、国際資本市場協会であり、投資銀行・証券会社の業界団体です。ICMAは、グリーンボンドのガイドラインやサステナビリティ・ボンドのガイドラインを提供しており、これらのガイドラインは世界中で広く使用されています。
IFC
IFC (International Finance Corporation) は、世界銀行グループの1つの機関であり、1956年に民間投資家の発展途上国への投資を支援するために設立されました。IFCは、共同投資や出資を通じて、発展途上国の経済発展を促進し、持続可能な成長を支援しています。
IIRC
IIRC (International Integrated Reporting Council) は、2009年にチャールズ英皇太子(当時)の呼びかけから始まり、2011年に正式に設立された国際統合報告評議会です。IIRCは、企業が投資家に対して財務情報とESG情報を統合した統合レポートを提供することを推奨しており、企業価値の全体像を示すことを目指しています。
IPCC
IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change) は、1988年に世界気象機関 (WMO) と国連環境計画 (UNEP) により設立された政府間組織で、気候変動に関する科学的な基礎を各国政府の政策に提供することを目的としています。IPCCは、気候変動に関する最新の科学的知見を提供し、政策立案者が適切な対策を講じるための情報を提供しています。
ISB
ISB (International Sustainability Standards Board) は、IFRS財団のもとで2021年のCOP26の際に設立された国際サステナビリティ基準審議会です。ISBは、ESG情報開示の基準を策定し、企業が持続可能な経営を行うためのガイドラインを提供しています。
KLD
KLDは、1988年に米国で創業されたESGデータ格付け会社であり、2009年にリスクメトリクス (RiskMetrics) により買収されました。2010年にはリスクメトリクスがMSCIと統合し、現在ではMSCIの一部として活動しています。KLDは、企業の社会的・環境的パフォーマンスを評価し、投資家にとって有用なデータを提供しています。
MDGs
MDGs (Millennium Development Goals) は、2000年に採択され、2015年達成を目指したミレニアム開発目標です。極度の貧困と飢餓の根絶、初等教育の完全普及の達成、ジェンダー平等推進と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止、環境の持続可能性確保、開発のためのグローバルなパートナーシップの推進の8分野において、項目ごとに指標とターゲットが設定されていました。
MIGA
MIGA (Multilateral Investment Guarantee Agency) は、多国間投資保証機関であり、世界銀行グループの機関の1つとして1988年に設立されました。MIGAは、発展途上国への民間投資を支援するために、クロスボーダー投資を行う民間投資家に対して、政府による契約不履行、免税・送金の停止、国有化、戦争内乱等のリスクを保証しています。
Moody's
ムーディーズは、債券の信用格付け会社の大手であり、2010年にフランスのVigeo社を買収しました。さらに、2019年にはアラベスクのサステナビリティ部門(Arabesque S-Ray)も買収し、ESG関連事業を拡大しています。ムーディーズは、信用格付けに加えて、ESGデータや分析も提供し、投資家が持続可能な投資判断を行うための情報を提供しています。
MSCI
MSCIは、1970年に米国で設立された株式・債券等のインデックス提供会社であり、初の指数を発表しました。MSCIは、ESGインデックスやESG格付けも提供しており、投資家にとって信頼性の高いデータを提供しています。MSCIのインデックスは、グローバルな投資基準として広く認識されており、持続可能な投資の普及に貢献しています。
NGO
NGO (Non-governmental Organization) は、非政府組織を指し、もともとは国連で政府以外の関係組織を示すために使用されていた言葉が広まりました。NGOは、開発、貧困、平和、人道、環境などの地球規模の問題に自発的に取り組む非政府・非営利組織を指しています。
NPO
NPO (Non-Profit Organization) またはNot-for-Profit Organizationは、社会貢献活動を行い、団体の構成員に対して収益を分配することを目的としない団体です。収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、社会貢献活動に充てることとなっています。
ODA
ODA (Official Development Assistance) は、政府開発援助を指し、開発途上地域の発展を主な目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動です。ODAは、貧困削減、経済発展、社会福祉の向上など、さまざまな分野で開発途上国を支援しています。
PRI
PRI (Principles for Responsible Investment) は、責任投資原則であり、以下の6つの原則が定められています:
私たちは投資分析と投資判断のプロセスにESG課題を組み込みます。
私たちは活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣にESGの課題を組み入れます。
