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『鬼滅の刃』からジャンプ本誌に入った40女が『僕のヒーローアカデミア』に感じた鬼滅を越えるヒリヒリ感とは

『鬼滅の刃』の最終話が載った週刊少年ジャンプの最終ページ、目次と先生方のコメントがある、あのページ、3人の先生方が吾峠先生に素敵なコメントを贈られておられました。その先生方とは、

映画も好調、今をときめく『約束のネバーランド』の出水ぽすか先生

今もっとも勢いのある『呪術廻戦』の芥見下々先生

そして『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平先生です。

約ネバも呪術廻戦も全巻持っています。どちらも大好きです。ってことは、ヒロアカも私好きなんじゃ…?と思うくらい、お三方の温かいコメントが鬼滅ファン、吾峠先生ファンの私に染み入りました

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『呪術廻戦』でも『鬼滅の刃』でも「悪」と戦う人たちは、表立った存在ではありませんでした。どちらも人知れず戦い、人知れず死んでいくこともある。そんな存在です。

しかし『僕のヒーローアカデミア』において「悪」と戦う人たちは非常に表立っています。戦いは一般人の目の前で行われ、テレビ中継もされます。戦いの後には戦いの様子がメディアで取り上げられます。

そんな表面だけを見ると、鬼滅や呪術廻戦と比べカラッとした世界観を感じます。しかし、そこに流れるものがとても重いのです。



以下『僕のヒーローアカデミア』を本誌最新話までお読みでない方にとって大きなネタバレとなりますのでご注意下さい。コミックスに掲載されていない話の内容を含みます。





『僕のヒーローアカデミア』1巻の1話目で泣き、4話目で号泣しました。なんて話だろう。なんて切ないんだろう。。ひょっとしたら発達障がいを持っているかもしれない私にとって、ヒロアカで描かれる個性、そしてそれを受け入れている社会は目から鱗で、感動しました。

しかし、そこから先がしばらくしんどいのです。堀越先生は多分、ものすごく物語の構成を考えておられるのではないかと思います。300話以上話が進み、ようやく私はスッキリ感を感じることができていますが、そこまでがとてもしんどかったのです。


主人公と著名なNo. 1ヒーローは約束を交わします。主人公はヒーローの能力を受け継ぐ者に選ばれたのです。そしてそのヒーローには秘密もありました。アメリカンコミック的なかっこいいヒーローの姿は表向きの姿。でも、実際は満身創痍のしょぼくれた姿です。この秘密はごく僅かな人達の間では共有されていましたが、社会的には全く知られていません。このことと、先程の後継のこと。この2つの秘密を持ちながら主人公の高校生活と物語が進んでいきます

ここが第一のしんどさです。

まず、鬼滅にも呪術廻戦にもそのような、主人公や主要人物が抱えるような秘密(嘘)はなかったと思います。約ネバには仲間を思うが故の秘密(嘘)はありました。しかし、ヒロアカでは秘密(嘘)を抱えているのが主人公と師匠で、その抱えている間の話数が多い!(笑)

ここが本当にしんどいのですよーー

10巻まで来て、ようやくNo. 1ヒーローの秘密が世に露見します。皆にバレたところで、皆の彼に対する評価は変わりませんでした。めちゃくちゃホッとしたし、感動しました。それと同時に、そこまで嘘を抱えなくてはすることができない「ヒーロー」というものにエゴさも感じました。表面的なことをどれほどまでに大事にしているんだろう、と。

しかし、後継者という秘密(嘘)は続きます。最近になってようやく、主人公は幼馴染にはそれを伝えます。主人公の気持ちを考えると、言えてよかったなと心から思います。ものすごいストレスだったのではないかと思うからです。そして、受け継いだ能力も徐々に皆に開示されていきます。なんというスッキリ感!しかしここまでが長い!!!(くどくて申し訳ありません!)


