虚の私へ
中学・高校くらいの時に描いていた絵を、ふと思い出した。
全部実家に置いてきたので、はっきり覚えているわけではないのだけど、よく描いてたなと思う絵がある。
漫画『BLEACH』には虚(ホロウ)と呼ばれる霊というか、怪物みたいな悪霊(敵になることもある)がいるのだけど、その虚(ホロウ)みたいに胸にポッカリ穴が空いた人物たちの絵だ。
穴を隠そうとして、手で胸を押さえていたり、俯いていたり。うずくまっていたり。胸に巨大なトゲが突き刺さり、背中まで貫通した絵もあった。
時代的に『BLEACH』が発売されたり、読む前の話なので、『BLEACH』の影響は受けてない。
有り体に言えば、病んだ思春期あるあるなのかもしれないけど、客観的に健康な絵ではない。
私の描く漫画絵の人物たちの顔は無表情が多く、口はいつもへの字。
苦しくて苦しくて、描かなきゃいられず、同じようなものばかり描いていた記憶がある。
今思うのは、思春期とはいえ、子供時代なのに安らぎがなかったということ。
あんなに殺伐とした生活の中で、よく生き残ったなあと思う。
そんな自分に、ありがとうって、今は思う。
どうしようもなく埋められないポッカリした寂しさや、虚しさを、耐え抜いて生きてくれて、ありがとう、と。
あの時の何かが違えばきっと、今私は生きていない。
胸に穴が空いた人たち。
私の代わりに、痛みを引き受けてくれていたのかもしれない。
あの時は、そういう絵を毎日描き、今よりもっと暗い物語を書きなぐることで、生き凌いでいたのだろうな。
1年位前に読んだ実用書で、「答え合わせはまだ先」という言葉を胸に生きているという人の本に出会った。
今がどんなに辛くて、苦しくて、もう答えなんて「詰んだ」しかないと思っても、まだまだ人生は続き、その答えはすぐには出ないのだ、というような意味。
ふと忘れた頃に思い出して、あの時の苦しさは、今のここに繋がってたんだなと思う日が来る。
あの殺伐とした日々は、今だって、どう考えても報われないけど、なんであれ、生き抜いて、耐え抜いたあなたは強いよと褒めてあげたい。弱くて、情けない自分が、あなたは大嫌いだったけど、そんなことはなかったよ。
その後の病気にも耐えて、今もあなたは私になって生きてる。
ありがとう。
今を生きてる私は、あの時のあなたが誇らしい。
頑張ったねも、よくやったねも言いたくない。そんな簡単な「おつかれさん」みたいなことで流せるような時間ではなかったから。
あなたがいて、私は生きてる。ただ、そのことに感謝。ありがとう。
あの時「答え合わせ」をしなくてよかった。
たとえ「あの時間の答え」なんてなくても、今を生きる私はもう大丈夫。
【今日の英作文】
この状況の下で海外旅行へ行くのは危険かもしれない。
Under the circumstances, it might be dangerous to go on a trip overseas.
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