さまよったスクラムマスターの奮闘記
はじめに
こちらはQiita x 日本CTO協会共催!あなたの自己変革について語ろう! Advent Calendar 2022 24日目の記事になります。23日目は
@ryuucham7の「両利きのCTO」でした。CTO協会からの前の記事も是非読んでみて下さい〜
今夜はクリスマス・イヴであり、特にクリスチャンの方々はイエスの誕生日を迎えて家族とお祝いすることが多い。(日本でなぜかカップルのお祝いになったか本当に不思議に思いますw)今日もなんと!我が家のベンガル猫ちゃん『Tiramisu』の誕生日なので、倍ぐらい特別な日と思ってこの日を選びました😸
それでは、本題に。この記事は日本CTO協会が掲げるバリューの中、「Fail Fast, Learn Fast / 早く失敗し、早く学ぶ」をテーマに書きます。
ご参考まで、日本CTO協会の4つのバリューは以下のようなものです。
素人スクラムマスターのFail Fast, Learn Fast冒険
今年の7月からスクラムマスターとしてデビューしました。このきっかけで、アジャイルとスクラムのことをますます勉強して、そして知れれば知るほど、どれだけ深いのかを理解するようになりました。特にアジャイルマインドセットの「小さく失敗すること」という考え方、そして失敗に対するポシティブな姿勢は自分にとって興味深いことだ。素人である私に心強さと希望を与えています!(前の記事でこれに関して具体的に語りました)
デビューしてから約5か月経ちましたが、なんと失敗だらけでした。でも同時に学びも多かった。この記事でスクラムマスターとしてやらかしたこと、同時にその「失敗」から得られた教訓と知恵を共有します。
背景
失敗談の前に、まずは担当チームの背景を説明した方がいいと思います。自分の状況はどれだけ特殊で複雑なのかを理解してもらって、皆さんから同情を得るために😆
チーム体制は上記図通り。チームは、コンポーネントチーム構成になっています。これは悪いのかを言っていませんが、この構成では自然にクロスファンクショナルチームにならないのが事実です。クロスファンクショナルチームになるためにはハードルが高いため、従来通りのアジャイル ・スクラムをやるのが難しい。(出来ないわけではないが、それなりのハードルがある)
更に、私が所属しているDXコンサルティングチームは担当チームの「外枠」になっています。内部の人間ですが、チームにとって外部的な存在です。
苦労して何度も失敗した末に、自分の状況はどれだけチャレンジングなのかはやっと腹に落ちました。(あまり実践経験がないため、実感するまで少々時間がかかった) だから失敗するなんて当然だと分かりました。
具体的なエピソードをこれから共有します。
失敗 #1: チームとの立ち位置と期待を聞かないまま走ってきた
担当チームが約8ヵ月間走っている途中でスクラムマスターとして入りました。細かいスクラムイベントのファシリテーションに関して引き継がれたけど、権限委譲は曖昧のままだったことは後で分りました。
チームにとって自分の立ち位置、自分への期待は一体なんなのかは最初からはっきりしていなかったが、仕方ないと思って、モヤモヤしながら頑張って進もうとした。結果として、どうやってチームと歩み合うのか、どこまで踏んでいいか任せていいのかはお互い不明のままだった。
本などで書かれている一般的な「スクラムマスター」の役割の定義があっても、前任者にとってはっきりしたとしても、後任者である私はチームと直接話し合わないといけないことを学んだ。深く入る前にプロダクトマネージャーとプロダクトオーナー、そしてチームと話すべきだった。(最近やっとこの認識合わせをすることが出来て本当にいいことです)
失敗 #2: チームを支援する立場なのに批評家になった
スクラムマスター になってからまもない頃の出来事ですが、チームの状況と課題を探検していた時期に、当然ながら初めてやったスクラムのチームなので次々と課題を発見しました。でも残念ながら「共感」という視点からではなくて、まるでチームの一員ではない批評家の視点で課題を見てしまいました。「なんでこれさえ出来ていないの?」とかを思ってしまって、担当チームは今までスクラムをやったことないことを完全に忘れました。自分もまだ素人なのに!