私たちは投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます。
私たちは資産運用業界において本原則が受け入れられ実行に移されるように働きかけを行います。
私たちは本原則を実行する際の効果を高めるために協働します。
私たちは本原則の実行に関する活動状況や進捗をレポートし、またこの原則に賛同・署名するアセットオーナー・資産運用会社と共有します。
Refinitiv
Refinitivは、投資関係のデータと分析を提供する会社であり、ESGスコアなども提供しています。もともとはトムソン・ロイターの金融情報部門が切り出されたもので、2019年にロンドン証券取引所に買収されました。Refinitivのデータプラットフォームは、金融市場のあらゆる側面をカバーし、投資家にとって不可欠なツールとなっています。
RiskMetrics
リスクメトリクスは、リスク分析企業であり、2009年に社会責任投資インデックスの分野でFTSEやサステナリティクスと提携していたKLDを買収しました。2010年にMSCIに15.5億ドルで買収され、現在はMSCIの一部として活動しています。リスクメトリクスは、企業のリスクを評価し、投資家にとって有用なデータを提供しています。
S&P Global
S&P Globalは、債券の信用格付け会社として知られていますが、ESG関連事業も大きく拡大しています。ESGスコアに加え、指導、分析、評価なども提供しており、投資家にとって信頼性の高い情報を提供しています。2016年にTrucostを買収し、2019年にはRobecoSAMからESG格付け事業を取得しました。
SASB
SASB (Sustainability Accounting Standards Board) は、サステナビリティ会計基準審議会であり、2011年にジーン・ロジャーズが設立したNPOです。SASBは、77業界に対してESGファクターの中で企業価値に対して重要な影響を与えるファクターを提示し、それに関する情報開示を提言しています。これをマテリアルマップと名付けて公表しており、企業価値の全体像を示すための重要なツールとなっています。
SDGs
SDGs (Sustainable Development Goals) は、2015年に国連が2030年の達成を目指して掲げた国際目標であり、17の目標と169のターゲットから構成されています。第一の目標は貧困の撲滅であり、その他の目標には飢餓の根絶、健康と福祉の向上、質の高い教育の提供、ジェンダー平等の実現などがあります。
SFDR
SFDR (Sustainable Finance Disclosure Regulation) は、EUが2021年に設定したサステナブル投資における情報開示規則であり、投資家保護やグリーンウォッシングの予防を目的としています。この規則により、運用会社や金融機関はサステナブル投資に関する詳細な情報を開示することが求められています。
Sustainalytics
サステナリティクスは、ESG投資のデータ提供、格付け、調査を行う企業の大手であり、1992年に運用リサーチ会社のJantzi Researchとしてスタートしました。2000年にダウジョーンズとスティートストリートと提携しJantzi Social Indexを発表しました。サステナリティクスのESG格付けは点数制であり、投資家が企業のサステナビリティパフォーマンスを評価するための重要な指標となっています。
TCFD
TCFD (Task Force on Climate-Related Financial Disclosures) は、気候変動関連の情報開示の自主ルール作成を目指して、2015年に金融安定理事会 (FSB) により設立されたタスクフォースです。TCFDは、企業が気候変動に関連するリスクと機会を開示するためのガイドラインを提供し、投資家が気候変動リスクを評価するための情報を提供しています。
TNFD
TNFD (Taskforce on Nature-related Financial Disclosures) は、自然関連財務情報開示タスクフォースであり、2021年に設立されました。TNFDは、自然に関わるリスクと機会を特定し評価し、開示するためのフレームワークを構築することを目的としています。現在、開示ルールを作成中であり、企業の自然関連リスク管理を支援しています。
UNEP FI
UNEP FI (United Nations Environment Programme Finance Initiative) は、国連環境計画・金融イニシアティブであり、1992年に設立されました。UNEP FIは、200超の銀行、保険、証券会社等とのパートナーシップとして、経済的発展とESGへの配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。
サステナブル投資
サステナブル投資 (Sustainable Investing) には複数の定義があります。US SIFは、「長期的に競争力のあるリターンと社会的インパクトが出るようにESGクライテリアを考慮する投資」と定義しており、ケンブリッジ大学のCambridge Institute for Sustainability Leadershipは、「将来長期にわたって継続可能なポートフォリオを構築する投資」としています。サステナブル投資は、持続可能な未来を目指し、経済的利益と社会的・環境的利益を両立させる投資手法です。
社会責任投資
