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好きな時間

色鉛筆でぬり絵をしていると、当たり前だけど、鉛筆の先が丸くなってくるので、削らなくてはならない。

ぬり絵ブームがやって来て以来、鉛筆削り機もまた、ブームのようにあちこちで高いものから安いものまで売っている。

SNSでどの鉛筆削り機が、1番良いかという話で盛り上がっているのも見かけた。

小学生のころ学校で使う鉛筆は、よくあるハンドルをグルグルして削る、古式ゆかしい鉛筆削り機を使っていた。

でも、色鉛筆はその鉛筆削り機では削らない。小さな手持ちサイズの鉛筆をくるくる回して削るのも使わない。カッターナイフで削る。

それは、カッターナイフでの鉛筆削りが得意だから! ……と言えたらいいんだけども、残念ながら違う。

最初は、鉛筆削り機を買うのがもったいなかったから。意外とお高いのですよ。すぐ思ったように削れなくなる(らしい)のに。

カッターナイフで削る時間が好きだからというのが、今の理由。それなりに何本も削ってきただけ、少しは上達したけど、今でもあんまり鉛筆削りは、上手ではない。得意でもない。

削って鉛筆の先を尖らせていくにつれ、慎重に息をしていくような、静かな時間が好き。

時々、思いあまって、せっかく尖らせたのを、ぽきっとさせることもあり、自分にがっかりもする。

でも、使った分だけ、使い勝手のいいように、自分好みの削り具合を作ることができるのは、カッターナイフならでは。

鉛筆削り機は、みんな同じようにさっさと削れる。画一的に、効率よく。

私は鉛筆削りを含めたぬり絵時間が好きなので、今日は塗る日、今日は削る日、でいいと思っている。

手仕事の良さ云々をすると、複雑になっていくので、ここまでとする。

楽しみな時間を、自分からわざわざ増やしていくのも、一興。

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