親が嘘つきだと思った瞬間
「かいかいしき」
というものがある。
まだ漢字や意味を複雑に考えられない、言葉を知らないくらい幼い頃。
「オリンピック」というのがあって、テレビでも「かいかいしき」というものが盛大に行われると言っている。
かいかいしき。
なんか面白い響き。
私「かいかいしきって何?」
父上「うさぎ(私のこと)がかゆかゆーってあちこちひっかくでしょ。みんなでかいかいかいーってやる集まりのことだよ」(まじめ)
私は小さい頃からアトピーで、あちこち痒かった。
「かいたらダメだよ」と言われ続け続けて来たので、真面目くさった顔で父上に言われ、そんな大変な集まりなんだ!!!と素直に思った。
自分と同じように痒さに苦しむ人たちが集まるのが、「かいかいしき」。。。
小さい頃なので、肝心な「かいかいしき」をテレビで見ることもなく、見ても父上が言った「かいかいしき」だとは思わなかったのだろう。かなり大きくなって、再び「オリンピック」の「かいかいしき」の言葉を聞いたとき、父上の言葉をふと思い出した。
「かいかいしき」って、「開会式」じゃん。と。
親は嘘つきだ!
誰も痒くて苦しんでないし、そんな悲しい集まりじゃないやん!
かゆかゆーってみんなでかいかいする集まり。
なんだその逆に滑稽なやつ!
父上のユーモアというのか、イタズラ心というのか、なんでも信じやすい私の性格というのか、全部なのか分からないけど、なにかが非常に問題だ。
あまりに小さい頃の記憶なので、定かでないのが心配でたまらないけど、知ったかぶりして、「かいかいしきっていうのは、みんなでかいかいする集まりのことなんだよ!」と誰かに言ってないか不安だ。恥ずかしすぎる。
私に言われた側の子が「なにそれ」とか「嘘だよ」とか教えてくれた記憶がないので、私が言わなかったのか、その子に流されたのか。どちらにせよ、父上のユーモアが独創的すぎて、泣きそうだ。大丈夫だろうか、私。。。
親は時々とんでもない嘘(?)をつく。全然「嘘」とも思ってないような気もするけど、小さな子供にとって親の言葉は絶対だ。本当にとんでもない!
ここまで書いて、そう言えば思い出したことがある。
私が小さい頃、父上は「きれいにしよう(掃除をしよう)(片付けをしよう)」というのを、「きれいきれいしましょう」と私に言っていたらしい。
それがすっかり口癖になっていたらしく、職場で「これをきれいきれいしましょうね」とうっかり言ってしまい、相手に「大丈夫ですか?」と言われたというエピソードを聞いたことがあるのを思い出した。顔から火が出るほど恥ずかしかったらしい。
はっはっはー!
ちょっと溜飲が下がった。
人生色々あります。ふふふ。
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