ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 を観てきた。
結構前に。ネタバレ感想です。
感想がムズい映画。今までのガーディアンズオブギャラクシーもむずかったけど、今回は特にムズい。
いろんなことが同時に起きすぎていて、処理しきれないような感じだった。
主題としてはロケットの過去なんだけど、他のマーベル作品ともつながる神とかあの世とかの話も出てくるし、ガーディアンズのメンバーはごっそり入れ替わるようだし、いよいよディズニー+に入らないと追い切れないところもいろいろ出てきていそうだし。
何回か観ないと何が起きてるかわかんないような映画だったと思う。
重力を置き去りにして天高く自由に突き進むロケット、そういう自分でありたいと願った後天的な部分と、元はアライグマだったのだという自分のオリジンの部分とをどのように統合していくかみたいな、アイデンティティの話題を扱っているようにも見える。
もしくは、自由を奪われた状況から自分だけが生き延びてしまったことへの罪悪感をどう受け止めていくかという物語かもしれない。
あるいは、動物と人間という対比、天才と凡人、支配と被支配の…。みたいな、難しくしようとしたらいくらでも難しくできる色々なことが含まれていて、何を観たのか処理しきれていない。
動物たちのデザインも素晴らしかった。擬人化しやすかったり、誰もが可愛いと感じられる動物が、異形の姿に改造されているところからショッキングで、ショッキングゆえに不協和を埋めるためになおさら彼らを愛おしいと感じてしまうように作られていた。
友達って最高だと笑いあうシーンは、この後どう考えても悲劇が待ってることを思うとただただ苦しかった。そして、やはりロケットだけが生き残って、3匹の友達は死んでしまったシーンがやってくる。死んでしまった3匹のことも、生き残ったロケットのことも、気の毒で可哀そうな存在だと感じさせられてしまう。
そして返す刀で、なぜこの改造動物たちは可愛そうなのに、他の動物たちは可愛そうでないのか、救われるべき動物とそうでない動物はどうやって選ばれるのかみたいなところを問うかのように、ロケットが選択するシーンがやってくる。ロケットたちは他の動物たちを救う。しかし、ラストシーンではまた、可哀そうに思えても「困る人がいるから」という理由で、人間に害を為す動物を駆除する。
軽快な音楽や個性的なキャラクターたちのユーモアの裏で、答えは出ずとも考え続けるべきことを喉元に突き付けてくるような映画だったと思う。