うさぎかめぞう

本なんて読みたければ読めばいいし。読みたくなければ読まなくていいと思う。  だけど、読めば何か自分ではないものが自分の中に残り続ける感じがなんとも面白い。  つまり自分が書いたものを読んでもらえればそれが知らない誰かの中に入り込んで心を通じることができる。  だから書く。

うさぎかめぞう

本なんて読みたければ読めばいいし。読みたくなければ読まなくていいと思う。  だけど、読めば何か自分ではないものが自分の中に残り続ける感じがなんとも面白い。  つまり自分が書いたものを読んでもらえればそれが知らない誰かの中に入り込んで心を通じることができる。  だから書く。

最近の記事

大学生が京都から東京まで歩く話⑤

6日目 今日は名古屋に入った。今までの道のりとは違い都会だったためテンションが上がった。名古屋駅の近くにあるDIORの前で記念撮影した。こんな汚い奴らが店の前に立って写真を撮影するなんてとんだ営業妨害とは思いつつ。そんなことをしながらたくさん笑った。イオンモールに寄って食料を調達した。イオンを出ると名古屋を南下する道のりへと切り替えた。観光してる暇なんてない。今日は大きな事件もなく順調に歩き進めた。東海道と書いた案内標識を見つけて写真を撮った。ここら辺で気づいたことがある。そ

    • 大学生が京都から東京まで歩く話④

      オーバーナイトウォーキング編  夜はテンションがおかしくなり元気になる。ブルーハーツを歌いながら当たり前のように中山道のルートを外れて南下する。あたりには電波塔がいっぱい立っていた。僕らはとにかく川に沿って歩いていた。とりあえずの目標は30キロ先のポカポカ温泉だ。3時頃、そろそろ疲れてきたなという空気が流れたためローソンで休憩を取ることにした。 店の前、自動ドアの横で気づけば僕らは眠っていた、、、 5日目(清須市五条川五条橋の下) ここはどこだ。コンビニの前だ。自分は誰

      • 大学生が京都から東京まで歩く話③

        4日目『オーバーナイトウォーキング編』 目が覚めた。僕達は生きていた。まずその事への感謝から始まった。ただ人生で最も死にたいと思うほど最悪な朝だった。テントと寝袋はビショビショ。天井から結露による水滴が落ちてくる。テントの下も雪のため自分の体重と体温で雪が溶けて固められ少し体が沈んでる。恐る恐るテントのファスナーを開けて外を覗くとテントは三分の一くらい雪に埋もれていた。外には90センチほど雪が積もっていた。米原での観測史上最高だそうだ。全く運がいいのか悪いのか。今朝はいつも

        • 大学生が京都から東京まで歩く話②

          2日目 2022年2月5日  朝起きると昨日の疲れが嘘のように吹っ飛んだ。近所の気のいいおじさんと挨拶を交わし意気揚々と僕ら3人は出発した。7時ごろラムーというスーパーで水や食糧を買った。  そして再出発の際にウサギがソーラーパネルを背負いスマホを充電した。そして自らをエスディジーザーと名乗った。首からソーラーパネルをかけて日光を集めスマホを充電する。ネオが考えたアイディアだ。 そして、それぞれ一回ずつエスディジーザーになり自分のスマホを充電した。一行は時を忘れて光を求めた

          大学生が京都から東京まで歩く話①

           1日目(出発日) 2022年2月4日  本来は13:30分に集合であったはずだが、10時ごろにネオから耳を疑う連絡が入った。「俺の妹が昨夜から熱出てPCR受けにいってるねん。おれワンチャン濃厚接触者。昼には結果出るからもうちょっと待って。」 3人とも生きた心地がしなかった。  今まで生きてきた中でこれほど友達の妹の病態を心配したことはなかった。 そして15時半ごろに「妹陰性やった」と連絡が来た。嬉し過ぎて「陰陽師がきた」と誤読してしまうほどだった。  ウサギは出発前に自

          大学生が京都から東京まで歩く話①

          大学生が京都から東京まで歩く話 まえ書き

          これは、ただの男子大学生が漢になるまでの物語である。  ここにあるストーリーは現実を元にしており、それどころか一切の脚色を加えてはいない。それはあえてである。その時の会話や情景をありのままに伝えたい。そうでないとリアル  ノンフィクションである意味がないから。 というか、その時の記憶をを端から端まで憶えているから脚色を加えようとすると、なんだか不格好になるのだ。それほどにこの18日間は濃かった。  ※この文を書いているのは登場人物の1人である。私うさぎである。  とある大学

          大学生が京都から東京まで歩く話 まえ書き

          人生の意味

           今日学校行かんとこ。そう決心したのは大学の正門前である。それは春から夏に切り替わる時期でいきなり気温が上がった事も関係しているのかもしれない。もしかしたら。私は学校に背を向けて歩き出したとたん鼻からツーッと何かが流れ出てきた。その何かがポタッと着ていた白いTシャツに落ちた。下を向いてTシャツを見ると白かったはずの部分が赤く染まっていた。鼻血なんて久しぶりだった。これは神様が学校に行くなと言っている。そう感じた。授業に行かないにしても一度学校に入ってトイレで血を洗い流す事はで

          書き初め

           最近の作家は才能に溢れたものが多いと感じる。文章の美しさ。物語の展開力。発想力。 彼らは完璧である。私にそんな才能は無い。いや、少ないと言っておこう。  私はどう足掻いても彼らのように完璧な作品を書き上げることはできない。どこかに荒さがあるし正しい文章を書けているのかすら分からない。  なんだか、本の前書きみたいになっていて恥ずかしくなってきた。あれは作者が自分の作品に対して保険をかけている文章でしかない。物書きとして恥ずかしくないものか。  話が逸れてしまった。私には完璧