#30 踏ん張りどころの嗅覚を磨く
僕は「仕事は長距離走かつ団体戦」という考え方を大切にしており、周りから見てもそこまで無理して頑張るタイプの人間ではないと思っています。
一方で、「今は少しつらいけど踏ん張らなきゃな…」という踏ん張りどころのタイミングでは、惜しみなく力を注ぐように重々気をつけています。
どうしてもこだわりたい商談の前などには、徹夜をしてでもギリギリまで準備をしていたものです。
忙しさのピークに達しているときに、そこで「無理しないように」と過度に自分を労いセーブしてしまうと、一定期間トータルで見たときの仕事量・生産性がぐっと下がってしまう危険性があります。
職種や事業規模によっては、そもそもの仕事量や重要度に波が生じるもの。
そのため、単にいつもより少し忙しいからという理由で適当に済ませるのは、想像力に欠ける行為なのです。
できるビジネスパーソンほど、平常時に多少サボる時があっても、ここ一番という時に穴を開けたり、力を抜くことは絶対にありません。
しかし厄介なのは、踏ん張りどきは音もなくひっそりと訪れることがあるということ。
重要取引先へのアポや役員プレゼンなど、誰もがわかる大事な場面で頑張るのは比較的簡単ですが、
先を読んだ上で今の状況を冷静に判断し、自分の中で「今だ!」と隠れた踏ん張りどきを嗅ぎ分けられることは、なかなか難しく、センスを問われる部分だと思っています。
側から見ると、「この人、予定詰まってるわけでもないのに何でこんなに忙しそうなんだろう?」と感じるときは、実のところはその人から見れば勝負どころだったりするのです。
こういった、正念場を自分で見極め、力を注ぎ込める力というのは、地味ではあれど、効果は絶大です。
ただこの力は一朝一夕で身につくものではなく経験がものをいう世界のため、先輩方との認識のすり合わせが必要です。
自分的には「これくらいでいいだろう。」と思っても、経験豊富な人からすると、「なんでそれしかやらないの?今頑張らなくてどうするの?」と思われたりするもので、実力者に自分の見立てをぶつけるということは大切なことだと感じています。
もっというと、常日頃からパレートの法則を頭の隅に入れ、どの仕事が80でどの仕事が20なのか?を分類して日々のタスクをこなしていくのも、いいトレーニングかなと。
頑張りすぎて無理をするのはよくありませんが、全てを平均的に頑張るのは非効率的です。
然るべきタイミングでの努力はレバレッジがかかるので、自分にとっても大きなプラスになります。
踏ん張りどころを上手く見極めながら、健康的にやっていきましょう。