140字小説 1日目~10日目 とボツ案

140字で起承転結。ポエミー成分ほどほどに



1日目『まわらない』
「首が回らないんだ」 友人がランチを食べながら唐突にそう言った。 「はっ、ランチ食ってるじゃないか。なんだそれとも貸せと?もうお前には貸さねぇよ?返ってこねぇし」 「いや、違くて」 友人はそっとタートルネックを下ろした 「首が回らないんだ…」 首には大きな傷と借用書という文言があった


読みにくい。わかりにくい。借用書をなくすから体に直接かきこまれた設定だけど伝わりにくいかな。




2日目『絶海の医者』
「藪医者が!!」
島民を診療する度、彼らは私をそう詰る。私は医学部を卒業し、免許も持っているが…。不思議に思って調べてみると、島民は総じて前任の医師を信奉しているようだった。その為、治療方法が彼と同じでないと駄目なのだ。だが…
「50年前の治療方法が通用するわけないだろ…」


宗教系の本を読んだ後に書いた。題名がお気に入り。無駄な文字が多い。展開に驚きがないので面白さがない




3日目『兎は美味しかった』
絶滅したはずの兎をある島で発見した。
「博士、これは生物界を震撼させれますね!」
助手が満面の笑みで私を見る。

私は島に狐を持ち込み、助手を事故に見せかけ殺した。

絶滅宣言をしたのは私なのだ。生物界の重鎮が間違えたなんて言えるはずがない。兎のシチューを食べながら私はほくそ笑んだ。


生物的防除の話を聞いて書いた。起承転結が分かりやすいとは思う。文章が淡々としているから面白くないのかな。



4日目『好きになれない』
頬を赤く染め、僕を見る君が好きだ。
可愛くて綺麗で華奢な君が好きだ。
喧嘩したら、拗ねて電話に出ない君も好きだ。
誕生日プレゼントを素直に喜べないツンデレな君も好きだ。
新しい服を着て一人でファッションショーを始める君が好きだ。

ただ、僕をストーカー呼ばわりする君は嫌いだ。


分かりやすい展開。相手を見る→体を見る→電話を掛ける→プレゼント攻撃→部屋の監視、盗聴 の順番で少しずつ狂気が満ちてるのが伝われば。



5日目『ほんの少し』
前、お気に入りだと言っていた服のままベッドに横たわる君。
このままだと皺になるぞ?  
目を閉じた君の瞼には紫のアイシャドウが塗られている。君は化粧をしなくても綺麗なのに。メイクシートで瞼を拭ってやった。

早く、早く目を覚ませよ。ついカッとなって首を絞めてしまっただけだろう?


最後の一文で変わるのが好き。女性はメイクしたまま寝ないって解釈でおけ?目を閉じた君の瞼は目が閉じられていたことを強調したいんだけど、くどいかな?



6日目『生前はどうも』
博士は賢い人だった。
しかし幽霊がいると言っていた。
私はそんなわけないと博士を馬鹿にした。
「なら私が死んだら化けて出てやろう」
博士はニヤリと笑った

 私は博士を信じるべきだった。博士は死後、私のライバルの夢枕に立ち、研究の手助けをして奴を教授にしたのだから。


星新一からインスピレーションを得て書いた。面白いか?結構平凡な出来ですね。博士もやはりうらみがあるんですね。



7日目『あなたの』
「浮気ってどこから浮気?」
君は僕に聞いた。
「相手に言えないような行為をしたとこからじゃない?」
僕はスマホをいじる。
「キスは?」「浮気」
「ハグは?」「浮気」
「食事は?」「まぁ浮気。何だよ、いきなり」
君は僕にLINEのスクショを見せた。
「お前の話だよ」


これはちょっと怖い話をかきたくて書いた。一人称だからこそ最後のセリフが際立ってるかな?