社会責任投資 (Social Responsible Investing) は、ケンブリッジ大学のCambridge Institute for Sustainability Leadershipによれば、「EやSのクライテリアで投資先の選定を行う」としています。社会責任投資は、企業の社会的責任を重視し、倫理的な観点から投資判断を行う手法です。
Who Cares Wins
Who Cares Wins は、UNが2004年に民間金融機関20社とスイス外務省をスポンサーとして議論した文書であり、この中でESG投資を提唱しました。この文書は、企業が社会的責任を果たしながら持続可能な成長を実現するための指針となっています。
インパクト投資
インパクト投資は、Global Impact Investing Network (GIIN) が2009年に定義した「財務リターンと、測定可能でプラスの社会的・環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資」とされています。世界銀行グループのIFCも、2019年に「定量化した社会的インパクトの達成を意図し、同時に財務的リターンも追求する投資」と定義しています。インパクト投資は、社会的課題の解決を目指しつつ、経済的利益も追求する投資手法です。
京都議定書
京都議定書 (Kyoto Protocol) は、COPの枠組みの中で、温室効果ガス排出削減の仕組み(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)の導入を議論し、先進国の温室効果ガス排出削減量について数値目標を各国ごとに設定しました。途上国に対しては数値目標などの義務はありません。京都議定書は、2005年に発効し、気候変動対策の国際的な枠組みを提供しました。
UNJSPF
UNJSPF (United Nations Joint Staff Pension Fund) は、国連および国連機関の職員用の年金基金であり、確定給付型年金を運用しています。2023年1月20日時点で運用資産額は約810億ドル(10兆5,300億円)であり、PRIの創設時から賛同して加盟しています。UNJSPFは、持続可能な投資を推進し、職員の退職後の生活を支援しています。
UNグローバル・コンパクト
UNグローバル・コンパクトは、2000年にアナン国連事務総長(当時)が提唱し、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止に関わる10の原則を設定し、賛同する企業・団体が署名するものです。2000年にニューヨーク国連本部で正式に発足し、現在では世界約161カ国、21,500を超える企業や団体が署名しています。
Vigeo Eiris
Vigeo Eirisは、1983年に創業されたフランスのESGデータ・格付け会社であり、現在はムーディーズの傘下にあります。Vigeo Eirisは、企業のESGパフォーマンスを評価し、投資家にとって有用なデータを提供しています。
VRF
VRF (The Value Reporting Foundation) は、SASBとIIRCが2021年秋に統合して設立された価値報告財団です。VRFは、企業のESG情報開示のスタンダード策定を目指しており、2021年末にCSDBと共にIFRS財団のもとで設定されたISSBの傘下に入り、2022年8月に統合されました。VRFは、企業価値の全体像を示すための情報開示基準を提供しています。
マテリアルファクター
マテリアルファクターは、ESGの範囲が広い中で、業界や企業によって特定のファクターが事業や企業の価値に大きな影響を及ぼす要素を指します。マテリアルファクターの例としては、温暖化ガス排出量や従業員のエンゲージメントなどがあります。これを業界別に示したものがSASBのマテリアリティマップです。
マテリアリティマップ
マテリアリティマップは、SASBが業界毎に事業・企業価値への影響の大きいESGファクターを示したものです。このマップは、企業が投資家に対して重要な情報を提供するためのツールとして使用され、企業価値の全体像を示すためのガイドラインとなっています。
リスポンシブル投資
リスポンシブル投資には複数の定義があります。PRIは、「投資の判断とアクティブオーナーシップにおいてESGファクターを織り込む投資戦略」と定義しており、ケンブリッジ大学のCambridge Institute for Sustainability Leadershipは、「リスポンシブル投資はESGファクターや市場の長期的な健全性と安定を織り込む投資で、社会責任投資もリスポンシブル投資に含まれる」としています。リスポンシブル投資は、持続可能な未来を目指し、経済的利益と社会的・環境的利益を両立させる投資手法です。
フリードマン・ドクトリン
フリードマン・ドクトリンは、1970年に経済学者のミルトン・フリードマン教授がニューヨークタイムズに寄稿したもので、「企業の社会的な責任は利益増大である」という内容です。この考え方は、企業が社会的責任を果たすことよりも、株主価値の最大化を重視する経済学的アプローチとして知られています。
タクソノミー
タクソノミーは、EUが設定した、何をサステナブル投資とするかの分類です。この分類は、投資家が持続可能な投資を行うためのガイドラインを提供し、サステナブル投資の普及を促進するための重要なツールとなっています。
日本サステナブル投資フォーラム
日本サステナブル投資フォーラム (JSIF) は、サステナブル投資を行う日本の投資家の集まりです。JSIFは、サステナブル投資の普及と発展を目指し、投資家に対して情報やリソースを提供しています。
ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス
ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンスは、2050年に投資ポートフォリオからのグリーンハウスガス排出ネットゼロを目指す運用団体69社が加盟するアライアンスです。加盟団体の総運用資産は11兆ドル(1,430兆円)であり(2023年1月時点)、持続可能な投資を推進しています。
パリ協定
パリ協定 (Paris Agreement) は、京都議定書に代わる気候変動に関する国際的な枠組みであり、2015年に採択されました。この協定には、温室効果ガス排出削減の目標を設定し、各国が自主的に対策を講じることが求められています。パリ協定は、気候変動対策の国際的な枠組みとして、189カ国が参加しています。
Biodiversity
生物多様性。自然界の多様な生物種の存在とそれらの相互作用のこと。環境保護の観点から重要なテーマであり、エコシステムの健全性と人間の生活に不可欠な要素です。例えば、食糧供給や医薬品の源泉としての役割があります。生物多様性の減少は、種の絶滅や生態系サービスの喪失を引き起こし、持続可能な開発に深刻な影響を及ぼします。
Carbon Footprint
カーボンフットプリント。個人、企業、または製品が直接的および間接的に排出する温室効果ガスの総量を指す。具体的には、製品の製造、輸送、使用、廃棄までの全ライフサイクルにわたる排出量が含まれます。例えば、1トンのプラスチックを生産する際には、約6トンのCO2が排出されることがあります。削減努力は、持続可能な社会実現のために重要です。
Circular Economy
サーキュラーエコノミー。廃棄物を最小限に抑え、資源を最大限に利用する経済モデル。リサイクル、再利用、リデュースの3R原則を基本とし、持続可能な資源管理を目指します。欧州連合(EU)は、サーキュラーエコノミーにより2030年までに50万人の雇用を創出すると予測しています。企業や政府はこのモデルを推進し、環境負荷の軽減と経済成長の両立を図っています。
Climate Change
気候変動。人為的な温室効果ガスの増加により地球の気候が変化する現象。これにより、異常気象、海面上昇、生態系の変化などが引き起こされ、社会経済的な影響も深刻化しています。例えば、IPCCの報告によれば、産業革命前と比べて地球の平均気温は約1.2℃上昇しています。緊急の対策が求められています。
Decarbonization
脱炭素化。炭素排出を削減またはゼロにする取り組み。主に再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率の向上、炭素捕捉技術の開発が含まれます。例えば、欧州連合は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標としています。企業や政府はこの目標に向けて政策や技術開発を推進しています。
Greenwashing
グリーンウォッシング。実際には環境に配慮していない企業が、環境に優しいふりをすること。これにより、消費者や投資家が誤解し、持続可能な選択を妨げるリスクがあります。例えば、2015年のフォルクスワーゲンのディーゼル排ガス不正問題は、典型的なグリーンウォッシングの事例として知られています。
Net Zero
ネットゼロ。温室効果ガスの排出量と吸収量が均衡している状態。多くの国や企業が2050年までにネットゼロを達成することを目標としています。例えば、イギリスは2019年に法的にネットゼロを目指すことを宣言し、さまざまな政策を導入しています。
Renewable Energy
再生可能エネルギー。自然に補充されるエネルギー源(例:太陽光、風力)。これらのエネルギー源は、化石燃料と比べて温室効果ガスの排出が少なく、持続可能なエネルギー供給を可能にします。例えば、2020年には、世界の電力供給の29%が再生可能エネルギーによるものでした。
Sustainable Development
持続可能な開発。将来の世代が自らのニーズを満たす能力を損なわずに、現在のニーズを満たす開発。これは、経済成長、社会的包摂、環境保護のバランスを図ることを目指しています。例えば、国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までに達成すべき17の目標を掲げています。
Blue Economy
ブルーエコノミー。海洋資源を持続可能な方法で利用し、経済成長と環境保護の両立を図る経済モデル。これは、海洋エネルギー、漁業、観光などの産業が含まれます。例えば、世界のブルーエコノミーの価値は年間約3兆ドルと推定されており、持続可能な海洋資源管理が重要です。
Carbon Neutral
カーボンニュートラル。二酸化炭素の排出量を実質的にゼロにすること。排出された二酸化炭素と同量を吸収・除去することでバランスを取ります。例えば、企業が森林再生プロジェクトを支援することで排出量を相殺することが一般的です。
Corporate Social Responsibility (CSR)
企業の社会的責任。企業が経済的利益だけでなく、社会や環境への責任を果たすことを目指す理念。これは、倫理的な経営、コミュニティ支援、環境保護などが含まれます。例えば、ユニリーバは持続可能な事業運営を目指し、2020年までに自社の環境フットプリントを半減させる目標を掲げました。
Environmental Impact Assessment (EIA)
