シュウカツのドキドキと真実と
この本は、いろいろなミステリランキングに入ったり、本屋大賞の候補になったりとしていたのですが、読む気になれず…
就活というのがはるか昔の話で、大学生の主人公には感情移入できないと思っていたんですよね。
が、今度この本を課題本とした読書会に参加することになり、いい機会だと思い読んでみました。
感情移入できないのではというのは取り越し苦労で、読んでみると就職活動で面接を受けるときの緊張感、集団面接のときのお互いの探り合い等よみがえりました。また、面接で知り合った人との奇妙な連帯感も思い出されました。
私が就活(そんな言葉もなかった)をしたのはずいぶん前のため、今のやり方とはずいぶん変わっていると思いますが、学生の気持ちとしては今も昔も変わらずですね。
また、「数分の面接では何もわからない」という面接をする側の本音も書かれていたりして。
就活生が読んだら怒るかもしれませんが、仕事ができるできないって面接では結局分からないんですよね。
実際に働いてみるとある部署では仕事ができなくても、部署が変わったら活躍できる人もいたりします。
もし、面接がうまくいかなくとも落ち込む必要はないと当時の自分に言ってあげたいです。
またミステリとしても面白く、6人のそれぞれの人に知られたくない罪を明らかにしたのはいったい誰なのかを明らかにしていく中で、人間の多面性も描かれています。
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