マモ

エンジニア。書評を書いたり投資について書いたりしている。趣味は次世代エネルギーについて…

マモ

エンジニア。書評を書いたり投資について書いたりしている。趣味は次世代エネルギーについての鋭い考察を書くことである。最近の流行りは園芸。

最近の記事

宝石の鉱山ツアーへ行ってきた

宝石を商いする人間は全て博徒である。 金持ちになりたいなら石油、宝石、麻薬のいずれかで勝負すると誰かが言った。 ただの鉱夫から一発どでかい山を当てれば大金持ち。 それが宝石商。 宝石の鉱山をどうしても見たくなった。 博徒の生きざまを肌で感じたい。漢のロマン……! 有名な宝石の産地をいくつか調べたところ、スリランカのラトゥナプラなら三連休と有給を使えば行ける距離にあると判明。 大学の知り合いのグループラインに同行者を募集したら、二名が手を挙げた。彼らを連れてスリランカのラト

    • 南極大陸の土地を取得しよう!

      コウテイペンギン至上主義の勉強会に出席し、コウテイペンギンのコロニーがどんどん減少していることを知った。 南極大陸はどこの国の領土でもない。当面は南極大陸を資源開発などで生息地が荒らされることはない。これは、南極条約で各国の領有権が凍結されているからである。 鉱物資源の採掘云々については、そもそも各国の領有権が凍結されているため棚上げの状態である。領有権の問題が解決しないのに採掘権の話し合いをするのは意味がないという理屈だ。 しかし、問題がある。2048年に南極条約の見

      • 2024年4~6月に読んで面白かった本

        今回は少し古い本(2000年代以前)が多め。 古い本だと出版社が倒産していて、探すのに苦労する。 国会図書館の検索エンジンを使うと探しやすい。 南極条約体制と国際法 コウテイペンギン至上主義の勉強会に参加して、ふと思った。 「南極大陸の領有権を主張すれば、コウテイペンギンのコロニーを保護できるのでは?」 そんなわけで、現行の南極大陸の領有権がどうなっているかについて調べた。 南極大陸の領有権は"凍結"であって"取り下げ"ではない。つまり、凍結を解除された時は再度領有権の

        • 2024年1~3月に読んで面白かった本

          四半期ごとの読んで面白かった本シリーズ。 ・アイスピックを握る外科医 標本採取の傍らの奴隷貿易、墓暴き、人体実験、ロボトミー手術…と科学に熱中し過ぎて倫理を忘れた人達の話。 一章が短いので読みやすい。 科学者に倫理は必要な一方で、当時の倫理観を無視するような人が一人くらいはいないと人類はここまで発展できなかった可能性はある。 例えば、人体解剖をしたジョン・ハンターが生きていた18世紀当時のイングランドの価値観では死体を解剖するなんてとんでもない話であった。キリスト教の考

        宝石の鉱山ツアーへ行ってきた

          2023年に読んで面白かった本

          2023年も残すところ後わずか。 今年読んで面白かった本を挙げていく。 「綿の帝国」 「換金作物を栽培すると儲かるよ!」という話はよくあるが、主食である穀物やイモ類の栽培をやめると綿花相場が少し下落しただけで食べるものが無くなる。後は債務漬けだ。 綿花栽培の普及と帝国主義はセット。サトウキビ、コーヒー、カカオと同類である。 「エジプト近現代史」 スエズ運河を建設する時に外債で資金調達をしたのが間違いの元であった。 借金のカタとしてスエズ運河はイギリスに取られることに

          2023年に読んで面白かった本

          コーヒー農園ツアーへ行ってきた

          チェンマイのコーヒー農園ツアーへ行ってきた。 同行する友人がコーヒー好きで「コーヒー農園の見学は面白そうだ」と考えてのチョイス。 事前に日本からツアーを予約してホテルでピックアップしてもらうタイプの半日ツアー。旅行会社のサイトが生きているかどうか不明だったが(お問い合わせフォームが壊れていた。HTMLがなってない)、メールの返信がすぐに返ってきたので「まあ生きてるでしょ」の感覚でツアー代金を支払った。 ツアー当日。「あ~たらしい~朝が来た~!」とラジオ体操の冒頭を口ずさむ

          コーヒー農園ツアーへ行ってきた

          2023年(7~9月)に読んで面白かった本

          四半期ごとに書いている読んで面白かった本シリーズ。 面白い本は読む手が止まらなくなる。 年数重ねるにつれて審美眼が養われている筈なので後半に読んだ本の方が面白い……と思う。 ・「世界を変えた10のトマト」 イタリアにトマトが上陸して300年は食卓に並ぶことはなかった。ずっと観賞用として栽培されてきた。 ナポリのピザにトマトソースが添えられるようになったのは19世紀後半と遅い。我々のイメージするイタリア料理はせいぜい100年ちょっとの歴史しかないのだ。 トマトがここまで

          2023年(7~9月)に読んで面白かった本

          2023年(4~6月)に読んで面白かった本

          四半期ごとに書いていたが、4~6月が忙しくて書けなかった。 ・「エジプト近現代史」 「エジプトは日本より半世紀前に近代化を始めたのに、未だに発展途上国のままであるのはなぜか?」に答えた本。 その原因はスエズ運河と綿花栽培である。 スエズ運河の設立はエジプトが労働力と資本を負担、エジプトの手持ちの資本だけだと資金不足だったので、英仏が資本を一部提供することで完成した。ところがどっこい、エジプトの資本調達は外債の発行で行われていた。高金利の外債の利子を払えなくなって、借金のか

