#14 お客様の嘘を正しく見抜き、決して深追いしない話

営業として働く中で、何よりも大切なのは「見込み客の考えを正確に捉える力」だと教わってきました。

イケてない営業マンほど、失注した際に、
「最初の反応はばっちりだったんですけど…。」
「前向きに考えてると言ってくれてたんですけど…。」
「先方の社内稟議が通らなかったみたいで…。」
と、嘘か本当かわからない断り文句を失注理由として並べます。

そんな理由は本質ではなく、実際のところは、
ありがちな断り文句を先回りして潰せなかった上に、相手の話を間に受けて信じ込んでしまったことに他ありません。

聞こえのいい断り文句を言うお客様に無駄な時間と労力を費やしてしまっては、本当に価値提供できるお客様に対して大変失礼です。

僕の経験した法人営業の現場では、お客様は企業同士の付き合いを気にして明確なノーを言いにくかったり、それらしい言い訳も重ねやすい(決済権が無い、予算が足りない等)ので、相手の言っていることが本当なのか嘘なのか?というのを見破ることが得意になりました。
(もっと正確に言うと、嘘か本当かの判断材料をヒアリング時に集められるようになった。という感じです。)

特に女性のお客様は、僕の経験上、リアクションと本心のギャップが大きい人が多い感覚があり、嬉しい反応に騙されないよう要注意だなと感じます。。

もちろん前提として、嘘を言うお客様が悪いというわけではなく、隠れた真意を捉えられない営業側の問題ですし、一方的な感情の決めつけも良くありません。(あくまでも見込みの精度を上げるという話)

こちらに心を閉ざしているかも?のサインとしては、
・ヒアリング時に言っていたことと辻褄が合っていない。
・断る理由を深掘りしても、一点張りでリアルなところを語ってくれない。
・目が泳ぐ、早口になるなどの非言語情報の変化(中には断ってんだよわかってくれと言わんばかりの人も)
といったように、実は会話の節々に現れてたりします。
そのサインを元に確度の判断をしたり、アプローチを変えていったりします。

そもそも嘘をつかれないような信頼関係を作れよ!というツッコミがあるかもですが、恥ずかしながら僕の実力ではいきなりそこまで辿り着けないのが現実です。

これはキャリアアドバイザーに転身した今も、小手先で役立っているスキルだなあと感じます。

求職者側の立場としては、人材紹介業に携わる人間の言うことは信じすぎず、適度な心理的距離を保つのが正しい態度です。(かと言って嘘はあまりおススメできませんが…笑)

そんな状況の中で、キャリアアドバイザーとしては求職者様の言葉の節々に宿る小さな嘘を見抜き、それを念頭に置いたコミュニケーションが必要となります。

ただその嘘をそのまま指摘してしまうと、相手の立場が悪くなるので、あくまでも騙されたふりを徹底し、然るべきタイミングで、

「(ここまで聞いて)改めて今のお気持ちを正直ベースでお伺いしてよろしいですか?」

といったニュアンスのヒアリングをすることで、
お客様としても「嘘をついていた」ではなく、「気持ちが変わった」というテイで正直な気持ちをお伝えしてくれるので、結果的に良好な関係を築きやすいです。
嘘をつき続けたり、嘘がバレて気まずくなるのはお互い幸せにならないですからね。

相手の言動を、自分の捉えたいように捉えてしまうのは対人折衝において失敗の元です。

過度に期待せず、相手のどんな気持ちも受け入れるスタンスが、この仕事の心理的負担を減らすコツなのかなと思います。

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