孫泰蔵さんの「失敗の数」の話から考えたこと→徒然なる駄文まで
つい先日となる2/17、青年会議所主催の2月例会「新時代における教育や学校のあり方」を探るイベントにモデレーターとして参加し、多様な生き方を実践する10代の3名と共にステージでお話させて頂きました。
会場は500席が満員。
第一部は孫泰蔵さんの基調講演ということで、泰蔵さんがシリアルアントレプレナー兼投資家としてこれまで多くのチャレンジと失敗を通して見つけてきた学びと、世界中のテクノロジーや文化、情報に触れてきた中で得られた事実から見えてくる未来の示唆を話題提供しながら、新時代に必要な教育とは何かを教えるのではなく、観衆に終始問いを投げかけ続けるスタイル。
シンプルにまとめれば、「学校って必要なの?」という問いに対して、思考停止せずにみんな自分の頭で考えていこうよ、自分で世界変えていこうよという時間でした。
投げかけられた問いの例としては
人生100年時代において、10年本気でやり続ければその道におけるプロ/もしくはセミプロくらいになれるのだとしたら6回くらい新しいチャレンジをして人生生き直せますよね。
チャレンジャブルな時間が十分あるのに、一斉に同じタイミングで同じ内容を学ぶ必要なんてあるんでしたっけ?(自分のタイミングやペースで、学びたくなった時に学びたくなったものを学ぶでよくないですか?)
学校でのプログラミング教育一斉導入とか最悪の施策でしかないとおもってますが、なぜだと思います?みなさんはどう思います?(テクノロジーの進化速度から見たらテンポずれてるという理由もでかいけど)
もし体調が急変して明日自分が死ぬとして、病院のベッドで呼吸器を外してたった一言だけ子供に伝えられるとしたら何を伝えます?こどもの未来に自分が親として贈りたい、残したいものはなんですか?
などなど。優しい語りぶりで様々な切り口から問いを立て、観客の皆さんの脳を揺さぶっていました。
これを読んでいるみなさんは上記の問いに対して、どんな考えや答えをもつでしょうか?
▼自分の思考や仮説に対して、肯定的/批判的アプローチの両面で行動する
また、泰蔵さんは自分のこれまでのチャレンジを振り返りながら「失敗の数なら誰にも負けない自信がある」とお話をされていました。
単純に挑戦の数が多いというのもあるのでしょうが、「経験とともに先見の明は磨かれ、失敗の数って減るんじゃないか?泰蔵さんほどの人がそんな数の失敗なんて積み重ねるか??」なんて思っていたのです。
しかし、「創造力なんて育めるものではなく、結果でしかない」というお話をされた後に、自分の考えを否定するかのような子供たちの創造性を引き出す場としてVIVITAの取り組みについてお話された時に「なるほど!」と勝手に自分の中で腑に落ちました。
泰蔵さんのスタンスとして「たぶんこれやったら成功するよね」というチャレンジに対しての失敗だけでなく、「これは意味ないと自分でも思ってるけど、本当にそうか?やってみないとわからんこともあるよな。。」というクリティカルチャレンジも相当数されていて、その失敗の数も合算した結果として誰にも負けない自信があると断言できるほどの数を積み重ね、それを己の血肉として道を歩まれてきたんじゃないかと。
自分の考えや行動に対しても、常にクリティカルに思考し、行動し、仮説検証をガンガンされている姿勢に泰蔵さんの凄さを感じたわけです。
今まさに絶賛似たチャレンジをしている身としては、その中にある泰蔵さんの哲学なども含め、素敵な人だなぁと勝手に共感と感心をしていました。
▼第2部:多様な10代とのディスカッションから「学校」や「教育」についても考える
泰蔵さんの講演も終わり、学校っていく必要ないんじゃないか??いやいや、でも学校でしか育めないこともやっぱりあるよな・・・なんてもやもやし始めたみなさんに対して、
・学校へ行かない選択をして生きている中島芭旺くん
・起業家でありながら、学校へ行くという選択をしている山内奏人くん
・学校とも違う、新しいコミュニティを作ろうとしている千葉百華さん
