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知らぬが仏が通用しない情報にまみれた世界でどう幸せに生きるか悩む

あまり活字を読まない私の
今までの人生で印象に残る本ベスト3に、
Lois Lowryの『The Giver』という本がある。

争い、犯罪や悩みに嫌気がさした人間が作った
人々が平穏に暮らしている
未来のユートピアを舞台としているのだが、

物が平等に分配されたり職業が決められるというありそうな社会主義的な世界観かと思いきや、

それだけでなく、
模擬家族を決められ、
色・音楽は争いの元なので存在せず、
人々は薬を飲んで感情さえ抑え込み
一定の年齢になると全員安楽死ということで
寿命も決まっている。

そして、たった一人の選ばれし者
全人類の歴史・記憶・感情などの情報を
引き継がせ、抱えさせ
必要に応じてアドバイスをさせるが、
その選ばれし者は知っていることを
他言してはいけないという仕組み。

主人公はその記憶を受け継ぐ者に選ばれ、
前任者であるGiverから色々と伝えられて…
というストーリー。

なんのこっちゃって感じだと思うが、

ここ最近コロナ明け感が増してきた東京にて、
女子会に何度も参戦するうちに昔読んだこの本のことを久しぶりに思い出して、

今週は、
コロナよりも感染率が高いであろう
情報得すぎパニック症候群』にかかりがちな
悩める現代人たちについて
書きたいなと思ったのだった。

知っている幸せと知らない幸せ

少し前駐妻予備軍として色々調べていたころ、
(※結局、駐妻未遂事件として終了)

元駐妻であった母に
「今はなんでも調べればいいから良いわねぇ」
と言われ、

フル充電のスマホとWi-Fiがあれば
とりあえずのたれ死ぬことはない今の時代
生まれて良かったなぁと思ったりしていた。

私が産まれた時イギリスにいた父は、
生後半年になるまで、
今より圧倒的に画質が悪いであろう写真に写る
静止状態の娘しか見たことがなかったというのは
もはや信じがたいし、

母のことを考えると、
一番大変な時期1秒も子育てをしてない夫
なんて、今の時代だったら確実に、
女子会吊し上げ、Twitter炎上案件

でも、
母は意外とヘラヘラと当時の話をしている。

何故か。


それを考えた時に、
もちろん時代的に子育ては女性がやる価値観や
母の性格などもあったとだろうけど、

きっと知らなかったんだろうなって思った。

夫がいる状態での他の家庭の子育てがどんなものか知らなくって、

夫がおらずワンオペでする子育てが普通だと
受け入れていた、まさにこれぞ
知らない幸せ
(というかワンオペって何って言われた)

人は情報で自爆している気がする

本当に思うのだが、
令和ピーポー達は色々知りすぎている。(誰

いや、でも本気で、
知りすぎて完全に自爆しているとしか思えない。

だって、
イマドキの妊婦は昔より
情報が増えて拡散される様になったせいで、
課される食事制限(刺身、プロセスされてないチーズ、生ハム、カフェインetc)
がどんどん増えているというし、

例えば結婚式一つするにしても、
北海道から沖縄から世界中の花嫁準備事情
分かるような世の中だし、

例えば子育てでいうと、
先日知ったのだが某有名塾中学受験させるには小学校1年生から入れないと席を確保できないとか、〇〇式教育法が良いとか、ここのインターが良いとか、そゆ話が溢れているらしいし、

子供がいない私でも
何故かそういうことを知っているし、

就活、婚活、妊活、保活、
なんでもかんでも「〇活」と名付けられる
アクティビティの中の大半に
情報収集が含まれていて、

友人からの口コミだけでなく、
ちょっと調べれば知らなくても良い、
この世のどこかに存在する
一生接触することのない誰かさんから発信された情報にも影響されて、

ライフイベントを
乗り越えても乗り越えてもやってくる
情報得すぎパニック症候群

他人と比べて自己嫌悪に陥ったり、
起きてもない未来無駄に不安になったり、
体験していない事柄にも想像怒りしたり、

こりゃ、やってらんないわけだ。

どうすればいいのか

そんなことを考えながら、
友人達の話を聞いていたもんだから
冒頭の『The Giver』を思い出した。

いつか、情報得すぎパニック症候群で
脳みそキャパオーバーで爆発した人類が、

本当に何の差もない、
感情さえも均一で一定な世の中にしようなんて
考えに至るんじゃないかとか、

令和ピーポー達、
全人類の情報や感情を一手に引き受けて
もがき苦しむGiverほぼ変わらないじゃん
とか。

まぁSFファンタジーなわけですが、
結構怖いなって。


知りたくない情報を遮断すれば良いって話なのかもしれないけれど、

これから先それって、
そんな単純に出来ることでもなくなる
のではないだろうか。



一体どうすればいいのでしょうね。


一生懸命インテリジェンスな答え考えたけど、

なんだ大したことなかったわ」って
思わせてくれるような
信用出来る人達顔を見ながらじっくり話して、

どの情報を採用しようかって、
どうすれば良いんだろうって
一緒に考えていくことっていう、
月並みな答えしか出てこない。


仕組みとかよく分からないけど、
メタバースとか流行ってきて、
こういうのさえ消滅したらやだな。

そうならないことを切に願う。

そんな、今日このごろなのでした。

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