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#34 不得意なことから始めるキャリア形成
僕自身の話にはなりますが、敢えて自分に不向きな営業職を仕事にしたことで、結局今の仕事に非常に役立っているなあと感じているので、それについてしたためます。
一見、営業向きでは無かった性格
僕はいい歳しても未だに口下手で、人前で話したり、人脈を広げるという作業が非常に苦手です。
自分でも、饒舌な商談トークで売上を叩き出すような営業向きでは無いなと、学生ながら理解をしていました。
(最近受けたストレングスファインダーでも、社交性やコミュニケーション、目標志向、競争性などは下位の方です。)
それでも、「営業ができないやつにいい仕事はできない!」という教えのもと、学生インターンとして営業にのめり込むようになります。
新卒で会社を選ぶ際も、職種は営業で考えていました。
不得意もやり方次第で乗り越えられるという実感
口下手な僕は、商品プレゼンも下手くそで、ここぞという大事なクロージングもできず(買ってください!という恐怖感は当時大きかった)、なかなか数字を出せるものではありませんでした。
ですが、そんな日々を繰り返していくうちに、「うまく相手の懐に入り、親密になった状態で交渉をする」自分なりの型を身につけていきます。
徐々に結果が出るにつれ、苦手なことでも一定はなんとかなるという実感を持てました。
逆にいうと、得意なことしか選ばないというのは、苦手なことをするハードルにもなりえます。
未熟者である「今の自分が得意なこと」というのは、高が知れている上、判断材料も非常に曖昧です。
人は自分のことはよく理解していると思いたがりますが、自分の知ってる自分はごく一部と考えて問題ありません。
仕事を食わず嫌いすることで、新たな自己発見ができなくなるのは非常にもったいないことです。
それゆえ、今の自分が思う得意なことを選ぶのではなく、
「今は少し苦手だけど、今後できるようになりたいこと」
という仕事の選び方は、自分の成長に大いに役立つはずです。
経験×得意の掛け算ができる
僕自身、今は比較的適性のある(と思う)カウンセラーの仕事をしていますが、内情は人材会社の営業なので、数字はしっかり求められます。
求職者の気持ちにただ寄り添うだけでは十分な結果は出ず、売上からの逆算した行動設計や、ここぞというときのクロージングは必要不可欠です。
もちろん、健全な紹介会社であれば求職者の意向が第一なのですが、営業畑の経験がない人はこの塩梅に苦労し、寄り添いすぎてしまう節があります。
その点、営業職として上司にしっかり売上やKPIを詰められた経験、顧客との切った張ったの修羅場を多少なりとも味わった自分としては、ほどよいバランスで、自社の売上と求職者の気持ちを考えることが自然にできていると感じます。
こんな具合で、不得意なことをした経験(後天的に身につくスキル)と、元来持つ得意なことを掛け算することで、より貴重な人材になれると思います。
(今後はどんな分野を経験していこうか模索中です。)
ただし無理しすぎには注意
一方で、不得意なものを続けるというのは、簡単なものではないので、辛くなって病みすぎないようにというのは要注意です。
そんなときは、「もしどうしても合わなければ辞めたらいい」という逃げ道と、
やらされ仕事にせずに「自分でこの道を選んだんだ!」という能動性を持つことが、逆境の自分の心を支えてくれます。
やりたいことが無い人ほど、「不得意だけど身につけたいスキル」から考え、飛び込んでみるのはいかがでしょうか。
新しい自分を発見し、そこから見える世界は大きく変わっていくのではと思います。