          2023年(4~6月)に読んで面白かった本

          タバコの発芽について

          個人輸入したタバコが発芽したので記事を書く。 タバコの栽培は合法だが、製造は違法なので注意。タバコの葉を乾燥させるとたばこ事業法違反になる。鑑賞目的の栽培はセーフ。 前回の記事はこちら。 種まきについて タバコは好光性(光を当てると発芽する)なので、土は被せずにそのまま種子を蒔く。種子のサイズが小さいので粒子が小さめの土を使う。 ホームセンターに行くと「種まきの土」みたいな商品が売っているのでそれでよい。 温度は20℃程度は必要。 冬場にヒーターで温めて発芽させようと

          タバコの発芽について

          自作チーズを熟成させよう~ロークフォール編~

          自作チーズ作りが上手くできたので記事を書く。 前回の記事はこちら。 ロックフォールチーズは最低でも60日は熟成させるのだが、作者が我慢できなかったのと、ゴールデンウィーク中に食べれば食中毒に当たっても大丈夫という判断で熟成45日程度で食べた。まだチーズは残っているので熟成期間の変化で味がどう変わるかは検証する。 毎日のお世話 朝晩ひっくり返してタッパーに敷いてあるキッチンペーパーを取り替える。ひっくり返すことでチーズ内の水分を均一に抜く。これを怠ると雑菌が繁殖するので、

          自作チーズを熟成させよう~ロークフォール編~

          2023年(1~3月)に読んで面白かった本

          四半期ごとに書いている面白かった本のまとめ。 私生活が忙しかったので思ったより読めていない。 織物の世界史 毛皮、絹、綿、羊毛、合成繊維と織物についての歴史。 衣服についての歴史を広く押さえてあって読みやすかった。 1960年代までは服は自作していた人の方が多数派だったのが意外。 なぜ服がここまで安くなったのかというと、石油から作られる合成繊維の発明とコンテナによって物流が効率的になったから。 アパレルは最後の細かい調整は人の手で行わないといけない。 人手がどうしても

          2023年(1~3月)に読んで面白かった本

          自作チーズを作ろう~ロックフォール編~

          自作チーズを作る怪電波を受信したので、チーズのスターターの輸入をすることにした。正直、個人輸入をしたいだけでチーズ作りは二の次だったのだが、チーズ作りは予想以上に面白いので記事にする。 いつも通り海外サイトを巡回、チーズのスターターを輸出してくれる業者を探して商品を買った。 チーズのスターター(ヨーグルトの種みたいなもの)、カビ菌(青カビと白カビ)、レンネット(牛乳を凝固させるのに使う)を購入。 チーズのスターターもレンネットも動物検疫の対象外なので無許可で輸入が可能。

          自作チーズを作ろう~ロックフォール編~

          タバコの種子の輸入について 後編

          前回、植物検疫証明書の添付し忘れで税関に全部廃棄された続きである。 正月休み中に作戦を練って他の業者を探していた。植物検疫証明書を添付してくれる業者を。 一つサイトは見つかったが、まだサイトの管理人が生きているかは怪しかった。2010年頃に設立されたサイトだと飽きて放置された可能性がある。 買い物かごもない。管理人のメールアドレスと電話番号だけ書いてある昔ながらのサイトである。「本当にこの店やっているのか?」と思った。 他に候補も見つからなかったので、正月休み明けに業

          タバコの種子の輸入について 後編

          タバコの種子の輸入について 前編

          タバコの栽培をどうしてもやりたくなった。 「タバコの世界史」を読んだからだと思う。 タバコはカリブ海植民地に入植した人間が一番最初に栽培する植物であった。タバコは初期投資が他の農作物と比較して安く、播種から8ヶ月程度で収穫できるので資金回収効率が高い作物である。 タバコ栽培である程度元手を貯めた人間は、資本は必要だがより利益の出るサトウキビ、カカオ、インディゴ栽培に手を出すことになった。 タバコは入植者にとっての福音であり、植民地ドリームの一歩である。 ワイも植民地ドリ

          タバコの種子の輸入について 前編

          2022年に読んで面白かった本

          今年も残りわずか。 毎年恒例の今年読んで面白かった本の総集編を書く。 年末年始は意外と暇だぞ。 相場師マーク・リッチ 原油のスポット市場(その場で必要な分だけ取引できる市場)を開発した相場師のインタビュー本。彼がスポット市場を開発するまでの原油取引は長期取引(20年間いくらで原油を買い続けるといった長期契約)が原油取引の90%以上を占めていた。長期取引はオイルメジャーの仲介しないと取引できない体制だった。 スポット市場なら売り手も買い手も自由に取引できる。これは経済制裁

          2022年に読んで面白かった本

          石油会社のRoyalty trust について

          石油株が好き過ぎて「ワイも油田のオーナーになりたい。石油王になりたい。地下資源の利益で甘い汁を吸いたい」という気持ちが強くなってきたので、石油利権について調べた。 元々、鉱山会社には鉱山を実際に持っている企業と、鉱山会社に鉱区を貸し出しをしてロイヤリティー収入(不動産の大家みたいなもの)を得る企業があることは知っていた。 「金鉱やニッケルのロイヤリティー収入があるなら、石油のロイヤリティー収入もあるのでは?」と疑問に思って調べたら見つかった。 日本語の記事もなかったので

          石油会社のRoyalty trust について