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トップガン・マーヴェリックを観てマッハ10を超えろ

お前は映画「トップガン・マーヴェリック」観たか?
観ていないのなら今すぐ最寄りの劇場で上映スケジュールを調べ、観に行け。
迷っている場合じゃない。考えるな。行動しろ。

…まだ観に行くかどうか迷っているやつがいるのか。
仕方がないので、ひよっこのお前たちの背中をこの記事で押してやることにする。
ネタバレにはまあまあ配慮するが、各自自衛しろ。
おれはお前のママではない。インターネットの荒野で観てない映画の情報収集をするならそれくらいはやれ。

この映画は大昔の大ヒット映画「トップガン」の続編だ。
前作を知っていると熱いが、今作の熱量はそれ抜きでも大層な者なのでみてなくても良い。

「トップガン」と「マーヴェリック」

主人公がマーヴェリックだ。そういうあだ名だ。
コールサインとかTACネームとか面倒なので、あだ名だと思えば良い。
パイロットはみんなあだ名を持っている。かっこいいからだ。
そしてベテランの主人公が海軍のエリートパイロットのための学校を卒業したエリート若造を鍛え上げるのが主なストーリーだ。
この学校の名前が「トップガン」だ。
あんまり軍事に興味ないやつはなぜ空軍じゃないのかと思うかもしれないが、海軍の船に乗せてる飛行機は海軍のものなので自前でパイロットも持っているんだ。
この映画は海軍しか出てこないのでその辺をあまり気にする必要はない。

前作の話をざっくりしよう。
完全にネタバレだぞ。いいか。

前作「トップガン」のざっくりした内容

調子こき天才パイロットやろうのマーヴェリックは、相棒(二人乗りだ)のグースと一緒にトップガンで訓練をしていたら、訓練中の事故で相棒は死んで、超凹んだけど立ち直って超強いパイロットになったし、ライバルのアイスマン君とも仲良くなった。
以上。

まあ大体こんなもんだ。
これだけ知っていれば最低限続編についていける。

今作のあらすじ

さて今作では若造だったマーヴェリックも歳を取った。
そろそろ引退を考える頃だが、飛行機ばかなのでずっとパイロットをやっている。
そんな馬鹿野郎に新しい任務が与えられた。
エースコンバットみたいな任務をやらせるために若僧を鍛えるという任務だ。

この任務は完全にエースコンバットのやつで、狭い谷間を戦闘機でジグザグ進めとか、一定高度を超えるとミサイル死とか、制限時間オーバー死とか、小さいターゲットに爆弾当てろとか、装備の関係で最新鋭戦闘機はダメとか、エースコンバットで製作者を罵りながらやるようなやつだ。

難易度がおかしいので、案の定、若造の訓練は進まない。
しかも若造の中には前作で死んだ相棒の息子がいてすげーギクシャクするし、もーどうなちゃうの!?

と言うのが大筋のストーリーラインだが、お前らが本当に聞きたいことはわかっている。

「飛行機バトルはどうなの?」

「戦闘機がポスターにいるけど、実際は人間ドラマとか、ラブとか、ワンチャンばっかりで戦闘機は活躍するの?劇場版パトレイバーみたいなんじゃないの?」
その不安は杞憂だとはっきり申し上げておこう。
最初っから最後までこの映画は飛行機だ。戦闘機が飛び、戦闘機が戦う。見えない相手にミサイルを撃ち込む目視外戦闘じゃない。相手の顔が見える距離でのドッグファイトだ。
トム・クルーズは半端をしない。安心しろ。

ちょっとミリタリーに詳しいやつのために補足すると、メイン機のF/A-18E/F以外の戦闘機も登場して、それぞれかっこいい姿を披露してくれる。詳細は自分の目で確かめてくれ。かっこいいぞ。

話は戻るが、空戦だけじゃなく、ドラマ部分ももちろん素晴らしい。
トム・クルーズはその若さと老いを絶妙に切り替えて、巧みな演技を見せてくれるし、何よりこの男はいつまで経っても魅力的だ。
トム・クルーズが笑顔を見せれば観客も笑顔になるし、トム・クルーズが辛い顔をすれば観客も辛い気持ちになる。大した役者だ。本当に。

この映画の本質:マッハ10を超えるということ

この映画の本質を伝えるために序盤のエピソードを紹介したい。
本筋には関係ない部分だが、未見で知りたくないと言うやつはここで読むのをやめて映画館へ行け。行動しろ。

良いか?

序盤、マーヴェリックはテストパイロットをしている。
マッハ10を目標とした飛行機開発プロジェクトだ。
だが、突然開発は打ち切り。結果が出ないから無人機へ予算を回すと言う。
それを聞いたマーヴェリックは、一緒に開発してきた仲間のために、テスト飛行を強行する。
マッハ10に到達し、大喜びする仲間たち。苦い顔をする上司。
だが、マーヴェリックは止まらない。もっと速く。マッハ10よりも速く。
仲間ですら絶句する中、マーヴェリックはマッハ10を超えて見せた。機体が限界を超えるまで加速し続けた。
もう無人機の時代だ。パイロットの時代は終わるんだと言われても、マーヴェリックは「そうかもしれないが、今日じゃない」と嘯いて、マッハ10を超えたのだ。

この映画は、そう言う映画だ。
おれたちが十分満足する程度の続編では止まらない。
その先を、マーヴェリック/トム・クルーズは見せてくれる。

そしてきっと、これは映画の話だ。
CG技術は進化した。スクリーン上映より配信サービスを優先する映画も増えた。
それでもトム・クルーズは実際に飛行機を飛ばして映画を作り、劇場での上映に拘った。
いつかこんな映画作りが終わり、映画館が終わる日が来るのだとしても、それは今日じゃない。
「トップガン・マーヴェリック」がその証拠だ。
こんなおもしろい、マッハ10を超えるような映画を、映画館のスクリーンと音響で観る体験が、何よりの証拠なのだ。

一人の映画ファンとして、トム・クルーズに感謝を。

そしてどうか、この時代を生きる幸運なあなたがマッハ10の先を体験してくれることを祈っている。
きっと自宅のモニタでは、マッハ10を超えられないだろうから。


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