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午後からでも美術館3つ行けたin東京ーArtとTalk 56.ー


こんにちは、宇佐江です。
お休みの日、皆さんは予定通りに起きられますか?

「ああ、今日は早めに起きて美術館とか色々行きたかったのに遅起きしてしまった……!」とベッドで後悔する日もありますよね。
でも大丈夫。

午後からでも美術館はあなたを待っています。
例えば、こんなコースはいかがでしょう?



(書かれた情報は2025年1月現在のものです。内容は公式とは一切関係なく、宇佐江みつこ個人の体験による感想ですのでご了承ください。
本文はエッセイ形式でお送りします。)


①12:45~/弥生美術館・竹久夢二美術館

ポスターにしびれる~。


ハシゴ旅で千葉に泊まった翌日。通勤ラッシュの移動を避けて、午後から東京の美術館を巡った。

千葉駅を11:30頃出発し、空いている各駅に乗って御茶ノ水へ。そこから千代田線に乗り換え根津駅に到着。
以前、根津美術館に行った時は最寄が表参道だったから、このあたりは初めて歩く。道が極端に狭く、ガロのメロディが流れてきそうなほどレトロな景色。
徒歩数分で、弥生美術館と竹久夢二美術館に到着した。

右側の白い建物が竹久夢二美術館

ふたつの建物は中で繋がっていて今回は弥生美術館の企画を観てから、隣の夢二美術館へ移動した。名古屋の人にしか通じない例えだが、栄のスカイルとNOVAビルみたいなワープ感である。

企画展は「上條淳士展 LIVE」。
高校生の頃、当時友人Rとはまっていたインディーズバンドのボーカルが「好きな漫画」として挙げていた上條淳士さんの『To-y』。それを地元のブックオフで偶然見つけて、
「ねえ!〇〇さんが言ってたのこれじゃない!?」
とRとはしゃいだ。
自分たちが生まれた頃に連載していた漫画である。立ち読みでぱらぱらめくっただけで、スタイリッシュでクールな作品世界に「おとな~」って感じがすごくして、どきどきしながら読んだ。
展示を観ながらその時の青くさい感覚をリアルに思い出した。

それにしても、やっぱりアナログの漫画原稿っていいな~。
つけペンの線の凛とした感じと、スクリーントーンにしか出せない味わい。
コンパクトな会場だからこそ没入して鑑賞できた。

昼食休憩
敷地内にある「夢二カフェ 港や」


②15:45~/渋谷区松濤美術館

看板を引き立てる美しき壁

弥生&夢二美術館から乗り継ぎ含め、1時間弱。渋谷駅からも行けるが、雑踏が苦手なのでなるべく通らず済むよう神泉駅で降りて歩く私の地味なこだわり。
大好きな松濤美術館。平日の夕方にしては人が多いなと思ったら、毎週金曜日は渋谷区民は入館無料なのだそう!(ちょうどその日だった。)

企画展は「須田悦弘」。チラシやポスターを見るだけで「ハッ」としてしまう不思議な魅力があり、ジャンルを問わずまわりの美術ファンからも注目度が高い。先日も、20年近く前の須田悦弘展のビジュアルを目にする機会があったのだけれど、全然古臭くなくてすごい……!と感動した。

本物と見まごうほど繊細な、小さな植物などの木彫作品がメイン。目録に記載された番号を見、展示室のどこかに紛れている作品を探しながら観る。机の上の作品に注目していたらこっそり机の下の床部分にも作品があった!という発見もあって、楽しい。
個人的にびっくりする再会もあった。
須田さんが過去に携わった商品イラストを展示しているコーナーで、なんか見覚えがある……と気になったりんごの絵。思い出した時、心の中で「ああーっ!!」っとなった。
青森のハシゴ旅(2024年5月6日記事参照)でみた、弘前のNIKKAシードルの瓶!そのパッケージで使われていたりんご、パッと見写真と思っていたが実は細密画の、須田さんが描いた絵だったのだ。
その原画が今、私の目の前に……。
今度ラベルじっくり見るために、買おう。NIKKAシードル。


③17:50~/三菱一号館美術館

夜もお美しい。

一般的に美術館は17~18時で閉まることが多いなか、曜日によってはナイター営業している施設もあるのが、大都会・東京のありがたいところ。
この日は金曜、三菱一号館美術館が20時まで開いている日。

企画展は「再開館記念『不在』ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。
2023年4月から設備メンテナンスのため休館していた三菱一号館美術館が24年11月に再開し、その最初の展示となったのがこちら。展示室自体は大きく変わったところはなさそうに思ったが、最後、出口の手前に小企画展用の部屋が新たに出来ていた。三菱一号館美術館はその建物の中にいるだけでもいつもテンションが上がるが、この小部屋でコレクションが観られるとなり、さらに満足度が上がりそう。

個人的には東京にあまり憧れはないが、三菱一号館美術館周辺の雰囲気が放つ独特のキラキラ感は、確かに、憧れるのも納得な気が訪れるたびにする。
そして歩いて数分で辿りく、東京駅の美しさ。

この眺めを見納めてから地元へ帰りたいがために、美術館巡りの最終目的地を三菱一号館にすることが多いのが私の、もうひとつの地味なこだわりである。


地方民の憧れ


(写真/©宇佐江みつこ)



今週もお読みいただきありがとうございました。正確には、「美術館4つ」なのですが、弥生&夢二は移動距離ゼロなのでタイトル的にズルになる気がしたので「3」とまとめさせていただきました。
ご紹介した企画展もまだ開催中のものもありますので、ご興味のある方は下記の公式HPで日程をご確認ください。

◆次回予告◆
(短編エッセイ)『休みも休み休み。/失くした1/2』

それではまた、次の月曜に。


*ネコ似顔絵会、お陰様で予約が埋まってきています。空席状況はこちら↓

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*東京の美術館巡り。その他の記事はこちら↓

*全国の美術館をハシゴする旅はこちら↓


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