という三者三様の生き方を実践している10代の3人とディスカッションしながら、それぞれの価値観や哲学を引き出し、それを聞いた観客のみなさんの頭や心を更に揺さぶる時間でした。
ここでのモデレータを今回務めさせていただいたですが、個人の考えや想いは一旦横に置いておき、なるべく客観的にかつ無知になって、色々な角度から問いを生成し、3人に投げかけては発言を要約して今度は観客の皆さんに問いを投げるというキャッチボールをてきぱきとさばく形で進めました。
個人的にも難易度SSクラスだなこりゃ、、と思っていたものの、前段での泰蔵さんの話に相当インスパイアされていたのと、3人の意見の観点も三者三様で純粋に面白かったので楽しんでやれました。(泰蔵さんやゲスト、運営スタッフの方からもありがたいお言葉をたくさん頂けて嬉しかった。)
話がそれましたが、僕も自己紹介時間がありスライドも用意していたものの、第1部に感化されて話す内容は考えていたことを全部捨て、泰蔵さんの話を引用しながら会社の取り組みやその背景にある哲学など個人的なストーリーや想いを交えてお話しました。
CURIO SCHOOLの取り組みもある意味全てが実験です。
教育企業というより社会全体を巻き込んだ壮大な社会実験企業だとおもっています。
創造力って、結局育めるものなのか?結果でしかないんじゃない?
育まれるとどうなるん??
この問いについては、中高生向けに展開しているプログラム「Mono-Coto Innovation」の中でも色々と取り組みをしながら、その定義や影響因子についても考え続ける日々です。今日も代表とこのあたりを何時間も議論していました。笑
プログラムツールや空間、そこに関わる人の属性や熱量といった様々なパラメータを調整し、最適化(これも人によって最適値が変わるので、誰をターゲットにするかで変わりますが)していくことでマインドやスキルがどう変わっていくのか?
その結果として、どんなものが生まれるのか?
その生まれたモノやその過程に、どれだけの人が共感し、熱狂の渦が広がり、創る文化が広がっていくのか?
私は創れる(=世界は自分で変えられる)という感覚や自信を得た人たちがその後自分の人生をどれだけ豊かに、幸せに生きられるのか?
そうした問いの先の答えをただただ見てみたいんですよね。
事業を突き動かしている原動力はやっぱり純粋な好奇心なんです。
事業も4年続けてきて、色々なモノコトが中高生と企業の間で生まれてきました。その挑戦の過程で、涙を流したり、悔しがったり、喜んだり悩んだりと、思考し、試行してきた多くの参加者や企業が、このプログラムに共感を寄せ、価値を感じ、応援してくれる人も段々と増えてきました。すごく温かい気持ちになるし、勇気をいただき、それが次の原動力になる。
見えない何かが生まれていて、動いている。
徐々に、でも確実に広がっている。
泰蔵さんの下記記事で書かれていましたが、共感の渦が広がり、コミュニティが想定外の力を生むと、僕も体感することが多くあります。
参加者がネクストアクションを起こし、そしてそれを報告してくれたり。相談しにきてくれたり。
参加企業の方が、他の企業にも僕らの取り組みを勧めて繋いでくれたり。
CURIO創業初年度にある学校の授業で関わった子達も今年卒業する年になり、保護者でもないのに学校側から卒業式に招待を頂いたり。(こういうの本当に嬉しい。。)
できていないこともたくさんあるけど、生み出せてきたこともたくさん。
やれてきたことに、これからやれることを地道に積み上げていかねばと思うばかりです。
「創る一歩を踏み出す子達が増えていった世界ではどんな景色が見えてくるんだろう。」そこにワクワクしながら、目の前の仕事にも引き続き向かっていきます。
今日17:00〜NHKシブ5時でも10分ほど僕たちの取り組みが特集で放送頂けるとのことなので、放送を楽しみに待ちたいと思います。
※泰造さんと懇親会にて。本当に素敵な方!
▼泰蔵さんの示唆に富んだ記事をいくつかシェア
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