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私が日雇い派遣のアルバイトを二つ掛け持ちしていた理由。


「日雇い派遣アルバイト」と聞いて、なにを思い浮かべるだろうか。
かつての私は、「日雇い派遣アルバイト」についてまるでなにもわかっていなかった。
イメージもないまま始めたのだが、きっかけは非常に単純だ。

私はかつて、水族館で働きたかった。

けれどその夢は、持病によって諦めさせられた。
しかし水族館で働きたいと思う気持ちは変わらず、未練だけが心に残る。
持病の都合ならしかたない。そう自分に言い聞かせた。


その日は求人誌を見ていて、学生だった私はとりあえずバイトを探していた。
とはいえ、持病の都合でできる仕事はなかなか見つからない。
悩みながらあるページを開いたとき、運命の募集に出会った。

名古屋港水族館内で子供向けイベントのバイト募集。


飼育員でこそないものの、水族館という憧れの場所で働ける。
バイトの形態としては日雇いの派遣。

いわゆるイベントスタッフだ。


私は飛びついた。なにがなんでも、この仕事を逃すわけにはいかなかった。
日雇いなので、持病のことを考えつつ希望日が出せる。
毎日じゃないから通いやすい。
それが私の、日雇い派遣アルバイトの初めての仕事だった。


それからはしばらく、子供向けイベントのスタッフをやっていた。


・縁日のゲームコーナー
・さまざまな施設でのイベントスタッフ


基本的には子供相手のことが多かった。
子供と遊ぶのは楽しいし、仲のいい家族を見ていると微笑ましく思った。


だんだんと仕事に慣れてきた私は、

「もうひとつ、日雇い派遣のバイトを探そう」

と思いはじめる。
なぜかというと、この仕事は普通ではない経験ができるからだ。
ひとつの会社に属しているのに、いろんな仕事ができる。
人生の経験として、なかなか楽しいじゃないか。
そう思い、求人誌のなかでもいろんな職業を扱っている会社を探し、ひとつの会社へ登録した。


ちなみに、この手の仕事は面接がないことが多い。
即戦力としてすぐに仕事に入る。
(ただしこのご時世、どうなっているかわからない。私が登録していたのは5、6年前までだからだ)


私が次に入った会社でやった仕事は、一般的に「ビラ配り」と呼ばれるものだった。


ときどき「ビラ配りってノルマとかあるんでしょ?」と聞かれたが、私が働いていたところはノルマはなく、時間制だった。
たとえ配れなくても時間が来たら仕事は終了し、日給としてなかなか高額なお給料をいただける。


体力さえあれば、楽な仕事に見えるかもしれない。
しかしこれもまた自分のペースでできるので、持病の都合上、好条件だった。
加えてビラ配りの仕事を希望した理由としては、かつて幼なじみから「ビラ配りのバイトってやってみたいんだよね。なんか楽しそう」と言われたことがあったからだ。


仕事にそこそこ慣れてくると、他の仕事が提案された。


・看板持ち
・個人経営のレストランでの雑務
・ウォーターサーバーの営業
・人員不足になった工場の穴埋め


など、なかなか面白い経験をすることができた。


最初の職場と、二番目の職場では内容にかなり差があるのがわかると思う。
一口に「日雇い派遣バイト」と言っても、会社が違うだけで内容は全然違う。

求人誌を開くと会社名が同じなのに仕事内容が違うのは、そういう理由があるからだ。

結果、いろんな体験ができる。


持病のせいで他の人と同じような人生は送れないと思っていた私が、他の人はあまり経験しないような仕事を体験したのだ。

持病がなければ、私は普通のバイトをしていただろう。
実際、以前のnoteに「喫茶店大国・名古屋でバイトしてた話」を書いたが、それはここ数年での出来事だ。


日雇い派遣のアルバイトを経験したからこそ、今がある。
もちろん、日雇い派遣アルバイトを辞めてから勤めた職場もいろいろと面白いことがあったので、いずれ書いていきたいと思う。


この業界は、日雇いだし、派遣だし、とかなり楽に考えている人も多いのが現状だ。
実際かなりやる気のなさそうなスタッフもいる。
私は、それをもったいなく思っている。
一日かぎりの仕事だったとしても、そこで評価を受ければ良い仕事を回してもらえる可能性も出てくるのだ。


私も以前、評判を聞き付けて指名をもらったことがあった。全力でビラ配りをしていて、何軒か家が売れたらしいのだ。
人気の仕事はすぐに募集を締め切られてしまうが、優先的に採用してもらえるとなると、当然のように仕事をする日が増えて給料が増える。


もしこの記事を読んでいて、日雇い派遣アルバイトに興味をもった人がいるなら、まずは会社についてしっかり調べてから登録することを強くオススメしたい。
なぜなら、ときどき会社側とのトラブルを聞くからだ。
今のところ、私はそういったトラブルに巻き込まれたことはない。

とくに履歴書がいらない職場は、自分の身を守るためにも事前に調べておいた方がいい。


とにかくいろんな経験がしたいのであれば、ぜひオススメしたい業界だ。


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