環境影響評価。開発プロジェクトが環境に与える影響を事前に評価し、適切な対策を講じるプロセス。これは、環境保護、公共の健康、安全を確保するために重要です。例えば、ダム建設や道路建設などの大規模プロジェクトにはEIAが義務付けられています。
Green Bonds
グリーンボンド。環境関連プロジェクトに資金を調達するために発行される債券。これらの債券は、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、汚染防止などのプロジェクトに資金を提供します。例えば、2019年のグリーンボンド市場は2,580億ドルに達しました。
Life Cycle Assessment (LCA)
ライフサイクルアセスメント。製品のライフサイクル全体を通じて環境影響を評価する手法。これには、原材料の採取、製造、使用、廃棄までのすべての段階が含まれます。例えば、自動車のLCAでは、製造から廃棄までのCO2排出量や資源使用量が評価されます。
Materiality
マテリアリティ。企業にとって重要な経済的、環境的、社会的要素。投資家や利害関係者にとって重要な情報として扱われます。例えば、SASBは業界ごとにマテリアルファクターを特定し、企業が開示すべきESG情報を明確にしています。
Social Impact Bonds (SIB)
ソーシャルインパクトボンド。社会的成果を達成するための資金を調達するために発行される債券。成果に基づいて投資家にリターンが支払われる。例えば、英国では、再犯防止プログラムにSIBが使用され、成功した場合にのみ投資家にリターンが支払われます。
Carbon Offset
カーボンオフセット。自らの二酸化炭素排出量を相殺するために、他の場所で排出削減活動を行うこと。これには、植林プロジェクトや再生可能エネルギープロジェクトへの投資が含まれます。例えば、航空会社は顧客が飛行機のCO2排出量をオフセットするためのプログラムを提供しています。
ESG Integration
ESG統合。投資分析や意思決定プロセスに環境・社会・ガバナンス(ESG)の要因を組み込むこと。これにより、長期的なリスク管理と持続可能なリターンを目指します。例えば、ブラックロックはESG統合を全投資ポートフォリオに導入しています。
Green Finance
グリーンファイナンス。環境に配慮したプロジェクトや活動に資金を提供する金融サービス。これには、グリーンボンドやグリーンローンが含まれます。例えば、世界銀行は多くのグリーンボンドを発行し、再生可能エネルギープロジェクトを支援しています。
ESGリーダーシップ・ネットワーク
ESGに関するリーダーシップを発揮する企業や組織が集まるネットワーク。情報交換やベストプラクティスの共有を行います。例えば、グローバル・インパクト・インベスティング・ネットワーク(GIIN)は、ESGリーダーシップの一例です。
気候変動対策推進法
Act on Promotion of Global Warming Countermeasures。日本の気候変動対策に関する法律。温室効果ガスの削減を目指します。この法律は、京都議定書の目標達成を支援し、国内の排出削減を推進します。
国連大学サステイナビリティ高等研究所 (UNU-IAS)
United Nations University Institute for the Advanced Study of Sustainability。持続可能な開発に関する研究を行う国際機関の日本支部。UNU-IASは、政策提言や教育プログラムを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援しています。
日経ESG経営フォーラム
Nikkei ESG Management Forum。日本経済新聞が主催する、ESG経営に関する情報を提供するフォーラム。企業経営者や投資家がESG戦略について議論し、情報を共有する場を提供しています。
日本サステナブル投資フォーラム (JSIF)
Japan Sustainable Investment Forum。日本におけるサステナブル投資を促進する団体。JSIFは、投資家や企業が持続可能な投資の原則と実践を共有するためのプラットフォームを提供しています。
CBAM
Carbon Border Adjustment Mechanism。炭素国境調整メカニズム。EUが、EU域内の事業者がCBAMの対象となる製品をEU域外から輸入する場合に、域内で製造した場合と同等にEU域内排出量取引制度 (EU ETS) に基づいて課される炭素価格に対応した価格の支払いを義務付けるもの。これにより、EU域外の製品が安価に製造されることによる不公平な競争を防ぐことができます。
CDSB
Climate Disclosure Standards Board。気候変動情報開示基準委員会。温室効果ガスや自然資本の情報を、ファイナンス情報と統合することを目指すNGO。企業の気候変動情報開示の標準化を目指してプロトコルや基準に基づいて枠組みを提供していた。2022年8月にVRFと共にIFRS財団傘下のISSBに統合され、統一的なESG報告基準の策定が進められています。
CSDDD
Corporate Sustainability Due Diligence Directive。企業のサステナビリティに関するデューデリジェンス指令。企業がそのサプライチェーンにおける環境や人権に関するリスクを評価し、管理することを求めるEUの指令。企業はこの指令に基づいてサプライチェーンの透明性を高め、持続可能な経営を実現することが求められます。
CSRD