その後、上司とアジャイルコーチもそれを気づいて、私にこう言われた。
「今までスクラムをやったことないチームに高いレベルのスクラムを求めるなんて不公平だよ」って。
自分のプライドに気付かせ、目が覚めた。チームに何も言わず済んだけど、心の中からチームに謝っていた。
課題を見つかるのが非常に簡単なことだ。実践経験があまりない素人でも簡単に出来る。でも本当の成長の兆しは、課題を把握しながらどれだけ相手のことを理解して共感出来るのか、ということだ改めて分かった。共感する上、どうやってチームをよりサポート出来るのかを注意深く考える、ということも。
批評家になってしまった自分に悔しく思いつつ、大好きなブレネー・ブラウン博士のトークから聞いた名言も思い出しました。
スクラムマスターは競技場に自分の足で立ちべし!
失敗#3: 全体像を失って、目的を失ったスクラムモンスターになった
スクラムマスターの道を歩み始めた当初は、うまく進むためには深いところに入る前に全体像を把握する必要だと分かりました。最初は戦略・作戦と段取りを立ててから進んでいたが、いつの間にか課題解決に集中してしまって、追われている課題と目の前にいることしか見えなくなった。
この状態に陥ってしまうと、問題の根本原因と一番適切な解決策は考えられなくなるので、見える問題を対処しようとしてもほぼ一時しのぎの解決策にすぎません。自分自身は目的を失ったので、当然ながらチームをうまく指導することは出来ませんでした。手助けよりも、やってしまった半分以上は事態を悪化させたのかもしれない。だからスクラムマスター よりもスクラムモンスターの方がふさわしいかもしれない
チームの状況が悪化したおかげで、課題は組織のマネージメント層にエスカレートされたので課題は表面化されました。結果として、マネージメント層と現場と一緒に色々と議論出来ました。チームでアジャイルを推進するWGも立ち上げられました。
本当に失敗の中の希望の兆しでした。
失敗 #4: 理解してくれる相手がいない、一人で闘っている、という嘘を信じてしまって希望が奪われた
10月からの組織変更に伴って、頼っていた何人の仲間達がチームからいなくなりました。チームに入った時からもかなり迷ったけど、その後はさらに迷ってしまいました。かなり痛かった。
助けが必要だったけど、具体的に何が困っているかどうして欲しいのかはどう伝えればいいか分からなかった。頑張って伝えてみたけど、結局話した相手に誤解されたままで会話は終わってしまいました。それまでのフラストレーションとの重ねで、助けれる人を探すのがめんどくさく思って、理解してもらうことをあきらめて、一人で闘うしかないと思ってしまった。無意識的に。
気づいたら、ほぼ沈んでいる状態だった。落ち込んで神様に助けを祈るさえ出来なかったけど、私に救いの手を差し伸べた。思ったより仲間がいること、思ったより理解してくれて見てくれている人がいることまで見せた。本当にありがたいこと。
この経験を通して、無意識的に考えていること、特に後ろ向きな想いの危険性を痛感しました。後ろ向きな想いと嘘を「事実」として認めた時に、自分を支配する縛りになり、希望を奪う要因になります。そして気付いていなければ、更に危険です。気付いていないと、想いの整理すら出来ないので、視野はどんどん狭くなり、「嘘」を信じてしまったことを気付かず、闘うこともできない。
聖書に書いてあるソロモン王からの格言を思い出します。
今回は油断して自分の心を守れなかった😭
でもまた次のスプリントにリベンジすればいいと思います!😁💪
おわりに
「Failure is only failure if we don't learn from the new thing we tried」とDrivemodeのAll Hands会議でうちのCOOから聞いた言葉でした。松下幸之助も同じようなことを言っていた:「失敗したところでやめてしまうから失敗になる」。失敗は失敗で終わらせない限り、学びに変えれば失敗のままになりません。
初スクラムマスターの経験は失敗だらけでしたが、得られた知恵と学びはその倍ぐらいでした。失敗(試練)の経験からこそ人格は磨かれていると信じる。信じるよりも、もう経験した(している)。Thank God for trials and failures!笑
最後に、クリスマスと新年に向けてNeil Gaimanからの大好きな名言を共有して終わります。
Fail Fast, Learn Fastをし続けましょう!
Merry Christmas and advanced Happy New Year!! 🎄⛪️🎊
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