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姉という道しるべ

誕生日が来たら母が亡くなった年齢を越えるのを
姉は怖がっていた
「どう生きていけばいいのかわからない」
「不安で仕方ない…」
そう言う姉を当時のあたしはどこか
他人事のように聞いていた

母がお星様になった当時の姉が
姉がお星様になった年齢の今のあたしが同じ景色同じ苦しみを辿っている
これが悪夢であるのならあたしに子供がいない事が唯一の救いなのかもしれない
ずっと必死に振り向かないように過ごして来た


姉がいなくなった事を認めるのが怖すぎて
目を背けて来た
たまたま人より家族を亡くす事が多かった
時期が早かった
ただそれだけのはずなのに
あたしの心はカタチがわからないぐらいに
周りの大人は悲しむ感情にさえ我慢をさせた


優しい人になるようにと
大好きな担任の先生と同じ名前を母のお腹にいた
あたしに付けてくれたそうですね

あたしのガンがわかった時
大切な妹だから1日でも長く生きて欲しいと
泣きながら伝えてくれましたね

心無い身内からあたしを守ってくれたのも
あなたでした

おねぇちゃん…  人生終わるの早いんよ
体を蝕んで行く病魔に
あなたは弱音も数えるぐらいしか言わなかった
ですね
体に不自由を残してまで生きる意味がわからない
だから これ以上の治療はしない と。

今はただ命日が近づく度
あなたがいた日々の記憶を思い出すのがツライ…
あなたが歩めなかった未来
あたしはどう歩めばいい…?

いつかあなたのように大切な人を守れるぐらい
まっすぐで強い人になりたい
  
いつか乗り越えれる日が来ますように。