大事な傘
オシャレな傘に憧れて、奮発して買ったことがある。
もう10年くらい前になるので、正確な値段は忘れてしまったけど、500円から1000円の傘を普段に使っていて、その3倍かそれ以上の値段だったはず。
マルイの1階で買ったオシャレで高級な傘。
綺麗な空色で、黒色の持ち手、柄は長くて、華奢な作り。10年経った今見ても、古びたデザインにならない。
今、その傘がどこにあるかというと、クローゼットの中で、傘用の袋に入って、うん年静かにぶら下がっている。
もったいない。
傘は使ってこその傘。
クローゼットにしまわれて、うん年も待機中なんてかわいそうだ。
確かにそう思う。
でも、飾る(飾ってもないけど)時間が長ければ長いほど、使うのが何となく躊躇われる。
置き忘れたらどうしよう。
強風で壊したら悲しい。
500円、1000円の傘で間に合っているのだから、今はそれを使っておいて、この傘が壊れたら、あの傘を使おう。。。
何度となく使う決意をするけど、使う勇気がでない。
宝の持ち腐れ、という言葉がチラチラする。ネオンのようにパカパカ点灯する。もしかしたら、信号機のように赤一色のライトがピカーと輝いているかも。
大事な傘には、季節の変わり目で衣替えをする度に、お目にかかるけど、いつも敬遠してしまう。
今年の梅雨こそ使おうかな。
また決意がぶれるかもしれないけども。
大事にしまってあるものは、大概大事すぎて使えない。使うために買ったのに、なんとも矛盾だらけ。
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