ポケモンの名前
私が小学校の頃(今のお子さんもそうなのかな)、呪文が大流行した。
ラピュタのシータがロボットを呼ぶ時の呪文とか(おばあさんがおまじないだよって教えてくれて、塔に囚われてる時に何となく口ずさんだら、本当にロボットの助けが来るやつ)(「バルス」ではない方)、「ポケモン言えるかな?」の歌とか。
ラピュタの呪文の方も熱を入れたけど、「ポケモン言えるかな?」の歌の方が、長いし、覚えがいがあって、記憶に残っている。
たぶん、今でも歌詞を見れば言えるんじゃないかと思う。それくらい熱心だった。
クラスの誰が始めたのか分からない。でもCDを買ってもらったとかで、歌詞(ポケモンの名前の羅列)を紙に書き写して(当時は紙に手書きで書き写すという原始的な方法しかない)、みんなに配り、誰が上手く全部覚えて言えるか、歌えるかの競い合いをしたことを覚えている。私もそのおこぼれにあやかった。
考えてみるとすごい歌だ。151匹のポケモンの名前が延々と並ぶだけの歌。
「ピカチュウ カイリュー ヤドラン ピジョン……」
家でも練習して、夏休みに祖父母の家でもやっていたら、祖母が目を回して、この子は頭は大丈夫か、みたいなことを言った記憶がある。
今では笑える話だけど、「この楽しい歌を理解できないなんて、なんて大人はつまらないんだ!」と思った。
考えてみれば、そもそもポケモンをピカチュウしか知らない大人が、151匹もポケモンがいるなんて知らないだろうし、それが呪文のような歌になって孫が一生懸命唱えているなんて、分かるはずもない。
子供が熱中するものって、大概大人の知らないものが多かった。多分今もそう。
昔は主なメディアはテレビだけだから、大人もその気になれば見ることができるけど、今はネットやSNSの時代だから、その選択肢はもっと広がって、子供が何が好きか、大人も追いかけるの大変だろうなと思う。
最近、私も自分がつまんない大人の1人になってしまったなと感じる。
ついに『鬼滅の刃』も見ないまま流行がすぎて、社会現象になった「紅蓮華」や「炎」をちゃんと聞くこともなかった。
自分が興味のあることだけにのめり込んで、それで済んでしまうのは、今の世の中のせいなのか、私が単なる不精なせいなのか。
いつかどこかの成人式で、市長がSEKAI NO OWARIの「RPG」を歌って、テレビのニュースになった。あの人のことをユニークだと思って、若者に媚び売ってる、なんて思ったけど、今はあのお年にして、若者向けの歌を式典でうたう市長って、すごいなと素直に思う。
新しいもの、みんなが楽しいと思うものを、敏感に察知して、発掘し、自分も楽しみ、世界を広げる。
何となく「ポケモン言えるかな?」を思い出して、流行おくれの自分を考えた、朝。
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