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「巣ごもり消費」増で好調なゲーム企業(下):エレクトロニック・アーツ決算発表(2020年10~12月)
日本のゲームソフト大手5社の2020年4~12月期の決算は、大手5社がそろって営業最高益を更新したと報じられています。
新型コロナウイルス感染拡大で「巣ごもり消費」が増加したことで、日本国内だけではなく、海外での売り上げが増加したことが要因として挙げられています。
加えて、昨年の秋にはマイクロソフトがXBOXのシリーズX/シリーズS、ソニーはプレイステーション5と新しいゲーム機が登場し、それらに対応したゲームソフトのリリースが始まったことも追い風となっています。
さて、今回はシリーズで米国の2強といわれるゲームソフト企業を取り上げています。
前回はアクティビジョン・ブリザードを取り上げました。
後編の本稿ではエレクトロニック・アーツについてみていきます。
エレクトロニック・アーツってどんな会社
エレクトロニック・アーツは1982年創業のゲームソフト開発企業です。
1997年に大ヒットした都市経営シミュレーションゲーム「シムシティ」をもつマクシス社を買収し、世界的なゲーム企業へと成長しました。
「EA Sports」ブランドによるスポーツゲームに強く、サッカーの「FIFA」シリーズやアメリカンフットボールの「MADDEN」シリーズは人気の高い主軸タイトルです。
また、シューティングゲームの「BATTLEFIELD」シリーズ、レーシングゲームの「Need for Speed」シリーズ、マクシス社の流れを引く「Sims」シリーズなど多くのゲームタイトルを手がけています。
2020年10~12月期決算
エレクトロニック・アーツは、2月2日に2020年10~12月期の四半期決算を発表しました。
(100万ドル) 売上高 営業利益 純利益 1株当たり利益
2019年10~12月期 1,593 361 346 1.18ドル
2020年 7~ 9月期 1,151 149 185 0.63ドル
2020年10~12月期 1,673 251 251 0.72ドル
売上高は16億7300万ドルで、前年の同じ期と比べ5.0%増加しました。
ゲームのダウンロード販売に加え、ゲーム内課金やサブクリプション収入が増えたことが要因です。
とくに、FIFAシリーズやバトルゲーム「APEX Legends」が好調で、とくに後者は新規プレイヤー数が前年比で30%も増加したようです。
一方で、支出面では販売原価のほか、研究開発費や一般管理費が前年同期比で10%以上増加しました。
販売原価の増加は、FIFAの売り上げ増に伴うロイヤルティ支払いの増加と、在庫コストの増加が響きました。
この結果、純利益は2億1100万ドルにとどまり、前年同期比で39.0%の減少となりました。1株当たり利益も同じく39.0%減の0.72ドルとなりました。
2021年1~3月期の見通し
2021年1~3月期の見通しが発表されています。
売上高:約5600億ドル
純利益:-1900万ドル(損失)
1株当たり利益:‐0.07ドル(損失)
赤字見込みとなる理由について、約1億5200万ドル(1株当たり0.52ドル)の税務費用を計上するためと説明しています。
2021年2月、レーシングゲームを得意としている英国のゲームソフト会社コードマスターズの買収が完了します。
この買収は、当初、同じ米国のゲームソフト会社テイクツー・インタラクティブがオファーをし、昨年11月に約9億9400万ドルで合意したことが発表されていました。
ところが、翌12月にエレクトロニック・アーツがそれを上回る12億ドルでの買収合意を発表。この大逆転劇は、21年1月13日にテイクツーが買収断念を正式表明し、終結しました。
まとめ
・2020年10~12月期の売上高は前年同期比5.0%増加
・1株当たり利益は0.72ドルで、前年同期比39.0%減少
・「FIFA」シリーズや「APEX Legends」が好調
・英コードマスターズを12億ドルで買収、21年1~3月期完了
同社に関していえば、決算数字を見る限り好調とは言えないかもしれません。