8日目『キミはカラフル』
桃色の春、君と出会った
黄色の向日葵が咲く夏に僕たちは仲を深め、
オレンジ色の葉が落ちる秋、初めて体を重ねたね。
赤く照れる君を思い出す。
そして銀色に煌めく雪の中、純白のドレスに身を包んだ君は虹色の涙を流した。

そんな君は今、緑の紙を僕に差し出した。僕は青い、青い顔をしている。


「君の恋して世界が色づいたんだ!」というセリフから思いついた。ホントは青い春とかって書きたかったけれど我慢した。最後のオチの緑の紙は離婚届って伝わっただろか。



9日目『切れた』
ブチリと音がして、音楽が聞こえなくなった。
驚いてイヤホンを確認すると、コードが切れている。
意味怖とかでよくある、耳の神経が切れたとかそういう類かと思った。

ほっとしていると、何故か僕は床に倒れている。
薄れゆく意識とひどい頭痛の中、あの音は脳の血管がちぎれた音だと悟った。


頭痛の中で書いた。音楽聞いてたらふつうブチリなんて聞こえなくね?と思っていただければ・


10日目『辞めたい』
「王よ!愚かな行為はおやめください!」
忠臣の叫びを無視して、私は全裸で城内を歩く
「王は騙されているのです!どうかお止まりください!」
私は城門を開けさせ、そのまま馬に跨る。
忠臣が膝をつくのを横目に私は町へと繰り出した。

私の気が狂ったという噂が流れないと、退位ができないからな。



裸の王様モチーフです。ガチでネタが尽きたのでこれからやばいです。私はどうすればいいんでしょうか




ボツ①

『これもまた、人生』
「記憶を売りませんか?」
私の今までの人生は恥が多かった。だからそう持ちかけられたとき、私は迷わず、はいと答えた。
記憶の代わりに私は3000万円を手に入れた。40半ばの私はそのまま退職をして静かに余生を過ごした。
何かを思い出して死にたくなる経験は無くなり、孤独なまま生涯を終えた。


特に理由のない文章。村上春樹を思い出してふと思いついたけど面白みがないのでボツです。でも空気感はお気に入りです。



 
ボツ②


『惰眠』
「あなた、私のこと好きでしょ?」
君にそう言われて、俺は鼻で笑った
「願望だろ?お前の」
「そうかもしれないわね」
窓の外を見ながら君は言葉を続ける
「私、結婚するの」
俺も窓の外を眺めながら笑った。俺が性病を持ってたりしたら、君を縛り付けられるだろうか。これが好きという感情なら醜すぎる。


自分なりに好きという感情を考えながら書いた。面白くないので没。展開がありきたりすぎる。




ボツ③


『それは』
新種の寄生虫が発見された。
それは不可視で触れないからゴーストと呼ばれた。
それは人の声に紛れて、人間の脳に侵入する。
それは人間の脳をそっくり破壊して宿主を操る。
それは宿主を操って声を発生させ、また別の人間へと乗り移る。
それは感情を持っていない。

それは


哲学的ゾンビの話を聞いて書きました。たとえばあなた以外の人全員があなたが思うような存在じゃなかったとしても、分かりませんよね。まぁどうでもいいし、考える価値もないことなのだけれど。




ボツ④

『潜水』
海に潜るのは空を飛んでいるのと同じだ。
視界を覆いつくす青の中を飛んでいるのだ。
私の思う自由が海にはある。海が大好きだった。

では何故、今私は他人の血の海の中で立ち尽くしているんだ?
赤い海の中で倒れる友のように私も意識を失って倒れてたい。死体を担ぎながら、もう海で泳げそうにないと思った。


上手く纏まられなかったので没。赤と青が脳の中で鮮明に対比されるのが面白いと思ったんだけどなぁ。語彙力と文章力が上がったらまたこのネタで書きたいです。




ボツ⑤

『初めて』
初めてマニキュアを塗った。意外と油分が多い。赤かったけれど、成分のせいか少し茶色に変わった。
私は君の顔を見ながら笑う。
君は私にいつも初めてを教えてくれるね。
デートも
彼氏も
セックスも
浮気されることも

胸にナイフの突き立った君の頬を少し鉄の香りがする手で撫でた。


セックスってワードと展開がありきたりだったので没。地雷女はすぐに人を刺すものなのでしょうか。そんなに好きな人がいるなら幸せなことだと思います。

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