理想の地へはどう行く?
こんばんは。
キャリアって何なんですかね。
このノートを見てくださってありがとうございます。
さて、業界の定期的な不況にあおられて、2年のはずが1年も持たずに辞めることになった小さなチーム。
その仕事を次の3ヵ月をかけて片付けることになり、与えられた別のオフィスで、淡々と仕事の続きをしました。あの窓際の明るい席に座れなくなっただけで、仕事は電話やメール、郵送などでできていました。時折、いっしょにランチを食べていた方々と電話で話せるのは嬉しかった。
そして約束の3ヵ月。ちょうど年末にさしかかっていました。
もちろん、この3ヵ月は結構忙しくて周囲の知らない人たちにもかまわず、とにかく納品目指してやりとりしていました。
もらっていた座席は、会社の常務という人の目の前。横を向いて右側を常に見られる形で座っていました。
今思うと、よく右側にじんましんが出来なかったなと思うけれど、当時思っていたのは、年明けからどうなるんだろう。ということ。契約は年末まで。必死で仕事をしているので転職や営業の活動などまるでなし。
すぐそには、自分が契約していた会社と懇意にしている、偉い人が座っている。自分にとってはキーマンだ。
時折気にしているけれど、たくさんの人がいる中、何もできずに、不安をよぎらせながら仕事を進めていました。
そして、ほぼ完成した年末。どんなタイミングだったか覚えていません。その常務という人に、自分は話しかける機会を得ました。といっても、立ち上がって右を向いて2、3歩。
会社に入らせてくれませんか。
おう。来年の4月になったらな。
… 私、1月から3月までどうやって生きていけばいいんですか!?
そこで彼は止まりました。とても不快な顔をして。
そして、元々3ヵ月延長の契約を設定してくださった営業の方が来ました。人事の人に会えるそうです。
程なくして呼ばれていった上層階。会議室には2人の知らない男性が座っていました。とてもいやな顔をして、… それで、と話し始めました。
私は結局、1月の仕事始めから正社員として入社することができたのです。
席に戻ったら、常務が戻ってきて一言言いました。4級にしておいたからな。
何のことやらさっぱり分かりませんでしたが、その顔はちょっとだけ、うれしそうでした。
自分はそうやって、憧れていた、その当時最高の成果物を作る、最高の会社に入れたのです。
自分があのすごい品質の製品づくりの一端を担当できるかどうか、まったく分かりませんでしたが、でも可能性というものが眼前に現れたのです。
1年以上前に置いてきた仲間、友人たち。あったかかった小さなチームの人たち。その間を取り持ってくださった人たち。夜バイトをしていたときの大きな夢を持つ若い仲間。
思い返したけれど、自分はそうやって、前に進む。自分をねじ込んだような格好になったけれど、でもそれは自然の流れでやってきて、いま目の前にある。
制作をやっていて、大量の紙を前にして、テクニカルライティングにもであった私がいつの間にか胸に抱いていた言葉。 フリーのプロになりたい。
そのためにここにきた。最高のものの作り方を知ることができる、最高の環境がある、理想の地に行き着いた。年明けからはじまりだ。やっていこう、そう思ったのでした。
・・・ つづきはまた。
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