Corporate Sustainability Reporting Directive。企業サステナビリティ報告指令。EUが、サステナビリティ関連情報の開示についてCSRDで基準を示すと2021年に発表。また、対象企業を現行のNFRD (Non-Financial Reporting Directive:非財務情報開示指令) よりも拡大。具体的なESG情報の開示方法については、詳細なガイドラインが2022年に発表され、企業に対して厳格な開示義務を課しています。
エシカル消費
Ethical Consumption。消費者が倫理的な観点から製品やサービスを選択すること。例えば、フェアトレード商品や環境に配慮した製品の購入。エシカル消費は、企業に対する消費者の影響力を通じて、持続可能な生産と消費を促進します。
サーキュラーエコノミー
Circular Economy。廃棄物を最小限に抑え、資源を最大限に利用する経済モデル。リサイクル、再利用、リデュースの3R原則を基本とし、持続可能な資源管理を目指します。欧州連合(EU)は、サーキュラーエコノミーにより2030年までに50万人の雇用を創出すると予測しています。企業や政府はこのモデルを推進し、環境負荷の軽減と経済成長の両立を図っています。
Scope 1-3の算定
Scope 1, 2, 3 Emissions Calculation。企業が直接排出する温室効果ガス(Scope 1)、購入した電力などから間接的に排出される温室効果ガス(Scope 2)、およびサプライチェーン全体からの排出(Scope 3)の算定。これにより、企業の総排出量を把握し、削減目標を設定することが可能になります。企業はこれらの排出量を公開し、持続可能な経営を実現する責任を負います。
SDG債
SDG Bonds。持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援するために発行される債券。環境や社会に配慮したプロジェクトに資金を提供します。例えば、グリーンボンドやソーシャルボンドが含まれ、これらの債券は特定のSDG目標に対する取り組みを支援します。
SSBJ基準草案
SSBJ Standards Draft。日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)が策定するサステナビリティ報告基準の草案。これにより、日本企業は国際的な基準に沿ったESG情報の開示を求められます。基準草案は公開討論を経て最終決定される予定です。
統合報告書
Integrated Report。財務情報と非財務情報(ESG情報)を統合した報告書。企業の全体的な価値創造を示します。統合報告書は、投資家やその他のステークホルダーに対して企業の持続可能性を総合的に伝えるツールとして重要です。
インパクト加重会計
Impact-Weighted Accounting。企業の社会的、環境的インパクトを財務報告に組み込む会計手法。ハーバード大学のイニシアティブにより提唱され、企業が与えるプラスの影響とマイナスの影響を数値化し、報告します。これにより、企業の持続可能な価値創造をより正確に評価することができます。
ISO30414
Human Capital Reporting Guidelines。人的資本に関する国際標準化機構(ISO)のガイドライン。企業が人的資本に関する情報を開示する際の基準を提供。これにより、従業員のスキルや能力、労働環境に関する透明性が向上し、企業の持続可能性を評価する際の重要な指標となります。
GHGプロトコル
Greenhouse Gas Protocol。温室効果ガスプロトコル。企業や組織が温室効果ガス排出量を算定、報告するための国際的な標準。GHGプロトコルは、排出量の透明性を高め、削減目標の設定と達成を支援します。これにより、企業は持続可能な経営を実現するための具体的なアクションを取ることができます。
グリーンウォッシング禁止法
Greenwashing Prohibition Law。企業が実際には環境に配慮していないにもかかわらず、環境に優しいと偽って宣伝する行為を禁止する法律。これにより、消費者や投資家の信頼を守り、持続可能なビジネスプラクティスを促進します。違反した企業には罰金やその他の法的措置が取られることがあります。
グリーンボンド
Green Bonds。環境関連プロジェクトに資金を調達するために発行される債券。これらの債券は、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、汚染防止などのプロジェクトに資金を提供します。例えば、2019年のグリーンボンド市場は2,580億ドルに達しました。
排出量取引
Emissions Trading。企業や国が温室効果ガス排出権を売買する制度。排出量の削減を促進するために設けられており、炭素市場の形成に寄与しています。例えば、EUの排出量取引制度 (EU ETS) は、世界最大の炭素市場として機能しています。
PCAF
Partnership for Carbon Accounting Financials。金融機関が自らの融資や投資に伴う温室効果ガス排出量を測定し、報告するための国際的な基準とツールを提供する組織。PCAFは、金融機関が炭素フットプリントを透明にし、削減努力を推進するための重要な枠組みを提供します。
SASB
Sustainability Accounting Standards Board。サステナビリティ会計基準審議会。企業のサステナビリティ情報を投資家に提供するための基準を策定。SASBの基準は、企業価値に対して重要なESG要因を特定し、透明性の高い報告を促進します。
TNFD
