踵と失礼なミラクル
月曜日の朝、起きたら右足の踵が痛かった。
ぶつけた記憶もないし、毒虫にでも刺されたかなあと思った。
腫れてもないし、赤くなっている様子もない。
変だな、なんだろうな。まあそのうちなにか反応か炎症が起きれば、正体が分かるだろうと思った。
モヤモヤしつつ、仕事へ行く。
火曜日、水曜日2日過ごしてみて、痛みは増すばかりで、治る気配はない。
腫れてもこないし、虫刺されっぽいあともない。外見はまったく普通の足だ。赤みもない。
水曜日の仕事帰り、あまりに痛くて、正体不明さにもびびって(骨にヒビが入っていたりしたらどうしよう的な)、外科に行った。
またもやミラクルに遭遇した。
診察順は、診察券を入れた順らしい。
前に出会うときは、ミラクルみたいというような記事(うろ覚え)でも書いたように、私の苗字は珍しくもないし、難読でもないし、ありふれているのに、同じ苗字の人に出会うことが滅多になく、なのに出会う時はなんだかびっくりな時が多いという話だ。
なんと私の次に診察券を入れた人は、同じ苗字のおばさんだったらしい。
診察時間になって
「森さん(本名ではありません)、どうぞ」
看護師さんに言われて、おばさんも私も腰をあげる。
あれ?
診察券を出した時、初めて行くところだったので、早めに行った。診察順は私が1番だった。1番の番号札も持っている。
私が先らしい、よね?
と思って診察室に入る。
レントゲンを撮ってもらい、また診察待ちに入る。
「森さん、どうぞ」
また同時に腰をあげるおばさんと私。
さっき呼ばれたから、今度はおばさんが先なのかなと思って、私は腰を下ろす。
診察室の中から医師の「ちょっとー、この森さんじゃないよ」という声が聞こえた。本当は私の方が呼ばれた模様。
おばさんは、診察室に入ってしまったし、仕方がないのでカルテを入れ替えて、おばさんの方の「森さん」を診察することにしたらしい。
森さんがふたりいて、順番が続くなんて、こんなん初めてだ。
「ごめんなさいね、森さんが二人いたものだから……」
名前も呼べば、勘違いや順番の狂いもなかっただろうに、苗字だけしか呼ばない習慣の病院らしい。
面倒面白いできごとだった。
まあ、森さんにしてみれば、「こっちじゃないよ」なんて、失礼な話なんだけど。
右足の踵は、ひびも入らず、欠けてもなかった。健康な足。
なんで痛いのかしらね?
と首をかしげてもらって、痛み止めと湿布薬をもらう。
昨日は、効果抜群の痛み止めと湿布のおかげで、だいぶ痛みがなく過ごせた。
一日立ちっぱなしだから、足が痛いのはかなわない。やれやれ。
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