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モチベーショングラフ(人生曲線)を書けない理由を言語化してみた。

就職活動、転職活動などにおける自己分析ツールの1つとして、
下記画像のような「モチベーショングラフ」という手法があります。
(「人生曲線」「ライフラインチャート」などとも呼ばれています。)

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モチベーショングラフの作り方のポイントは、今までの事実や出来事をたくさん思い出し、まずは書き出す。
その時、「これは面接で役立つエピソードかどうか」などは考えないことが大事です。日常の些細(ささい)なことを、丁寧に思い出していくように心がけましょう。

https://job.rikunabi.com/contents/howto/247/

僕はこの手法について、
「モチベーションをグラフにする。」という行為に強い違和感を抱いてしまい、
キャリア支援者として働く今も、このグラフを活用できずにいます。
(もちろん、自分にとって何が幸せで、どんな価値観を持っているのかを知るのに有用な手法であることは理解しているつもりです。)

自分は何故モチベーショングラフを書けないのか?を、
改めて言語化し、同じ悩みを持つ人に届いてほしいなと思います。

①人生の充実度を、外的要因に結び付けようとしていること

モチベーショングラフを作る過程において、
折れ線グラフの山や谷の部分に対して、
「どんな出来事があったか?」「どんなことを感じたか?」と洗い出して追記する作業が発生します。

しかしその作業には、
「ある重大な出来事が生じたら、グラフはプラスまたはマイナスのどちらかに動くよね。」
という前提があります。

僕が自分自身のモチベーショングラフを書こうとすると、恐らく比較的高い位置でほぼ横ばいになります。
それは、いつの時期でもそれなりに幸せで充実していただろうなと、素直に思えるからです。

自分の過去の出来事を振り返ってみて、家庭環境が悪かったり、仕事や学業で思うような成果が出なかったりなど、
他人から見れば決して幸せには思えない時期も経験してきたつもりです。

しかしそういう過去を思い出して、
「充実していなかった」「不幸せだった」という感覚はありませんし、
僕の人生に重要な示唆を与えてくれた出来事だったと、綺麗ごと抜きで捉えています。

自分が幸せかどうかは、自分の選択次第だと思っているので、
「ある出来事が起きた」という外的要因が、幸福の多寡に影響を与えているという感覚が、理解しがたいのです。

②人生の幸福度を線で捉えようとしていること

そんな僕ですが、ただ1つだけ、
自分の幸福度を結びつける出来事として
「自分や家族の心身の健康」が挙げられます。

特に慢性的な疾患をお持ちの人は、
症状が強く出ているか出ていないかで、どうしても感じる幸福に影響があるのではと想像します。
(ただこれも当人がどう考えるかが重要で、他人が評価できるものではありません。)

幸い、比較的健康な体で生まれた僕ですが、
よく寝られた次の日は比較的充実した1日を過ごすことができるし、
風邪を引いたり、二日酔いの日はモチベーションは大きく下がります。

単純な健康状態だけではなく、
・美味しいものを食べる。
・天気のいい日に散歩をする。
・愛するパートナーを一緒に過ごす。
などといった時間を過ごすことで、心理的な幸福感にプラスの影響を及ぼします。

しかし、それはあくまでもその瞬間瞬間の話であって、
株価のように連続した線で経過を捉えられる概念ではありません。

幸せや充実感とは点で語るものであり、その1つ1つが唯一無二のかけがえのない存在です。

点でしか語れない一瞬一瞬の幸せたちを、
人生の一定期間の中で比較・評価することは、とても無理があると思うのです。

「モチベーショングラフが書けない人生」を目指そう!

誤解を恐れずいうと、モチベーショングラフを何の違和感も無く書ける人の中には、
「自身の幸福を、外的要因に大きく依存しすぎている人」がいるのではと思っています。

過去に起きた出来事に対して、
ごく一般的な尺度で「いい出来事だ」「悪い出来事だ」と決めつけるのはとても簡単です。

しかしそれではいつまで経っても自分らしい生き方なんてできませんし、
「過去にこういうことがあったから自分は不幸せなんだ。」と、自分が幸福でないことに理由をこじつけてしまうことにも繋がります。

過去の幸福度がどうだったのかを分析する前にやるべきなのは、
「今が最高に幸せ!」と思えるように、
・どうして幸せだと思えない心理状態なのか?
・どこに認知のゆがみが生じているのか?
にしっかりと向き合い、今この瞬間の心の健やかさに集中することです。

そうして現在の自分の状態を良くすることで、過去の悪い出来事も肯定できる感覚が生まれてきます。

幸福度を高めるために、“いい出来事”なんて必要ないことにも気づけるようになります。
※近年注目されている、EQ(心の知能指数)の向上が非常に役に立ちます。

「今、この瞬間を全力で生きる。」とはよく言ったものですが、
「今が最高に幸せ!」と常に言える心理状態で日々過ごしていれば、モチベーショングラフを書くのは困難です。

「過去のどの瞬間も有難く、モチベーショングラフを書けない人生」が、
本来追い求めるべき人生なのでは?と強く感じる僕なのでした。

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