Taskforce on Nature-related Financial Disclosures。自然関連財務情報開示タスクフォース。自然に関わるリスクと機会を特定し評価し、開示するためのフレームワークを構築することを目的に設立。TNFDは、企業が自然資本に対する影響を評価し、持続可能な経営を実現するための指針を提供します。
ESG Reporting Standards
ESG Reporting Standards。企業が環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する情報を開示するための基準。これにはGRI、SASB、CDP、TCFDなどのフレームワークが含まれます。これらの基準は、投資家が企業の持続可能性パフォーマンスを評価するために使用されます。
Equator Principles
Equator Principles。金融機関が大規模プロジェクトの環境および社会リスクを評価し、管理するためのフレームワーク。2003年に導入され、現在90以上の金融機関が署名しています。これにより、プロジェクトの持続可能性が保証されます。
Natural Capital Protocol
Natural Capital Protocol。企業が自然資本(生態系や自然資源)の価値を評価し、管理するためのフレームワーク。企業の意思決定において自然資本の重要性を認識し、持続可能な経営を促進します。
Climate Bonds Standard
Climate Bonds Standard。気候変動対策を目的としたプロジェクトに資金を調達するための債券(クライメートボンド)に関する基準。Climate Bonds Initiativeが策定し、認証プロセスを提供しています。これにより、投資家は信頼性の高い環境プロジェクトに投資できます。
Carbon Pricing
Carbon Pricing。炭素排出量に価格を設定する政策手段。これには炭素税と排出量取引制度(ETS)が含まれます。例えば、スウェーデンは炭素税を導入しており、2021年には1トンあたり約137ドルを課しています。これにより、炭素排出削減が促進されます。
SBTi (Science Based Targets initiative)
SBTi (Science Based Targets initiative)。企業が科学的根拠に基づいた気候目標を設定するためのイニシアティブ。パリ協定の目標に沿った温室効果ガス削減目標を設定し、承認を得るプロセスを提供しています。2021年には、1,000以上の企業がSBTiの承認を受けています。
Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets (TSVCM)
Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets (TSVCM)。ボランタリーカーボン市場の拡大を目的としたタスクフォース。信頼性の高いカーボンクレジットの供給を増やし、企業が気候目標を達成するための手段を提供します。これにより、民間セクターの気候行動が加速されます。
ICMM (International Council on Mining and Metals)
ICMM (International Council on Mining and Metals)。鉱業および金属産業の持続可能な開発を促進する国際組織。環境保護、安全、コミュニティの福祉を重視した業界のベストプラクティスを共有し、実践します。28の主要な鉱業・金属企業が加盟しています。
Principles for Sustainable Insurance (PSI)
Principles for Sustainable Insurance (PSI)。保険業界が持続可能な開発を推進するための原則。これには、リスク管理、保険商品開発、クレーム管理、投資の各プロセスでのESG統合が含まれます。2012年に国連環境計画(UNEP FI)によって設立されました。
Principles for Responsible Banking (PRB)
Principles for Responsible Banking (PRB)。銀行業界が持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定の目標を達成するためのフレームワーク。持続可能な金融商品やサービスの開発を促進し、社会的・環境的影響を最大化します。2019年にUNEP FIによって設立されました。
Global Compact for Migration
Global Compact for Migration。安全、秩序、正規な移住を促進するための国際的な合意。2018年に国連総会で採択され、移民の人権保護や社会統合を重視しています。移民問題に対する包括的なアプローチを提供します。
Forest Stewardship Council (FSC)
Forest Stewardship Council (FSC)。持続可能な森林管理を促進する国際NGO。FSC認証は、環境保護、社会的責任、経済的持続可能性を保証する森林管理を行う企業に与えられます。世界中で広く認知されている環境認証制度です。
Global Reporting Initiative (GRI)
Global Reporting Initiative (GRI)。企業や政府が環境、社会、経済に関する情報を報告するための基準を提供するNGO。1997年に設立され、GRI基準は世界中で広く使用されています。これにより、企業の持続可能性パフォーマンスを透明に評価できます。