そして、家族よりもヒーローであることを大切にしていたNo.2ヒーローがいます。この物語に【表面的に】流れるものに「表面的なことを大切にすること」「ヒーローとして存在しないといけないこと」「みんなか自分のどっちかだけを守る」などなどがあります


堀越先生はものすごく考えながら話を進めてこられたのではないかと思います。先生はこれらを肯定などはされておらず、むしろ、読み手がこういう価値観に疑問を感じるようにお描きになられているのでは、と穿っています。


その家族の問題も本誌では少しずつ核心に近づき、ついにNo.2ヒーローとその妻が直接話し合うところまで来ました。妻が自分の気持ちを夫に伝え始めた時、手を叩きそうになりました。よくぞ言ってくれた!ほんとここまでが長かった…!しんどかった…!

社会的にいくら成功していても、年収が億だとか兆だとしても、家庭が上手くいっていなかったら?いくら、みんなのため、社会のためと頑張っていても、自分の家族を放っておいてそれをしているのだとしたら?それらは嘘であり、当人も真の仕合わせを感じられないのではと思っています。

社会に嘘(秘密)をつき続けたヒーローは、その行動だけどうしても間違っていたと私は思います。家族の気持ちよりも強いヒーローであること、強い後継者だけを求めたヒーローもその行動は間違っていたと思います。

その姿は、私のような中年世代、そして私の親世代を想像させます。

そして、何よりも辛いのがそんな風に表面だとかヒーローであることだとかにこだわる「ダメな」大人の代わりに高校生になりたての子ども達が戦わなくてはならないところです。そして犠牲にもなっていきます。

ガンダムでも、ヱヴァンゲリヲンでもそこを辛いと感じました。鬼滅で丁寧に描かれていましたが、子どもは大人の進化系。であるからして、大人にできなかったことを、今を生きる子ども達が乗り越えていくことは自然なことです。しかし、もっと大人でなんとかならんのかー!?というのが親世代の私の思いでもあります。

無論、週刊少年ジャンプは本来、少年少女が読むものです。私の周りでは4、50代の人も読んでいるので思わず中年ジャンプかと思ってしまいますが、実際は子どもの物です。少年ジャンプには少年から青年にジャンプするための大切なことが詰まっていると感じています

なので、子ども視点で考えると、子どもが大人に変わって頑張るというのは子どもにとって胸躍る楽しい話なのかもしれません。実際、子ども達の間でヒロアカは大人気漫画であり大人気アニメです。


『鬼滅の刃』の暗さが私はたまらなく好きなのですが『僕のヒーローアカデミア』にはそれ以上の暗さがあります。鬼滅人気もとても謎ですが、ヒロアカに対しても私は謎を感じています。暗い話が好きな私にはたまらない。けれども、子どもがこれを楽しいと感じるのは何故だろう、と。

鬼滅に関する記事でも書きましたが、それは、子ども達が生きている現代社会がとてつもなく過酷だからではないかと思います。実際、食事もままならない子どももいるかもしれない。親が親の責任を果たしていない家もあるかもしれない。表面的には何不自由なく見えるかもだけど、生きている仕合わせを感じられていないのかもしれない。

漫画の登場人物達は過酷な世界観を生きていますが、しかし、使命があり、仲間もいます。この「使命を果たすこと」「心からの仲間」が子ども達を魅了しているのかもしれません。

『僕のヒーローアカデミア』は佳境に入っており、毎週見逃せないでいます。占星術の世界では、昨年末に約200年続いた地の星座の時代が終わり、今は風の星座の時代が始まっています。

「ヒーローであること」というような肩書きを大事にしていた時代は終わりました。肩書きによってもたらされる名誉も時代遅れとなりました。ヒロアカの主人公達は、新しい「ヒーロー」になっていくのではと思っています。

新しいヒーローとは、嘘なく、見栄を張ることもなく、辛いことは辛いと言え、助けも求め、家族や家庭こそを第一とし、自分とみんな、全員の仕合わせのために自分の持っている力を出していける真に強いヒーローだと思っています。そして、多分、堀越先生はそれを描いてくださるのではと思っています。







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