OECD Guidelines for Multinational Enterprises
OECD Guidelines for Multinational Enterprises。多国籍企業に対する責任あるビジネス行動を促進するためのガイドライン。環境、労働、消費者保護、腐敗防止などの分野でのベストプラクティスを提供します。1976年にOECD加盟国によって採択されました。
ILO Conventions
ILO Conventions。国際労働機関(ILO)が採択する国際労働基準。労働者の権利保護、職場の安全衛生、労働条件の改善を目指す。例えば、児童労働の禁止、強制労働の廃止に関する条約が含まれます。世界中の多くの国がこれらの基準を採用しています。
Fair Trade Certification
Fair Trade Certification。生産者に公正な価格を保証し、労働条件の改善を図るための認証制度。フェアトレード認証を受けた製品は、環境保護、労働者の権利保護、社会的公正を実現するために生産されています。消費者は、この認証を通じて倫理的な消費を支援できます。
SA8000
SA8000。労働条件の改善を目指す国際標準。児童労働の禁止、強制労働の禁止、安全な労働環境の提供、公正な賃金の支払いなどを要求します。企業の社会的責任を実践するための枠組みとして広く利用されています。
ISO 26000
ISO 26000。社会的責任に関するガイダンスを提供する国際標準。企業や組織が社会的責任を果たすための原則と実践方法を示します。環境保護、人権、労働慣行、公正な事業慣行、消費者問題、コミュニティの関与と開発をカバーしています。
Ethical Trading Initiative (ETI)
Ethical Trading Initiative (ETI)。労働者の権利を保護し、労働条件を改善するための多ステークホルダー・イニシアティブ。企業、労働組合、NGOが協力して、サプライチェーン全体での倫理的な貿易を推進します。ETIベースコードは、労働者の基本的な権利を保護するための基準を示しています。
International Finance Corporation (IFC) Performance Standards
International Finance Corporation (IFC) Performance Standards。IFCが提供するプロジェクト融資のための環境・社会基準。企業やプロジェクトが持続可能な開発を実現するための枠組みを提供します。これにより、プロジェクトの環境・社会リスクが適切に管理されます。
LEED Certification
LEED Certification。建物やコミュニティの持続可能性を評価する認証制度。Leadership in Energy and Environmental Design (LEED) は、エネルギー効率、水の使用、室内環境の質、材料の持続可能性などの基準をカバーしています。グリーンビルディングの設計と建設を促進します。
ISO 14001
ISO 14001。環境管理システム(EMS)に関する国際標準。企業や組織が環境目標を達成するための枠組みを提供します。ISO 14001認証は、持続可能なビジネス慣行を推進し、環境影響を最小限に抑えるための取り組みを示します。
Responsible Care
Responsible Care。化学産業における持続可能な発展を促進する自主的な取り組み。環境保護、安全、健康の向上を目指し、企業がベストプラクティスを共有し、実践します。世界中の化学企業が参加しており、透明性と責任を重視しています。
Carbon Trust Standard
Carbon Trust Standard。企業や組織が温室効果ガスの削減を達成したことを認証する標準。エネルギー効率の向上、炭素削減、環境マネジメントのベストプラクティスを評価します。認証を受けた企業は、持続可能な経営を実践していることを示します。
Ethical Investment Research Services (EIRIS)
Ethical Investment Research Services (EIRIS)。企業のESGパフォーマンスを評価し、投資家にリサーチとデータを提供する機関。持続可能な投資の意思決定をサポートします。EIRISは、投資家が倫理的で持続可能なポートフォリオを構築するための重要な情報源です。
International Integrated Reporting Council (IIRC)
International Integrated Reporting Council (IIRC)。企業が財務情報と非財務情報を統合して報告するための枠組みを提供する国際機関。統合報告書は、企業の価値創造プロセスを総合的に示すことを目指します。これにより、ステークホルダーは企業の持続可能性をより深く理解できます。
Global Sustainable Investment Alliance (GSIA)
Global Sustainable Investment Alliance (GSIA)。各国・地域においてサステナブル投資を推進する団体の連合体。加盟機関は、各国の投資家からサステナブル投資額を2年に一度集計し、ESGインテグレーション投資、ネガティブスクリーニング、企業のエンゲージメント及び株主提案、国際規範に基づくスクリーニング、テーマ型、ポジティブスクリーニング、インパクト投資などに分類しています。
以上
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